鈴木孝英(すずきこうえ)

ソーシャルベンチャーMIKAWAYA21取締役。 地方と都市、世代間が循環し、人に役割…

鈴木孝英(すずきこうえ)

ソーシャルベンチャーMIKAWAYA21取締役。 地方と都市、世代間が循環し、人に役割と居場所がある、率直でしなやかな社会を作ります。

マガジン

  • AI時代のチーム開発(Team Development)

    予測可能な問いは全てAIが答えてくれるこれからの時代に、最適なチームとはどうあるべきなのか。理論と実践から得た学びを書き連ねていこうと思います。

最近の記事

信じてみること

当事者の声に耳を澄ませる 若手リーダーシップ研修は早くも5回目。部署異動があったメンバーもいて、チェックインでは職場の人間関係への気がかりもちらほらと。 この日はブランディングをテーマに、既存施策の意見集約と自らのアイデア出しにチャレンジ。しかし、ブランディング施策の検討は難しい。会社のことをよく理解できていないと「?」なアウトプットになりがちなところを、4チームとも粘り強く挑み、新しい視点を持ち寄ってくれた。 この日は、テーマの担当部署から多くの見学があった。メンバーも

    • 年寄り扱いしくさって

      まごころサポートにはさまざまな相談が舞い込みます。今回は文書作成のお手伝い。 「これをパソコンで打って、印刷してほしいんや」 お伺いするなり、手書きの紙の束を渡される。隣人とのトラブルを解消するために、これまでのことを記録していたものだった。 90歳近いこの男性、これまでは自力で文書を作成していたが、病や衰えでそれもできなくなり、方々相談した結果、まごころサポートに辿り着いた。 とにかく怒っている。内容についてよりも、相手や相談先が、自分を老人扱いしていることがたまら

      • やんばるをおとずれて③

        旅は人生の縮図、ひとつのプロジェクト 時代劇の水戸黄門のように、人生を旅として捉える考え方は、多くの共感を得るところだと思う。また反対に、旅も人生の縮図であると思う。 目的地に向かって前進する。当てもなく彷徨う。誰かと出会い、誰かと別れる。そんな出会いのひとつひとつに意味を持つかは、自分自身の捉え方次第。そして、旅はそのままひとつのプロジェクトだ。目的があり、始まりと終わりがある。だから、目的が魅力的、でメンバーが素敵だったら、その旅はきっと素晴らしいものになる。 今回は

        • やんばるをおとずれて②

          縁もゆかりもなく、さらに高齢化率の高い地域に入り込み、信頼を得て、一方通行でない関係を築くことの追体験 そもそものやんばるとの関わりは、センシングデバイスをやんばるのシニア宅に設置し、見守りサービスを利用してもらうという事業をMIKAWAYA21が担ったことから始まる。 抜群の機器ができたので、これがあれば安心ですよね。ぜひ使いませんか?という取り組みだが、こうした機能を探していたシニアにとっては朗報でも、大多数にとっては何のことか分からないし、いきなり見守ると言われても

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        • AI時代のチーム開発(Team Development)
          8本

        記事

          やんばるをおとずれて

          沖縄は山原(やんばる)に行ってきました。目的は大きくふたつ。 ①縁もゆかりもなく、さらに高齢化率の高い地域に入り込み、信頼を得て、一方通行でない関係を築くことの追体験 ②これから京都に根を張っていくなかで、こちらから関わりたい、こちらに関わって欲しいと願う人たちと、人としての信頼関係を築くために とても意味深いものになったので、ひとつずつ記録していきます。 ①「役割と居場所。この地域のために私は何ができるんだろう」 沖縄県北部にある人口200人弱の集落、与那の大城区

          やんばるをおとずれて

          先入観の陰陽

          「先入観は可能を不可能にする」 大谷選手が恩師の佐々木監督からもらった、座右の銘だそうです。この言葉をいつも胸に、できるかできないかではなく、チャレンジしたいからチャレンジする姿は、観るもの全てに感動を与えてくれる。 先入観とは、過去の経験や社会的文脈などから形成された固定観念。先入観は、情報を受け取る際に自然に働くものであり、決定を迅速化し、不確実性を減らすのに役立つ。けれど、先入観が判断や決定に悪影響を与えることもある。    偏見・視野狭窄・判断の誤り・対立・成長

          心理的安全性を大きな組織の若きリーダーへ

          はるかぜこおりをとき、うぐいすなく(七十二侯より) ご縁を頂き、若手リーダープログラムのファシリテーションをさせてもらうことになりました。 大企業の各部署から選抜された24名のメンバーが、東北から関西から大崎に集う。ほぼ全員が初顔合わせで、開始前は静かな緊張感に包まれています。 それから3.5時間、ワークや内省を通じ、チーム内の対話が深まっていきました。最後のころには、職場の現状や課題だけでなく、個人的な悩みを打ち明ける姿も。 「心理的安全性があると、こんなに話すことが

          心理的安全性を大きな組織の若きリーダーへ

          組織における「つながり」の意味とは

          若手リーダーシッププログラムの3回目、テーマはつながり(コミュニケーション)。 会社側としてはさまざまな施策を試みているものの、一人ひとりの自分ごとに落とし込むためには、コミュニケーションに課題がある。ちなみにこれは双方にであって、組織と個人が双主体的であることは、これからの時代には不可欠な要素だと分かります。 生きた気づきが多かったのは、上司との1オン1について。施策としての有用性があり、社員の多くが必要性を感じているのに、うまく活用できていない。 それはなぜか。

