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ワレ定年二突入セリ! 【#9 起業のしかたは十人十色の巻】

【はじめに】

2024年春、私は37〜8年勤めた会社で定年を迎えた。
55歳の時に会社は定年退職に向けた説明をしてくれた。
あれから5年、私が定年を迎えるにあたり、何を学び、どう考え、どんな決断をしたのか?
いま次々と直面している定年近辺の手続きや決断について、備忘録として記録していこうと思う。
このnoteが私と似た状況の後輩たちにとって、少しでも参考になるように願う。


 前回、定年をむかえた社員の場合、派遣社員の勤め先が見つかる可能性が低い事を書いた。この結果を受けて残された道を考えると定年後は働かない道と、何かで起業する道と、いまの勤め先の雇用を延長するという3つの道が見えてきた。
 家のローンや まだ学生の子供がいる事を考えると定年で働くことを止めるという選択肢を選ぶこともできない。
そうなると「雇用の延長」か「起業」となるが、いま勤めている会社の雇用延長の条件はかなり厳しく、収入は3割ほどまで落ちる(約7割もの大幅ダウンである)。ただ健康保険や通勤代、福利厚生は変わらず受けることができ、1年ごとの契約で最長65歳まで延長することができる。
 一方、定年で会社を辞めて起業する場合は健康保険も交通費も全て自己負担となる。
しかし、法人として起業すればかなりの費用が会社の経費として計上する事ができる。
この「個人で起業」か、「法人化して起業」かをどう考えるか? メリット、デメリットをよく考えて選択する必要を感じた私はこの問題について書かれた本を探すことにした

 問題は私一人の問題ではなく、妻の理解も必要なことであるが、いずこの妻もそうであると思うが私の妻も会社を辞めて起業することにネガティブである。
『会社が雇用延長を用意してくれているのだから、それを利用すればよい。わざわざ辞めて起業するといういばらの道を選ぶ必要は無い。
(”そもそも私が起業してうまく行くと思っていない”という、それは私に対して失礼じゃないのか!とも思える偏見がこの判断の大きな要因であろう)』というのが彼女の意見である。

しかし、私としては安い給料でそこまでしてフルタイム働かされるのも納得しにくいのも事実である。
そこでいかに適法なスタイルで兼業・副業が出来るのか? そのことについて書かれている本を探したところ目についたのがこの本。

「いますぐ妻を社長にしなさい」坂下仁

著者である夫は会社勤務を続けながら妻を代表にした会社を作り、夫の会社の副業規定に抵触しない形で妻の会社の仕事をする(手伝う)事で収入を得る方法が書かれている
 この方法を実行するには妻の理解も必要だが、この方法を実践できれば妻の最大の不安材料である“安定したサラリー”が無くなる心配はない。
立ち上げた会社で何をするのかにもよるが、妻と役割を分担して会社を運営し、定年退社後は妻の会社を大きくすることに集中すれば良いのだろう。

夫婦であるメリットを活かした上手なやり方だと思った。
この方法を少し形を変えて起業したやり方が書かれているのがこの本である。

「定年ひとり起業」大杉 潤

この人の場合は、妻を代表とした法人を起こし、夫は退社~個人事業主として起業。
妻の会社が受注した仕事を個人事業主の夫が請け負って実行するという、家内業務委託スタイルである。
夫は会社を辞めているので会社勤務時の福利厚生などのメリットは受けられないが、様々な支出を妻の会社で経費にできる事でデメリットをメリットに変えている。

どちらも妻と一緒に新たな収入を確保しているのだが、夫婦といえども意見の食い違う可能性がゼロとは言い難い
そんな食い違いが職場でもあり、家庭でもある距離で勃発してしまった時の破壊力を考えると本当にこの方法が良いのか慎重に考えざるを得なかった
この2冊を読み、どんな法人化が自分に良いのか?、全く同じ条件で起業しようとは思わなかったが、かなり参考になった。

この時私は57歳。定年まであと1,100日ほどだった。

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