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未来を生き抜くスキル

◍ 昨年から母ブタが足りなくて、県畜産試験場から何度か子ブタを分けてもらいました。まだまだ暑い秋の始めに連れてきた子ブタは22匹。私たちの放牧場にはブタの体内と土壌を行き来する寄生虫がいて、わが家で生まれた子ブタたちは、お母さんブタと寄生虫の影響を受けやすい2・3ヵ月を過ごすので、どうにか下痢や食欲不振になりにくいのですが、過保護な他所から連れてきた子ブタは来て1ヵ月くらいを過ぎると、下痢から食欲不振、血便…と死んでしまうことがあります。

日中元気だった子ブタ1匹が夕方に動かなくなったときは、駆虫薬と鉄剤を注射しました。すると1時間もしないうちに快復。薬の力に驚くばかりですが、それ以降は今のところ、『タンパク質(魚のアラ)多めで、餌をやる回数・量を増やして大きくする作戦』が功を奏しているのか、今まで暖かかったせいか、2ヵ月経つ今も元気に過ごしています。

◍ 素麺くずをいただくことが多く、ブタにせっせと食べてもらっています。そのため、普段より脂が硬く溶けにくく、多めです(涙)。ブタたちが食べたものが、お肉に影響をしているのを感じます。

▤ 未来を生き抜くスキル

先日、島の小学6年生のクラスで、若いときに参加した青年海外協力隊、夫の国セネガルに家族で住んでいたこと、今、夫婦で取り組んでいる・・・人間が食べない・食べきれない野菜や食べ物をブタの餌とする養豚について話す機会をいただきました。

パッと見るだけではマネするのが難しい・・・『ペン回し』から始めました。子どもたちに両手を使ったペン回しの種明かしをして、ペン回しのスキルがわかった子ができない子に教えることで、『(スキルを持っていることで)人の役に立つ喜び』を、教えてもらった子は『(スキルを得る)嬉しさ』を感じてもらえたのではないでしょうか。『魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える』と例えることもある国際協力のエッセンスが伝わっていたらいいな。

さいごに『わたし自身、今までいろいろな活動や仕事に携わってきたけど、それらが今の活動に役に立っている。人生で何が役に立つか分からないから、勉強も、何でも一生懸命やってみて』と伝えました。

変化が加速していて未来を予想するのも難しい今、子どもたちが身につけないといけないスキルは何でしょう?

誰でも書くことができるnote(ウェブサイト)で、私が継続してフォローしているのは、元オリンピック陸上選手の為末 大さんマレーシアで子育てをしている編集者・文筆家の野本響子さん

為末さんの『なにかあったらどうするんだ症候群とその対処法』では、多くの人が「未来は予測できるものであり、物事はコントロールできるものである」という前提の私たちの国は、社会全体で「なにかあったらどうするんだ症候群」にかかっている。何か起きた時には批判される。予想してその通りいくことが決まっているならそれは挑戦ではなくただの実行だ。「やってみなけりゃわからない」を合言葉に、「わからない」を「だから面白い」精神でいけば社会は良くなっていくと思う。と書いています。

野本さんの『2040年を生き抜くために必要となる2つのスキル』では、15歳の息子さんに「今のホームスクールでどう教わっているの?」と聞いたら「僕たちは実は変わるためのスキルを教わっているんだよね」と。この先ずっと役立つスキルとして「メンタルを柔軟にすること」をあげています。

同じ投稿のなかで『サピエンス全史』の歴史学者ウヴァル・ノア・ハラリ氏の2018年の動画『残りの人生で大事になる2つのスキル』での発言を紹介していて、『過去には、教育とはとても深い基礎を持つ石の家を作るようなものでした。しかし今の教育に必要なのは、テントを張ることです。たたんで、次の場所に行ってまた張る。それもとても簡単に、早く。』『大事なのは「変わるための」「学び続けるための」能力を学ぶってことです。』と。

私たち大人もすでに『何が起きるかはやってみなければわからない』『未来は変わる』ことが前提の世界に暮らしています。