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やさしさラボ “コト起こし”実践4

これは、「やさしさラボ」の最終課題”コトを起こす”に関するメモです。
”コトを起こす”=やさしさの使い方の実験
ここでの定義は、
①自分と自分にとっての「むこうがわ」との間で
②自分にとって「やさしさとは何か」に近づく/を深める、あるいは「やさしさの使いかた」を表現する
③何らかの「コト」(アクション、できごと)を起こすこと

私の”コト”は、
自分と関わりがある人と「やさしさ×〇〇」で対話をする

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大畑さん 22歳 男性
関係性:バイト仲間
プロフィール:正直、バイト以外での関わりはない。野球をしてる。中学校の先生を目指している。大きくてごつい。正義感というか責任感というか・・・とにかくめちゃくちゃ頼りになる。どんな仕事でも文句は言いつつもちゃんとこなす。

対談音声ファイル​↓


Q今までは教育される側で、これから教育する側で立場が変わるわけだけど、やさしいエピソードとかある?

大畑さん「教える側になって、つい先日教育実習にいかせてもらったけど、そこで思ったのは生徒同士では優しくしようって言うよりは、なんとなく仲良くなろうって関わっているのが生徒間のやりとりで見受けられたのが印象的で。どうしてもグループで活動することが多いじゃん。そこで仲間外れにされたくないとか、この友達と一緒に遊びたいとかって言う時に場の雰囲気を壊したくないっていうのが表情とか会話のトーンとか見てると感じたなって。空気を読もうとしちゃってる子が多いなって思う。」

私「そういうの見てて何て声をかけてあげたいなって思う?」

大畑さん「自分もどっちかって言うと空気を読みに行っちゃう人間だから。わからなくもないし。でも、いざというときに腹を割って話せる友達じゃなかったら、友達じゃないなって思う。俺はちゃんと話せる友達がいるから助かってると思う。けど、いざというときに助けてくれる友達がそれでできるかっていわれたらそうじゃないかなって思う。」

私「大畑さん的にはそういう友達ができる子たちになって欲しいっていう気持ちがあるのかな?」

大畑さん「まあ、結局小学校中学校の義務教育で出会う友達って大切だと思っていて。俺自身高校時代つまづいたことがあって学校行かなかったりとかいろいろあったから。その時に頼れるのが地元の小中で出会った友達だったから。中学校の先生になるからには卒業する時にはそういう友達を1人でも2人でも作れるようなクラス環境だったりとか学習環境を提供してあげられればなって思ってる。」

私「信頼できる友達ってどうやって関係を培ってきたの?」

大畑さん「いつも5人でつるんでるんだけど、5人で話すって言うよりは一人一人と話してたら5人になったみたいな。俺以外の4人に関しては俺は信頼してるから話せるし、みんなもいろいろ話してくれるし。お互い信頼してるなっていうのが、今になってなんとなくわかった。中学校2年生で出会ったけど、その時は上辺だったかのかもしれない。でも、今こうやって話せるって言うのはいいなって思う。」

私「すごいね。5人で居たら話せるけど2人きりになったら話せないとかあるじゃん。一人一人と話せるっていうのは大きいかもね。」

大畑さん「そうだね。俺は2人でメシ行ってこいって言われても行けるし。」

私「一旦話題を変えて、生徒たちを見ていて空気を読もうとしちゃってるなって言う話があったけど、空気を読むって良くないのかな?」

大畑さん「良くないって言うよりかは、結局それってちゃんと話が聞けてないわけじゃん。やりとりができてんのかな?って思ってるの。空気を読む読まれるっていうさ、1人がそういう気持ちで話してるとさ、話ってさちょっとさ。例えば、俺と友達がまだ仲良くなかったとして、相手は俺の事信頼してくれていて、俺はまだ信頼できてなくて空気を読みながら会話をしてる時って、相手はすごく悩んで相談してくれて、それに対して、俺が空気を読んでこう答えたらだめかなとか、こう答えていいのかなっていう気持ちで会話を続けてたら、それは相手の求める答えにはならないわけじゃん。だから、良くないかなって思う。」

私「それだ!漠然と相手に合わせすぎるのは良くないって思ってても言葉にできなかったけどそういう事だね!腑に落ちた。」


Q.やさしさってなんだと思う?

