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OpenAI支援の自動運転SW;GhostAutonomyが事業停止へ

Open-AIとMicrosoftが支援する自動運転SW/Kitを開発するGhostAutonomyが突然事業停止を発表しました。
OEM向けADAS/自動運転システムPFを展開し、将来的に一般ユーザ向け自動運転用車載機の展開を狙っていましたが、諸々のプレッシャーに耐え切れなくなったようです。
ただ、昨年にOpenAIを含む複数VCから資金調達していただけに今後の趨勢が気になるところであります。

1;Ghost社の事業閉鎖

 4/3に自動車OEM向けに自走運転SWを開発/展開するGhostAutonomyが事業クローズしたと明らかに。
 自社HPで[水曜日を以てグローバル事業全般を終了し、会社は解散する]とし、更に下記で詳細を述べた
 -[我々はSWを通じて自動運転/自律走行を提供する使命に沿って、これまで成し遂げてきた技術革新と進歩を誇りに思う]
 -[現在の資金調達環境と当社の開発/商業化への長期投資を勘案すると、長期的な収益化道筋は不明確。技術革新目標を達成する別手段を模索する]
 
 他報道によるとHeys氏は高速道路走行用の製品を完成させ、ラストワンマイル配送を通じて都市内移動にもリーチしていると語ったとのこと。更に[最終的に製品を上市するのに必要な年月を賄うことができなかった]ともしている
 事業閉鎖に先立って同社は23/11にOpenAIと提携、Microsoftから[OpenAIシステム][Azureリソース]への優先/早期アクセスを獲得。同時にOpenAI-Fundから500万ドルの投資を受け、23/04からのSeries-Eラウンドで5500万ドル調達でクローズしたばかり

2;Ghost社の開発軌跡

 同業他社同様にGhostも自動運転の実現へ様々なアプローチで試行錯誤して進めてきた
(2017-2020)
 17年創業当時は[自家用乗用車が高速道路で自律走行できるキット]を開発して2020年に実用化する計画。2019年にはFounders Fund/Khosla Ventures/Sutter Hill Venturesなどから総額6,370万ドルを調達
(2021)
 上記目標に間に合わず、Ghostは[衝突防止技術]に焦点を当てる形に計画を変更。追加でSeries-D調達ラウンドをSutter Hill Venturesリードで1億ドルを調達
 当時Heys氏は[一般ユーザ向けのKit開発を諦めてないが、より早く市場投入するために汎用衝突回避技術に注目]したと

 技術前提として[自動運転にあたって、システムは物体回避前に認識/分類の必要がない]と置き、Ghostはシーン内のピクセルクラスターの動きを追跡し、他社の[物体識別/画像位置特定/特徴点把握]等のプロセスを合理化
 対象物が異なれば同じサイズであっても異なる動作をする可能性を排除するためのシンプル化とする

CEOのHeys氏はLLMの自動運転応用を検討する計画を宣伝し、[LLMがロングテールを理解する新しい方法を提供し、現行モデルで不十分な複雑なシーンへの対応を可能とする]と主張。一方で多くのAI専門家は当該アプローチに懐疑的だった。

3;Ghost社とは

 自動運転技術を安全/手頃な方法で一般ユーザ/車両に導入することを目指すSW定義型の自動運転PFを開発。PFでは認識/計画アルゴ/意思決定アルゴ/車両制御などの自動運転用AI対応ソフトウェアを提供
 自動車OEMは導入することで、大規模なHW変更を必要とせずに自動運転機能を自社車両に組み込むことができる
 23/04開始のSeries-EラウンドでOpenAI Startup FundやFounders Fundなどから5,500万ドルを調達、事後評価額は1.09億ドルに

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