鈴木孝英(すずきこうえ)

ソーシャルベンチャーMIKAWAYA21取締役。 地方と都市、世代間が循環し、人に役割と居場所がある、率直でしなやかな社会を作ります。

鈴木孝英(すずきこうえ)

ソーシャルベンチャーMIKAWAYA21取締役。 地方と都市、世代間が循環し、人に役割と居場所がある、率直でしなやかな社会を作ります。

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    • AI時代のチーム開発(Team Development)

      予測可能な問いは全てAIが答えてくれるこれからの時代に、最適なチームとはどうあるべきなのか。理論と実践から得た学びを書き連ねていこうと思います。

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    心理的安全性を大きな組織の若きリーダーへ

    はるかぜこおりをとき、うぐいすなく(七十二侯より) ご縁を頂き、若手リーダープログラムのファシリテーションをさせてもらうことになりました。 大企業の各部署から選抜された24名のメンバーが、東北から関西から大崎に集う。ほぼ全員が初顔合わせで、開始前は静かな緊張感に包まれています。 それから3.5時間、ワークや内省を通じ、チーム内の対話が深まっていきました。最後のころには、職場の現状や課題だけでなく、個人的な悩みを打ち明ける姿も。 「心理的安全性があると、こんなに話すことが

      • 組織における「つながり」の意味とは

        若手リーダーシッププログラムの3回目、テーマはつながり(コミュニケーション)。 会社側としてはさまざまな施策を試みているものの、一人ひとりの自分ごとに落とし込むためには、コミュニケーションに課題がある。ちなみにこれは双方にであって、組織と個人が双主体的であることは、これからの時代には不可欠な要素だと分かります。 生きた気づきが多かったのは、上司との1オン1について。施策としての有用性があり、社員の多くが必要性を感じているのに、うまく活用できていない。 それはなぜか。

        • シニアの願いを叶えるチームの日々のこと

          わたしたちの活動は お片付けに外出サポート、庭木の剪定から生前整理まで、「まごころサポート」はシニアの暮らしのお困りごとに日々向き合っています。自分たちでできることは自分たちで、難しいことは信頼できるパートナー事業者を紹介することで 「誰に相談していいかわからなかった」 を世の中から無くしていきたいと思っています。 同時に、シニアが「我慢していること」「億劫になってきたこと」「もう諦めてしまったこと」にもう一度チャレンジできるように、全力でサポートしています。 そん

          • 僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに11.僕は、新しい仲間を求めて

            僕は、新しい仲間を求めて (「10.僕と、青木慶哉と、新しい仲間のこと」はこちら) (元お茶屋さんをリノベーションしたMIKAWAYA21のオフィス)  「シニアの毎日に豊かさを」をビジョンに掲げ、「全てのシニアに良き隣人を」をミッションとしたMIKAWAYA21は今、まごころサポートを全国で加速させる事業フェーズに入っています。新しい仲間には、事業の中核であるFC加盟店やコンシェルジュのエンパワーメントに、共に全力疾走してもらいたいと思っています。現場感覚を身に着けてか

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            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに10.僕と、青木慶哉と、新しい仲間のこと

            僕と、青木慶哉と、新しい仲間のこと (「9.僕と、地域にありがとう」はこちら)  新聞販売店を、「地域になくてはならない存在へ」と変容させていこうと汗をかいていたころ、僕はM21代表の青木慶哉(ここでは青木さんと呼ばせて頂く)と出会った。  無事に業務提携が決まったお祝いの会食後、僕は青木さんに声をかけ、その晩は遅くまで飲み、語った。遊びも本気の相手に、今思うと恥ずかしいお誘いだったとも思うが、青木さんはそんな素振りも見せず、今思うと「まごころ」で接してくれた。  それから

            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに9.僕と、地域に「ありがとう」

            僕と、地域に「ありがとう」 (「8.僕と、マゴコロボタン」はこちら)  佐賀県みやき町のように自治体がFC契約を結んだ例は珍しいと思うが、地域の重要な文化資源であるプロスポーツチームがFC契約を結んだこともお伝えしたい。  東日本大震災をきっかけに生まれた、地域密着型クラブを掲げるB(バスケット)リーグチーム「福島ファイヤーボンズ」は、選手もコンシェルジュと共にお困りごとに寄り添うことで、地域との一体感を作り上げようとしている。よくある「ファンとの交流」という次元じゃない

