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2023.4.7 粉屋視点の「寒ざらしそば」

4月7日(金)
桜の花も咲きそろって、いよいよ「寒ざらしそば」の季節がやってきました。
火曜日は4年ぶりに試食会を行って、お蕎麦屋さんやご招待したお客様からは、例年以上に「おいしかった」という声が多かったように思います。

今日はその試食会の中で、私がお客さまにお話した「寒ざらしそば」についての説明を、そのままお話ししたいと思います。


以下の内容をお話ししました。

「寒ざらしそば」につきまして、製粉所の視点からお話しさせていただきます。
「寒ざらしそば」は年によって出来栄えが大きく異なります。
気候に左右される部分が大きい訳ですが、あまり人間がコントロールできないところに寒ざらしの醍醐味があると考えています。

つまり・・・
大自然と真正面に向き合って、畏敬(いけい)の念を抱く・・・
これが寒ざらしそばの真骨頂です。

そして最近はその気候が、昔とは大きく変わってきているので、少し大変になってきました。

ただ、とはいえ、まあ大丈夫かなぁと思っています。
その理由が2つあります。
一つは、これが今年の水漬けしていたときの写真ですが・・・
温暖化といっても、まだまだ山形の冬は寒いという点です。

二つ目は、我々は昭和の時代から寒ざらしを行ってきたノウハウがあるということです。
少しだけ、そのノウハウをお話しすると・・・
微妙なバランスを意識するということです。
どういうことかというと、このように水に漬けたり、寒風に晒したりすることで、ソバの実の内部に、発芽準備に伴う生物的、化学的変化が起こるんですが、
その変化が、始まったけど変わりすぎないというバランスを狙っています。
大きく変化しすぎるとソバが傷んでしまうし、全く変化しないと普通のそばになってつまらないからです。
この絶妙なバランスの上に成り立っているのが「寒ざらしそば」です。

いずれにしても、自然任せ的な要素が大きいことは変わらないので・・・
今年の寒ざらしの味・・・ぜひ、みなさんの舌で確かめてみて下さい。


以上ですが・・・
流石にタブレットを見ながらではなく、ポスターをお見せしながらお話ししました。
もっと専門的な解説は2年前のこの朝礼でお話していて、nore に乗せています。

寒ざらしについてはまだまだ分からない事がいっぱいありますが、それを解明するのも我々の仕事だと思っています。

明日は霞城公園にて、献上式と賞味会を行います。
もっともっと普及するように、いろんな角度からPRしていきたいと考えています。


それでは本日もよろしくお願いします。


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