読書感想文で身につける。要約力と5W1H

小学生の頃から読むことが大好きで、本はもちろん、新聞やジャンプの最後のページの作者あとがきまで、隅から隅まで舐めるように読み切る活字ジャンキーでした。

ただ自分が文章を書くのはからきし苦手で、夏休みの読書感想文は何をどう書いて良いのかわからず、ひたすら、本の内容を引用してごまかしていました。正直、何のための宿題なのか、さっぱりわかりませんでした。

今になって考えると「誰に向けて書いたら良いのかがわからない」「良い読書感想文がどんなものかがわからない」という2点で引っかかっていたのだと思います。

1点目はマーケティング用語の5W1Hで言うところのWHO、読書感想文を読んでもらう相手ですね。先生なのか友だちなのか親なのか知らない人なのか。大人なのか子どもなのか。特に「この本を読んだことがあるのかないのか」。

誰に向けて書けば良いかわからなかったので、読んだことがない人でもわかるように終始、本の説明にスペースを使ってしまうことが多かったように思います。

2点目はお手本が無かった。
どういう読書感想文が良い文章なのかがわからず、見本がない中で、努力のベクトルを向ける方向がわかりませんでした。

学校でも、年齢に応じた「読書感想文の書き方」の授業は当時なかったように思います。

適切なタイミングで、お手本になる読書感想文に触れ、それを分析し、学び、書いて得られる能力について理解できていれば、模倣から学ぶきっかけを得ることが出来ていたかもしれない。と大人になった今では思います(そんなうまくはいかないか。。)

もしも小学生のころの自分にお手本として1つ読ませるなら、エッセイスト・モデルの華恵さんが小学5年生の時に書き文部科学大臣賞をとった作品を含む「小学生日記」を挙げます。彼女が小学生の頃に書いた文章を同世代の自分が読んでいたら、どんな反応をしたんだろう。もしかしたら書くことがもっと好きになっていたかもしれません。

小学生日記 (角川文庫)
華恵
https://www.amazon.co.jp/dp/4043776012/ref=cm_sw_r_cp_api_i_y2.oDbTRVFPQ0

ここから本題です。

そんな僕も人の親になり、この夏休み、小3の娘が初めて読書感想文を書くことになりました。

書き方がわからないという彼女に付き合って、一緒にGoogleで「読書感想文の書き方」を調べて、いくつかのサイトで共通している大事そうなポイントをピックアップしてみました。

下記がその四つ。
①その本を選んだ理由
②あらすじ
③心に残ったこととその理由
④まとめ

まず①ですが、
「課題図書だから選んだんだよ。無理くり、もっともらしい理由を子どもに捏造させるのは教育上よろしくないな。。」
と思ったのですが、娘と話をしてみると
「課題図書を何冊かパラパラめくってみて、この本のこういうところが気になったから選んだ」
としっかりした答えが。僕よりしっかりしてますね。
第一の関門はクリア。

続いて②のあらすじですが、今回参考にしたサイト曰く
・その本を読んだことがない人でもわかるように
・簡潔に必要最低限で(200文字程度)
・「誰がいつ何をどうしたか、なぜ?」などのいわゆる5W1Hを使うと書きやすいとのことでした。
(もっと早く知りたかった。。)

娘は「本の裏表紙に書いてあるやつを写しちゃダメ?w」と要領良いことを言っており、チラッと今の世の中それもアリかなと思いましたが「要約」の練習になると思ったので、きちんと書かせることに。

ちょっと脱線しますが、彼女は「要約する」のが苦手みたいで、物事を説明するのに、最初から最後までディテール込みで順番通りに話してしまい、相手に大事なポイントが伝わりにくいという課題があります。

例えば「今日学校どうだった?」と聞くと「一時間目国語で〇〇を、2時間目算数で△△…」と全部話してしまうのです。これでは聞く方はイライラしちゃいますよね。ちょっと心配しています。

ツマは「私も子供の頃そうだった。途中から指摘されて意識して要約するようにした。このままだと良くないので早いタイミングで要約力を身につけさせたい」と話しており「要約」はいま娘の大きな課題になっています。今回の読書感想文をきっかけに「要約力」が芽生えるといいなと淡い期待を抱いています。

脱線しましたが
大事なポイントその③「心に残ったこととその理由」。これは理解しやすかったよう。彼女の言葉だと「心にピンと来た事を書けば良いんだね」と理解していました。

本を全部読んだ後で思い出して書くのは忘れてしまいそうなので、気になる部分をメモしながら1時間強読ませたのですが、進捗をチェックしてみるといくつか問題が。

問題①粒度
先述の「要約」と重なるのですが、効率的にメモを取るのが難しい様子。該当箇所をすべて書き写していました。情報の粒度のバランスがとれない様子。やはり要約力が課題です。

これでは読み終えるのに時間がかかってしまうので、いったんピンと来たページに付箋を貼るという形に軌道修正しました。

問題②内容
彼女の書いた「ピンと来たこと」と「その理由」を読んでみたのですが、「彼女自身の心が動いたことと、何故自分がそう思ったのか?」を書いて欲しかったのですが、「登場人物の行ったことと、彼らがそれを行った理由」を書いていました。

娘は算数でも問題で聞かれていることを早合点・勘違いして、間違った前提で答えを出そうとする傾向(僕も子どものころ、そうでした!)があるので、その悪い癖が出てしまったのか。

あとは事前の僕のオリエンが悪かったのかもしれませんorz

仕事でもそうですが、初めて人に作業を頼むときは短時間で一度やらせてみて、すぐにきちんと内容を理解してこちらの意図に沿った形で進めてくれているかを確認しなきゃダメですね。改めて学びました。

最後に④のまとめですが、これはなんとかなりそう。最後の工程なので今から心配しなくても良いかなと。

以上の文章を書きながら思ったのは、今回の読書感想文を通して、うまく勉強すれば、彼女の課題である「要約力 」を「5W1H」のフォーマットを使い、再現性のある形で身につけさせることが出来るかも。ということです。

あらすじは、まさに5W1Hで「いつ誰がどこで何をどうやって、おこないました。なぜかというと…」で書けそうだし、本を読みながらメモする「ピンと来たこと」にも流用できそう。

要約力と5W1Hがこんな形でつながるとは思っていませんでした!が、ちょっと検索してみると、結構セットで取り上げられていますね。世の中にとっては当たり前のことだったのかな?

僕は5W1Hなんて社会人になって広告の仕事で言われるまで知らなかったですし、要約についてもさほど意識したことはありませんでした。

多分この2つは彼女が大人になってからも必要になるスキルだし、今から身につけておけば必ず役に立つので、この夏休みは読書感想文を通じて、しっかり身につけられるようサポートしてみよう。と思った次第です。

せっかく子どもと長い時間を一緒に過ごせるチャンスなので、1つテーマを決めて宿題に付き合ってみるのも面白いかもしれません。

脈絡のない個人的なメモですが、読んでいただきありがとうございました。

2019/7/27(土)
逗子図書館
小坪分室にて


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