            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに8.僕と、マゴコロボタン

            僕と、マゴコロボタン  (「7.僕と、これからの働き方」はこちら)  もうひとつ、僕らが大切にしていることがある。それはデジタルを最大に生かしていくということだ。シニア向けのサービスだからといってアナログな仕組みだけではない。アナログとデジタルを融合させていくことで、シニアの生活をより強固に、優しく支えるという信念を持っている。その象徴が「マゴコロボタン」だ。ボタンからは日時、天気、災害情報などが流れ、2回押すといつでも電話相談ができる。 (マゴコロボタン)  「運転を

            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに7.僕と、これからの働き方

            僕と、これからの働き方 (「6.僕と、コンシェルジュ」はこちらから)  コロナを経て、副業、ギグワーク、ソーシャルワークという新しい働き方や価値観が広がっている今、好きな時間に好きな場所で働け、人の役にも立てるコンシェルジュにチャレンジする人が増えていている。来春には全国で5,000人の仲間が生まれると思うし、やがて1万人、2万人と増えていくだろう。ユーモアとまごころが溢れる、大きなコミュニティができていくことを想像するだけで、今からワクワクが止まらない。 (使い方をお伝

            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに6.僕と、コンシェルジュ

            僕と、コンシェルジュ (「5.僕がこれから目指すもの」はこちら) ここでふと、考える人もいるんじゃないかと思う。 「誰がシニアをサポートするの?」  シニアに寄り添うのは「コンシェルジュ」と僕たちが呼ぶ「良き隣人」のみなさんだ。彼らが地域を訪問して、耳をかたむけお話を聞き、サポートする。それが全てだ。  これまで無償の親切に頼ってきた「ちょっとした困りごと」は、今では地域にも、そして家族にも頼めない世の中になっている。部屋の電球を交換できず、懐中電灯で夜を過ごしていた

            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに5.僕が、これから目指すもの

            僕が、これから目指すもの (「4.僕の決心」はこちら)  僕が参画したMIKAWAYA21(M21)はとても面白い。誰かへのちょっとした優しさを、初めてビジネスにしたと思っている。 「社会貢献ってボランティアでしょ?一大決心するか、余裕がある人にしかできないよね」  そう言って諦めたり、壁を作ったりした経験が、多くの人にもあるだろう。そういう全ての人に僕は言っている。 「ミカワヤはね、人への思いやりを、仕事にしたんだよ」  M21は「シニアのお困りごとをワンストップ

            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに4.僕の決心

            僕の決心 (「3.それでも、僕は働く」はこちら) 「文句があるならやめろ!」  尊敬していた方からの忘れられない一言は、怒りよりも、悲しみや喪失が大きかった。僕はこの会社が本当に大好きで、なんとかしたいと思っていた。でもこの言葉でやっと、僕はワクチンではなくウイルスなのだと実感できたし、次のチャレンジに進む決意が生まれた。今は、心から感謝している。  人生は、決して後戻りのできない不可逆な一方通行。だからこそ、ほかの誰のものでもない自分だけの一本道になるのだと思う。ひと

            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに3.それでも、僕は働く

            それでも、僕は働く (「2.僕は働く」はこちら)  2014年、会社が不祥事を起こした。販売店にも生卵が投げ込まれる異常事態の中、僕はただ謝ることしか出来なかった。  変わるのは今しかない。  そうして始まった社内再生チームに参加させてもらった僕は、大好きな会社のために、タブー無しで向き合った。それはある意味、これまでの自己を否定することでもあったけれど、僕はこの組織のために相応の覚悟はできていた。
   本気の議論を経て「販売店を地域になくてはならない存在にする」を合

            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに 2.僕は働く

            僕は働く  (「1.僕と仕事」はこちら)  入社四年目の2008年には北京五輪があって、今も尊敬する上司の推薦もあり、プロジェクトで北京に行った。その日の新聞を日本から空輸し、現地法人や観戦客に読んでもらうという取り組みは、中国という国の独特さもあり想像以上にややこしかったが、心強いステークホルダーとともにシステムを作り上げることができた。  余談だが北京では少し切ないロマンスもあって、これは映画になるんじゃないかと個人的には思っている。ちなみに当時の中国に今ほどの厳しさは

            僕の人生の旅路と、共に歩む仲間を探しに 1.僕と仕事

            僕と仕事 2021年春、僕は17年間勤めた新聞社を辞め、ベンチャーに入った。大企業を去り、不安定な世界に飛び込む姿を応援してくれた人もいれば、退社の挨拶から目を逸らした人もいた。でも全く気にしていない。ネガティブな視線ももっともだし、それこそ価値観は多様だということを教えてくれる。それでも僕には、目の前の安定と引き換えに現実から目を背けることはできなかったし、本心を騙すことは苦しかったし、志を無くすことは悲しいことだった。  この気づきは全て、会社が教えてくれた。だからこうし