大畑さん「信頼関係だと思うよ。信頼してないと優しくもなれないじゃん。部活も見させてもらってるけど、生徒に対して教えようとか、教えてあげたいとか、すごく思うから。生徒のためにどうにかしたいって気持ちが出てきたのはやっぱり生徒たちが頑張ってる姿を見て、「この生徒たちのためならなんとかしたい」って生徒を信じたからそういう思いが出てきたのかなって。」

私「先生の思いだね。」

大畑さん「それは、優しさではないのかもしれないけど、なんとかしてあげたいんだよね。授業を作ってても、1回目の授業よりも次の授業で学べることが一個でも多ければいいかなって俺は思うから。そのためにどんな準備が必要で、その準備を授業にどう繋げなきゃいけないかなって考える。」

私「私はこれまで先生ってあんまりいいイメージなかったけど、生徒っていう一括りの中の1人だったとしても、どうにかしたいとかやさしさを与えたいと思ってもらってる対象だったんだなって思った。」

大畑さん「たった3週間受け持っただけでも、生徒一人一人に対して何かしてあげたいなって思った。ってなると、1年間クラスで携わる先生って気持ちが強いのかなって思う。」

私「学校って先生と生徒っていう構図の中で、先生からすると生徒って塊にしか見えてないのかなって思ってたけど、そうじゃないんだね。」

大畑さん「一人一人を見ようとして、ようやくクラス全体が見えて来るって感じだと思う。クラス全体からクラスを見ようとするとパズルを壊す作業になって、一人一人を見てクラス全体を見る先生はパズルを組み立てる先生なんだと思う。だから、最終的に見栄えが違うと思う。俺はそれを中学校2年生の時に生徒側の時に担任の先生が一人一人を見てくれたからいいクラスを作ってくれたんじゃないかなって大学生になって教育の勉強をして思った。」

私「そういえば、なんで先生になろうと思ったの?」

大畑さん「それは、高校の時につまづいて。周りの人を信じられなくなっちゃって。部活もクラスも先生も親も。これといったきっかけはなかったんだけど、どうしても自分の中で全てがうまくいかなくなっちゃった。その時にどうしていいかわかんなくて。でも、このままじゃまずいなって思って、どうしようって考えて思い立ったのが、中学校に行こうって思った。そうすれば、俺が信頼できる先生がいるし、信頼できる友達にも会えるじゃん。だから、とりあえず中学校の先生に会いに行って、「こういう理由で悩んでいて」っていうのを聞いてもらって、そこからヒントをもらって、自分の中でやりくりして、先生以外にも話せる人ができたら友達にも会ってみたりとか。そういうのをみて、卒業した高校生なのに俺の事を面倒見てくれる先生とかいたから、そういう姿を見て、悩んでる子を長い目でみてあげられる人になりたいな。そうなると小学校や中学校の先生っていうのはやりたい仕事に近いのかなって思った。大人と大人のやりとりをする仕事よりは子供と一緒に将来を創っていくっていう仕事をした方が自分は楽しいんじゃないかなって思った時に教員目指そうと思った。」

私「へぇ…。でも、どんな話にも根底には信頼があるね。」


Q.今回この話をどの未来の自分に送りたいですか?

大畑さん「教員を辞める時にもう一回聞き直したい。
今はまだなれてないから、理想だけじゃん。理想であって、目指すきっかけであっても、その根底があったから目指す事になったけど。先生になってそのなりたいと思った根拠は合ってたのかっていう部分と理想に対してどんだけ近づいたか、それを越せたか、また新しい何かは生まれたのかっていう部分は辞めるタイミングでこの話を聞いて、たぶんもう一回決断するんじゃないかなって思う。」


私の感想
 バイトで一緒に働く意外に話したのは、初めてだったと思う。今回の話の中では「信頼」という言葉が多く出てきました。信頼しているから何かしてあげたくなる。信頼し合ってるから優しくできるし優しくしてもらえる。大畑さんがこれから関わる中学生は、そういう信頼できる友達に出会う時期なのだと思う。そして、今回話を聞いて先生って優しさの塊なんじゃないかと思った。


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