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走り出すインド、転びまくる日本

NHKのカルチャーラジオ 歴史再発見で年明けからやっているのは「走り出すインド」という水島先生の講座です。
11回まで進んでいるのですが、そのタイトルは

第1回「インドが向かう21世紀」
第2回「海洋制覇の夢」チョーラ朝のラージャラージャ王
第3回「中世王国と劇場」デカン高原のヴィジャヤナガル王国とダサラ祭
第4回「押し寄せる軍勢」デリー諸王朝
第5回「立ち上がる帝国・崩れる帝国」ムガル帝国
第6回「乱世の先 植民地化(1)」交易の中心が香料から綿布へ
第7回「乱世の先 植民地化(2)」イギリス東インド会社
第8回「インド綿布を超えよ」技術革新・産業革命
第9回「税で奪い尽くせ」インドからの「富の流出」
第10回「体制を整えよ」インド社会の制度化、裁判・司法制度の導入
第11回「英国女王と号泣するインド王」シク王国最後の王デュリップ・シング

いやはや世界史で薄っすら習っていたことではありますが、正直全然知らなかった話でビックリと共にインドってすごい、またそこから簒奪三昧のイギリスってエグイと思ったのです。確か全13回なので、今月一杯あり、だんだん現代に近づいてはいるものの知らないことはまだ多いのだろうと楽しみです。
ちなみに11回までで驚いたのは第5回と8回の綿布についての話で、私は東インド会社=スパイスと思っていたのですが、それは当初のことで圧倒的に品質勝価格競争力のあるインドの綿布が欧州を席巻し、イギリスの繊維業が崩壊しかけたところから、いかに品質を上げ、また産業革命による大量生産が生まれたかという所はドラマチックで胸躍りました。
また9回の徴税もまた凄まじいもので、植民地主義っていうのはこうまでするのかと驚くばかりでした。
もちろん11回のシク王国最後の王デュリップ・シングの悲劇的な一生は印象深いです。

実はこのラジオ録音していたものを今回日帰りで四国に行った道中まとめて10回分聞いたのですが、一緒に持って行った中村元先生の「インド思想史」はほとんど手を付けれませんでしたが、水島先生の話と多分に重なる所がありそうで、楽しみです。

次回12回は「帝国への逆襲 ガンディー登場」とのこと。

ついにインド帝国崩壊、独立の話になるようです。以前もアップした記憶がありますが、私はいずれはインドと英国が連邦として成立するような気がします。
この講座で聞いた東インド会社時代からの収奪と独立という数世紀にわたる印英の関係は終わったわけではありません。今や英国首相はインド系のスナク首相ですから、21世紀「走り出すインド」の伴走者はイギリスなのだと思うのです。

そういう関係、外交を見るとイギリスは強かな大人の国、またインドは更に酸いも甘いも嚙み分ける一段上のステージの国とも思うのです。
日本の海外との関係はよく言われるように「今だけ、金だけ、自分だけ」の損得関係だけ。気が付いたら廻りから嫌われている存在に感じます。日本スゴイとかクールジャパン、神の国なんて言っているのは自分だけでしょう。
金の切れ目が縁の切れ目とはよく言ったもので、成金の金が尽きたら見捨てられるのが常道です。数十年、数世紀を越えた関係作りなど誰も考えることがなかった、目先の政治、外交のツケが「転びまくる日本」の姿なのだと思います。

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