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LINEのやりとりで生じる誤解

面と向かって話す時には相手の顔や目、声色から相手の意図がある程度汲み取れるのですが、文章だけでのやりとりは大人でも誤解を与えてしまうことがあります。難しいですよね。(電話はまだ声色で読み取れたりすることがあるのですが・・・。)

中でも中学生によく起こりやすいのは、LINEによる仲違いです。

昨日まであんなに仲良かったのにどうしたの?と言うことが何度もありました。

発信者側に全く悪気がなくても、受け取った相手が気分を概してしまうことがしばしば起こります。厳しいですが受け取り手の受け取り方が全てなんですよね・・。ほんの少しの行き違いが大きな誤解を生んでしまったりするので注意が必要です。

今日はよくある例を何点か挙げていきたいと思います。


【「そっか」「そうなんだ」】

→相手の文章に対して「そっか」、「そうなんだ」だけ返信して自分の感想などを加えない場合によく起こります。自分には悪い意図はないのに、受け取る側に「あっそ」と同じ意味で捉えられていることがあります。
特に句点を付けずに、送ると興味なさそうに見える印象です。
※受け取り方は人それぞれなので、気にならないという方もいらっしゃると思います。


【何で来るの?】

生徒A「明日、駅前に遊びに行かない?」 
生徒B「行きたい!」
生徒C「B、何で来るの?」

→「どういう方法で来るの?」という交通手段を確認するつもりが、「あなたは来るな」という意味で受け取られた。なにで来るの?(how)と質問したつもりが、なんで来るの?(why)と受け取られて相手に対して攻撃的と受け取られてしまうとき。


【友達じゃない】

生徒A「ごめん、私(俺、僕)のせいで」
生徒B「気にしなくても平気だよ」
生徒C 「A は友達じゃない」

→「私たち友達なんだから、そんなことに気にしないで大丈夫だよ」強調しているつもりが、「あなたは友達ではない」という拒絶の意味で受け取られることも0ではありません。文章は感情が見えないのでその部分は気をつけたいですよね。特にLINEのトークは次々と展開されていくので埋もれて送り手が気づかないことや、知らぬ間に受け手の恨みを買ってしまっていることもあります。


【かわいくない】

A「新しい服、買っちゃった!」(洋服の写真) 
B「その服、かわいくない」

→「?」をつけ忘れたり、「かわいくない!」「かわいくない。」「かわいくない」としてしまった場合。
 かわいいということに同意したつもりが、相手には否定されたと思われてしまう
 場合です。多感な時期なので、自分のセンスを否定されると特に傷つきやすいで
 すし、あとを引くことがあります。


「句点のみの文章」ですら、冷たいイメージを持つ人がいたり、句点が無いともっと冷たいイメージを持つ人もいらっしゃいます。

「受け手の数だけ解釈の仕方がある」かもしれないということを心の隅に置いておくだけでもずいぶん変わってきます。

文章で感情や意図を伝えようとするのはなかなか難しいですよね。
だからこそ気持ちを表すツールとして絵文字が発達しました。素晴らしい発明だと思うのと同時に、頼りすぎると文章だけで誤解のないように書く力が伸びない人もいるかもしれない・・・という懸念もあります。

対策として

○送る前に確認する習慣をつける。
 →軽く読んでみて、誤解がないか調べる。軽く声に出して読むと気づくことが多
  いです。言葉が足りなかったり、言葉の選択が不適切でないかも確認できる
  と安心です。国語力の大切さを痛感します。ボキャブラリーを増やして、適材
  適所で使用していく訓練はどんな人にも必要だと感じています。
  

○相手を傷つけないように自分の感情を付帯させる工夫をする。
 →絵文字だったり、顔文字だったりをつける。気をつけて文章を作成する。最終
  的には文章だけで誤解のないように書くことが望ましいと思います。仕事で使
  うメールには絵文字や顔文字は使わないので・・・。

○相手がどう思うか想像する。
 →これはどんな時にも有効かと思います。他者の気持ちを想像することは円滑な
  対人コミュニケーションをする上で役に立ちます。


ほんの少しの気遣いで未然に防げることが多いです。未然に防ぐことが本当に大切です。

送り手側は何の悪気もないことでも、傷つけられた受け手側はずっと覚えているなんてこともよくあります。該当のスクリーンショットを撮って他の子に見せたりして同情してもらい、送り手を除いたみんなで「酷いね」なんて言うこともしばしばあります。これがいじめのきっかけになることもあります。

「人にされて嬉しいことをする、人にされて嫌なことはしない。」
コミュニケーションにおいてこれが本当に基本で大切なことです。

多感な時期に友達と仲良く過ごすことで得られることはたくさんあると思いますし、この時期の経験は人生を豊かにしていく上でも重要なものになります。

中学生といえば、クラスの中でも多くの人がスマートフォンを持ち始める時期でもあります。

「スマホはトラブルの元だから」といってお子さんをスマホから遠ざけるのではなく、「こう言うことも起こりえるから気をつけて使うように」とご家庭で話していただいたり、約束するきっかけとしてうまく活用していただければ幸いです。

1人でも多くの生徒さんが友達と楽しい思い出を作れますように。


サポートしていただけたら、実験用具を買うか、実験用の薬品を買うかまだ決めていませんが、生徒さんたちと授業のために使いたいと考えています。