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2023.1.23 「ハレ」と「ケ」から思う、蕎麦イベントのあり方

1月23日(月)
先週の寒ざらしの仕込みお疲れさまでした。女子蕎麦の準備も佳境に入って、イベント関係が忙しくなってきました。
そんな中ですね、今日は「ハレ」「ケ」のお話をしたいと思います。


まず、「ハレ」と「ケ」とは・・・
その昔、民族学者の柳田國男が唱えた世界観のことです。

我々人間の生活は、大きく分けると「日常」「非日常」に分けられます。
日本人の生活にある、正月や盆といった年中行事や冠婚葬祭などの非日常を「ハレ」、それ以外の日常を「ケ」というように分類しました。

なんでこんな話をするかというと、この「ハレ」と「ケ」の世界観が、今やっている蕎麦のイベントの考え方にとっても似ているからです。


そのポイントを3つほどお話しします。

①最近「ハレ」が弱くなっている
柳田國男は当時から、近代化によって「ハレ」が弱くなってきたと指摘していました。
そしてさらに、平成、令和と時代が進んで、コロナもやってきて、お祭りや季節の行事の盛り上がりが弱くなってきました。

蕎麦業界も年越しそば、節分そば、節句そば、お中元やお歳暮等の「ならわし」的なものが盛り上がらなくなって、売上に影響しています。
なので、何か新しい「ハレ」を作ろうと、イベントにチャレンジしている訳です。


②「ハレ」は「ケ」のためにある
そもそもなぜ「ハレ」が必要なのかというと、普段の日常の「ケ」だけでは人間が消耗してどんどん活力がなくなるので、その回復のためにお祭りなどの「ハレ」がありました。つまり「ハレ」は「ケ」のためにあるんです。

我々の蕎麦イベントも、イベント自体を成功させるためにやってる訳でなく、通常の営業を盛り上げるという「目的」のために「手段」として行っています。イベントは日常の営業のためにやっているんです。
ここを勘違いして「手段の目的化」にならないように注意が必要です。


③「ハレ」はワクワクが大切
「ハレ」は「ケ」(日常)の活力回復のためにあるので、心を大きく動かすものでなければなりません。

我々の蕎麦イベントには戦略的な目的がありますが、そこに引っ張られ過ぎるとツマラナイものになります。
理屈抜きの「ワクワク」を作り出し続けることはとても大切です。


今回は「ハレ」の方を中心に話しましたが、「ハレ」は「ケ」のためにあるので、あくまでも主役は「ケ」の日常の方です。
(ちなみに東北では「ケ」は「食べて!」ですね笑)

華やかな「ハレ」の蕎麦と、ベースになる日常食としての「ケ」の蕎麦、この関係性を明確に意識して、イベントや商品開発をしていくことが大切だと感じています。


それでは今週もよろしくお願いいたします。


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