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VWのDX拠点にはRivian出身者が集結しつつある

先般発表されたVWとRivianの資本業務提携ですが、先立ってVWのデジタル子会社;CariadがRivianから人材登用を進めていました。
Cariadは開発予定のEV-PFの遅延に次ぐ遅延と内部抗争で評判はがた落ちでしたが昨年末頃から急回復を見せ、開発速度も上がったとのこと。
Rivian/Googleなどからの転職組が相当に幹部レイヤーに入って開発を進めていたようです。

1;CariadでのRivian出身者の採用&幹部登用

 6月末にVWとRivianの50億ドルの資本業務提携に数ヶ月先立って、VWはRivianのSW知見/知識を活用していた可能性があることがLinkedINでの投稿で明らかに。合弁事業はFY24-4Qまでに正式成立の見通しだが、恐らく作業自体も手に着いたばかりでRivianの知見をすぐには活かせない状態

 具体的にはCariadにおいて過去数か月間、Rivianのトップ層の従業員23人を採用。
 一連の新規採用はVW/CariadがRivianの知見/能力を早期に自家薬籠中の物としたい意図が見えている。Rivianからの転職者はCariadの[最高SW責任者][最高製品セキュリティ責任者][副社長x2][チーフエンジニアx2]が配置されていたことが明らかに。
 提携に先立った採用はCariadが目指す[ソフトウェア2.0拠点;SDVハブをシリコンバレーに設立する取組]を後押しする形に
 これまでCariadは社内異動で北米拠点を拡充/強化してきたが、Rivianからの採用で潮目が変化。人材登用の優先順位を[1;社内異動][2;自動車業界からの採用][3;Tech企業からの採用]としていたのを一気に逆転させた

2;CariadによるSDVハブ

 23年秋にCariadはRivianのインフォテイメント/次世代車載機器の開発をリードしていたSanjay Lalを採用してSDVハブ設立へ着手。
 ハブの従業員/エンジニアはVWグループの全ブランド向けに設計されたSDC-OSの構築に重点を置く。ハブの今後については両社とも明言を避けたがVW-RivianのJVに参加する可能性が高い
(VWからのコメント)
[まずはRivianとのJVの円滑立上に注力しており、他については後日コメントする]

 Cariadはグローバルで7,000人以上の従業員を抱えるが、北米での事業展開規模は小さく、230名程度の従業員
 Cariadは伝えられる通り開発に苦戦しており、ここ最近ではほとんど成果を生み出せないお荷物とされている。同社は20年に設立され、VWのEV開発に向けて[高度ソフトウェア][電気アーキ]の開発を加速するはずだった…
 その後、規模は拡大したが開発は遅延し、22年完成予定だった[Audi/Porsche向けソフトウェア1.2-PF]はまだ完成しておらず、22年以降は遅延に係る[親会社との軋轢][内部闘争]が繰り広げられ、幹部が立て続けに解任されて事業の体を為していなかった…
 最近時、ようやく[1.2-PF]を完成させ、近日発売予定のPorsche Maccan-EVに搭載される予定

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