NuroがOEM/サービス事業者に自動運転技術のライセンス供与へ
自動運転システム&路上配送ボットを展開するNuro社がADAS/自動運転システムの開発に特化し、OEMに供給するモデルにピボットするとリリース。
自動運転はムダ金垂れ流しという昨今のトレンドに併せたもので、OEM供給を通じてユースケースを構築して社会実装を進める算段のようです。
ここ最近のToyotaやPorsche、サービスプロバイダとの提携加速はこのピボットの伏線だった模様です。
1;Nuroの事業ピボット
自動運転システム/車両を展開するNuroが大幅な事業ピボットに動いており、昨今の自動運転への厳しい目線が業界の寵児にも影響を与えつつある。
22-23年にわたって5回近いレイオフを実施、[低速路上配送ロボの製造/運用]から[自動運転技術の開発/供与]に事業リソースを集中投下。9/11に自動車OEM/物流企業/配車PF等の企業に向けて自動運転のライセンス供与を開始するとリリースした
これまでに20億ドル以上を調達して[自動運転の寵児]として君臨してきたが、従前の事業モデルでは資金流出が留まることが無かった…創業者/CEOのDave Ferguson氏は23年のレイオフ時に[商用配送の導入競争は熾烈でコストがかかる。AI開発に注力してユニットエコノミクスを追求することで延命期間を長引かせる]としている
(戦略1;他社へのプロダクト供与)
物流/配送/配車サービス事業者にLv4自動運転製品(SW/HW)の提供を行う。
従前行っていた自社での車両開発/製造は停止(R3配送ロボ)し、多くのメーカーと連携してホワイトレーベル供給する
(戦略2;ADAS製品の開発/供与)
OEM/サービス事業者と連携してADAS(Lv2-4)製品群を開発して導入する
*SAEの定義では[Lv4=特定状況で人間の介入なしに自動運転できる運転システム]と定義、[Lv2/Lv3=一部の自動運転タスクを実行できるADAS]を指す
2;Nuroの自動運転への取組
Ferguson氏は下記のように語ってLv4自動運転の実現に意欲をのぞかせる
-[個人所有車両にLv4を導入する未来は近く、完全なLv4ユースケースをOEMと連携して作っていかなければならない]
-[今回の事業シフトに向けてNuroに十分な余裕があり、当面新しい資金調達は不要と考えている]
自動運転の車両/システムの導入&運用はムダ金と多くの企業は認識、システム/仕組みをSaaS提供する方が理に適うとみる向きが大多数で連携/協業を進める
(Toyota) Woven Capitalを通じて、ADAS導入やシステム共同開発を進める
(UBER) 宅配/配送といった分野での協業を加速させている
*Uber-Eats/Domino's/FedExとの協業契約に基づいて、AL/TX/CA州の公道において4年間で100万㏕以上の自動運転を実行(ドライバーありなし両方で)
Ferguson氏は自動運転についてAIアーキテクチャを通じて安全性を重視、下記のように語る
-[Nuroの自動運転はE2Eの基礎モデルを通じて全行動を生成するが、伝統的なシステムがバックアップとして並行動作する]
-[バックアップシステムは全ステップをリアルタイムで検証し、車両の動的/法的制限に違反していないかを確認する]
競合であるWayveはSoftBank/NVDIA/MSと連携してOEMへのシステム供与を進め、MobileEyeはPorscheなどと連携を進める
3;その他
24/08にはCA州運輸局がNuroのR3ボットの公道実験に対して許可(25~40㏕/h)を出している。許可発出時にFerguson氏は[NuroはR3導入を計画しておらず自動運転技術の開発/試験に注力する]と語っていた
直近1ヶ月でNuroは商品配送に留まらない新しい事業戦略について小出しに明らかにしていた
-24/08;都市/地方/高速道のの運転へのAIトレーニングに向けたデータ収集するための[ロードトリップ]の計画を発表
-24/08;NVDIAの第4世代DriveThor(ArmNeoverse技術搭載)が[複数の車両タイプでLv4自動運転(AIベース)]を可能にするとポスト