          組織における「つながり」の意味とは

          シニアの願いを叶えるチームの日々のこと

          わたしたちの活動は お片付けに外出サポート、庭木の剪定から生前整理まで、「まごころサポート」はシニアの暮らしのお困りごとに日々向き合っています。自分たちでできることは自分たちで、難しいことは信頼できるパートナー事業者を紹介することで 「誰に相談していいかわからなかった」 を世の中から無くしていきたいと思っています。 同時に、シニアが「我慢していること」「億劫になってきたこと」「もう諦めてしまったこと」にもう一度チャレンジできるように、全力でサポートしています。 そん

          シニアの願いを叶えるチームの日々のこと

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに11.僕は、新しい仲間を求めて

          僕は、新しい仲間を求めて (「10.僕と、青木慶哉と、新しい仲間のこと」はこちら) (元お茶屋さんをリノベーションしたMIKAWAYA21のオフィス)  「シニアの毎日に豊かさを」をビジョンに掲げ、「全てのシニアに良き隣人を」をミッションとしたMIKAWAYA21は今、まごころサポートを全国で加速させる事業フェーズに入っています。新しい仲間には、事業の中核であるFC加盟店やコンシェルジュのエンパワーメントに、共に全力疾走してもらいたいと思っています。現場感覚を身に着けてか

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに11.僕は、新しい仲間を求めて

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに10.僕と、青木慶哉と、新しい仲間のこと

          僕と、青木慶哉と、新しい仲間のこと (「9.僕と、地域にありがとう」はこちら)  新聞販売店を、「地域になくてはならない存在へ」と変容させていこうと汗をかいていたころ、僕はM21代表の青木慶哉(ここでは青木さんと呼ばせて頂く)と出会った。  無事に業務提携が決まったお祝いの会食後、僕は青木さんに声をかけ、その晩は遅くまで飲み、語った。遊びも本気の相手に、今思うと恥ずかしいお誘いだったとも思うが、青木さんはそんな素振りも見せず、今思うと「まごころ」で接してくれた。  それから

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに10.僕と、青木慶哉と、新しい仲間のこと

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに9.僕と、地域に「ありがとう」

          僕と、地域に「ありがとう」 (「8.僕と、マゴコロボタン」はこちら)  佐賀県みやき町のように自治体がFC契約を結んだ例は珍しいと思うが、地域の重要な文化資源であるプロスポーツチームがFC契約を結んだこともお伝えしたい。  東日本大震災をきっかけに生まれた、地域密着型クラブを掲げるB(バスケット)リーグチーム「福島ファイヤーボンズ」は、選手もコンシェルジュと共にお困りごとに寄り添うことで、地域との一体感を作り上げようとしている。よくある「ファンとの交流」という次元じゃない

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに9.僕と、地域に「ありがとう」

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに8.僕と、マゴコロボタン

          僕と、マゴコロボタン  (「7.僕と、これからの働き方」はこちら)  もうひとつ、僕らが大切にしていることがある。それはデジタルを最大に生かしていくということだ。シニア向けのサービスだからといってアナログな仕組みだけではない。アナログとデジタルを融合させていくことで、シニアの生活をより強固に、優しく支えるという信念を持っている。その象徴が「マゴコロボタン」だ。ボタンからは日時、天気、災害情報などが流れ、2回押すといつでも電話相談ができる。 (マゴコロボタン)  「運転を

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに8.僕と、マゴコロボタン

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに7.僕と、これからの働き方

          僕と、これからの働き方 (「6.僕と、コンシェルジュ」はこちらから)  コロナを経て、副業、ギグワーク、ソーシャルワークという新しい働き方や価値観が広がっている今、好きな時間に好きな場所で働け、人の役にも立てるコンシェルジュにチャレンジする人が増えていている。来春には全国で5,000人の仲間が生まれると思うし、やがて1万人、2万人と増えていくだろう。ユーモアとまごころが溢れる、大きなコミュニティができていくことを想像するだけで、今からワクワクが止まらない。 (使い方をお伝

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに7.僕と、これからの働き方

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに6.僕と、コンシェルジュ

          僕と、コンシェルジュ (「5.僕がこれから目指すもの」はこちら) ここでふと、考える人もいるんじゃないかと思う。 「誰がシニアをサポートするの?」  シニアに寄り添うのは「コンシェルジュ」と僕たちが呼ぶ「良き隣人」のみなさんだ。彼らが地域を訪問して、耳をかたむけお話を聞き、サポートする。それが全てだ。  これまで無償の親切に頼ってきた「ちょっとした困りごと」は、今では地域にも、そして家族にも頼めない世の中になっている。部屋の電球を交換できず、懐中電灯で夜を過ごしていた

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに6.僕と、コンシェルジュ

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに5.僕が、これから目指すもの

          僕が、これから目指すもの (「4.僕の決心」はこちら)  僕が参画したMIKAWAYA21(M21)はとても面白い。誰かへのちょっとした優しさを、初めてビジネスにしたと思っている。 「社会貢献ってボランティアでしょ?一大決心するか、余裕がある人にしかできないよね」  そう言って諦めたり、壁を作ったりした経験が、多くの人にもあるだろう。そういう全ての人に僕は言っている。 「ミカワヤはね、人への思いやりを、仕事にしたんだよ」  M21は「シニアのお困りごとをワンストップ

          僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに5.僕が、これから目指すもの