見出し画像

「賢い消費者」について考える④

 前回の記事では「その3」と称して
【サービスは当たり前ではないと分かっている(人の時間の重さを理解している。)】ことを、いくつかある賢い消費者の条件の一つとしてお話させていただきました。

【賢い消費者】とは

自分が「賢い消費者」というワードに出会ったのは中学校の家庭科の授業でした。今思うと中学生でこの言葉に出会えたのは幸運だったなと感じます。
 
 物の価値や質を見抜けない消費者のままだと搾取をされたり、知らないうちに健康を害したり、幸せな人生を歩んでいくのに余計なハードルが増えてしまう。だから本質を見抜ける力をもった「賢い消費者」になりなさい。そのように教えてもらったことを今でも覚えています。そこから賢い消費者とはどんな消費者なのか自分なりに考えてきました。

 世の中に適応しながら逞しく生きていける=健康で幸せになっていける「賢い消費者」に繋がりそうな項目を複数回に分けて挙げていきます。

その4

【生活水準を上げすぎない】

 人間、生活水準を上げることは「欲」という追い風があるので経済的な余裕があれば苦しまずに実行できるかと思います。また、経済的な余裕ができなくても実行する方はいらっしゃるとも思います。憧れもあると思われます。

 ただ、その逆である生活水準を下げることはなかなかの苦しみや違和感が伴います。なかなかどころではないかもしれません。

 生活水準を上げることを労働へのモチベーションにする人もいるかもしれません。人の考え方はぞれぞれなので否定するつもりは全くありません。

 生活水準を上げるのは何のためなのでしょうか?

 より幸せになるため?そのアップグレードがなければ本当に幸せになれないのでしょうか?

 そのアップグレードは知恵や協力でなんとか実現できないでしょうか?
もしできないのであればお金で解決することを視野に入れる、という手順は踏めないでしょうか?

 地球に住む全員が、最初からお金を用いたアップグレードだけを目指し実行していたら恐らく地球の資源は枯渇します。太陽が活動しなくなれば地球上の生物は絶滅すると言われていますが、資源がなくなってしまえばそれを待たずに人間が地球上から姿を消すということも考えられます。

 この資料は2018年、2019年のものですが、人類が今のペースで消費を続けていった場合、地球が何個分の資源が必要になってしまうのか、まとめているものです。
 
 中でも「地球の全人口がアメリカ人と同じ生活をした場合、地球が何個必要になるのか」、「地球の全人口が日本人と同じ生活をした場合、地球が何個必要になるのか」の部分は必見です。


 経済を発展させることも重要な側面がありますが、私たちは発展するためにこの世界に生まれてきたのでしょうか?
 
 様々な考え方があると思いますが、個人的には「人は幸せになるために生まれてきた」と認識しています。それを実現するために重要なキーワードが「賢い消費者」による「足るを知る者は富む」の理解と実践かと思います。

 自分1人で幸せになるのは天井が決まってしまいます。極端な話ですが、自分だけ地球上で幸せになろうと思って実行しても、周りが幸せでなければ「心から幸せだ」と感じることはできないと思います。自分の家族だけ幸せになろうとするのも同じ理由で天井が決まってしまいます。

 アップグレードすることが目的になっていませんか? 
幸せになることが目的ではありませんか?

 地球の限りある資源を大切に大切に使わせていただきつつ、自然と動植物とヒトが太陽が消えて亡くなる直前まで共存・共栄できればいいなと考えます。

 経済的な余裕が多少できたとしても生活水準を一気に上げすぎないことや、できるだけ質素に近い生活をすることが、世の中の如何なる変化にもその都度柔軟に対応していける「賢い消費者」に近づく上で必要だと考えます。

 ○生活水準を必要以上に上げすぎることは、マクロな視点でも、ミクロな視点でも巡り巡っていつか自分にのしかかってくることを理解している。

 ○自分1人では幸せになれる限度は決まっていて、周りの人と協力することで何倍も幸せになれることを理解している。

 賢い消費者は、上記のことも分かっているのだと現時点の自分は感じています。


 あなたが思う「賢い消費者」とはどんな消費者ですか?

                             次回に続きます。


サポートしていただけたら、実験用具を買うか、実験用の薬品を買うかまだ決めていませんが、生徒さんたちと授業のために使いたいと考えています。