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算数が得意な子に育てるには

あ「皆さん、お疲れ様です。お悩み回収系ラジオ︎相談は回る、パーソナリティの綾部(あべ)です」

レ「お疲れ様です。秋山(レン)です」

あ「この番組では、回収してきた様々なお悩みについて2人で解決策を考えていきます」

レ「現在進行形の悩みから解決済みの悩みまでなんでも回収しますので、何かありましたら是非お寄せください」

あ「では、本の紹介からいきましょう。今週はレンちゃんですね」

レ「今回もお悩みに関係ありそうな本なので、先にお悩みを読んでもいいですか?」

あ「了解です」

【お悩み】私は数字が苦手です。子どもの頃から算数が苦手で、中学では数学の先生が嫌いだったことも加わって大嫌いになり、高校の数学は何一つ理解することなく卒業しました。大学もやりたいことがあったわけではなく理系には行けないから文系に行っただけなので、子どもには選択肢を広げるためにも今のうちから算数を得意になってほしいと思っています。早いうちから塾に通わせたほうがいいでしょうか?

あ「今回は数学の話ですね」

レ「はい。こちらの本です。西成活裕の『東大の先生!文系の私に超分かりやすく数学を教えてください!』」

あ「文系の私にはとても魅力的なタイトル。どんな内容なの?」

レ「数学が苦手な人は、数学の意味が分からなくて、何がゴールなのか分からないまま授業が進んでいくことが良くないってことで説明されてるんだけど…」

あ「確かに、何をやらされてるのか分からないままだった」

レ「でも私は、数学が苦手な人がこれを読んで苦手意識を克服できるんだろうかって思った」

あ「誰でも分かるような話じゃないの?」

レ「私にはよく分からなくて…」

あ「数学を教えていたレンちゃんが分からないんじゃ誰も分からないよ!」

レ「いや、私は数学を暗記科目として勉強していたから、これはこう解くってパターンをひたすら覚えるだけで何も考えてなかったんだよ。何のためにこの計算をしているのかとか、これが何に繋がっていくのかとか」

あ「目的が分からなくてもできる人はできるってことか…」

レ「例えば、「円周角は中心角の半分」って納得できる?」

あ「納得も何も…。そういうものだと教わったから」

レ「どうして円周角は中心角の半分なのかを丁寧に説明されても、「なるほど!そうだったのか!数学って面白い!」ってなる?」

あ「うーん、ならないと思う」

レ「存在しないのに「-3」って数字が存在するのはどういうこと?って追求したい?」

あ「…いや、大丈夫です。なんか面倒くさそう」

レ「私も。今更そんなことを説明されても何も思わなくて。そういう説明のほうが読んでて面倒くさくなっちゃって」

あ「そこに疑問を持つ人はむしろ数学に興味があったり深く理解したいって思う人なんじゃないのかな」

レ「そうかも」

あ「私なんか、証明せよって問題を見る度に「これを問題にしていることが証明できる証明です」って思ってたからね。証明できないなら問題にしませんって」

レ「はははっ、確かに」

あ「数学が難しいのは、最初でつまずくと挽回できないところだよね」

レ「うん。理科や社会はどこからでも勉強できるけど、数学は途中から頑張ろうと思ってもその前の段階ができていないと難しい」

あ「レンちゃんはずっと数学は得意だった?」

レ「全然。よく分からないまま暗記してなんとかテストを乗り切ってきた感じ。でも浪人時代に夏期講習を受けたことがあって、その時の数学の先生の説明がすごく面白くて、それで数学に対する意識は変わったかも」

あ「数学を面白く説明するっていうのが想像できない」

レ「例え話が上手くて毎回笑いが起きるような楽しい授業だったんだよ。先生の人柄もあると思うけど」

あ「数学を好きになれるかどうかは教える人次第ってことだね」

レ「小川洋子の『博士の愛した数式』は読んだことある?」

あ「第一回本屋大賞受賞作!悲しい話なんだけど静かに淡々と進むからそんなに重くならなくて、博士との穏やかで優しい日常が温かい気持ちにさせる作品だった」

レ「あんな風に子どものころに数字の面白さを教えてくれる人がいたら、数学を好きになっていたのかなって思う」

あ「詳しくは覚えてないけど、主人公の息子が小学生だったから誰でも分かる話だったよね。博士の話を「へぇ〜」って思いながら読んだ記憶がある」

レ「あと、これは私の経験だけど、自分が勉強している時はできなくても人に教えるようになるとできるようになる」

あ「でもそれは教えられるくらいできていることが前提で、苦手な人はそもそも教えられない!」

レ「私の場合は、できるから教えてたんじゃなくて教えることになったからできなきゃいけなくなったんだけど、追い込まれると頭が本気出すんだよ」

あ「つまり、切羽詰まったら数学ができるようになる?」

レ「自分のためだと「分からない」で済むけど、生徒に「分かりません」とは言えないから。しかも、短時間で広範囲を網羅しなきゃいけないってなるとものすごい集中力で勉強できる」

あ「自分のためだと限界があるけど人のためだと頑張れるって言うしなぁ」

レ「そして、勉強すればできるようになり、できるようになると楽しくなるっていう好循環になる。特に苦手だったものができるようになるのと喜びもひとしおだよ」

あ「でもさ、ある程度大きくなって自分で自分を追い込むならいいけど、親が子どもにやらせようとして追い込むのは賛成できない」

レ「それこそ算数が嫌いになっちゃう」

あ「数学に限らず、自分が苦手だったことを子どもにはやらせようというのはうまくいかないと思う。自分もできないくせにって反感を買う」

レ「親が楽しんでいることは子どももやりたくなるから、まずは自分が勉強してみて面白さを知ったらいいんじゃやないかな」

あ「いくら苦手でも算数の段階だったら簡単だしね」

レ「脳トレ感覚で」

あ「私も算数も数学も嫌いだったけど、今になってやり直してみたくなるもん。インド式計算ドリルも買おうか迷ってる」

レ「分かる。私も微分積分とか線形代数を今になってやり直したいって思う」

あ「子どもがいると、最初から勉強をやり直すいい機会になりそうだね」

レ「うん。子どもが小さいうちは、コミュニケーションの一環として一緒に勉強するのはいいと思う」

あ「そのうち子どもに抜かされたりしてね」

レ「そうなったら子どもに教えてもらえばいいよ。人に教える面白さを知るともっとできるようになりたいって思うから」

あ「それは分かるかも。生徒が自分の話に興味を持ってくれたり、「分かった!」「できた!」って喜んでいるのを見るとすごく嬉しかった」

レ「お互いに勉強になってWin-Winだよね」

あ「ということで、エンディングの時間になりましたので、算数が得意な子に育てたいのであれば自分も勉強して得意になりましょう。大人になって勉強し直してみると苦手だったものも面白くなるかもしれません。是非お子さんと一緒に楽しんでください。それでは、また来週!Have a nice week!」

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