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Fordの低価格EV開発チームが苦境の新興を逆手に急拡大へ

FordのSkunkworkと呼ばれる低価格EV開発チームが昨今のEV新興企業の苦境を逆手に採用を加速してチームを拡大させています。
FordはTeslaの低価格モデル及び中華系EVへの対抗手段として開発を進めますが、この取り組みはうまくいけば全社的なベストプラクティスとしても他分野に活用されるかもしれません。

1;FordによるEV人材採用強化

 FordのSkunkworks(低コストEV開発チーム)が人材採用を加速させ、ここ1年で300人まで拡大したとLinkedINで明らかに
 EV業界の混乱の中、Rivian;50人/Tesla;20人/Canoo;12人/Lucid;10人が移籍したとみられ、Appleからも数人が移籍。加えてPJの加速にむけてチーム名はわからないがF1チームからも空気力学の専門家2名を採用
 
 当チームにはFordが23年後半に買収したAuto Motive Powerのメンバーも加わるとのこと。同社は100名以上のメンバーを抱え、低コストのEV-PFの開発を担う新興企業
 Fordは他社同様に[EVコスト引下げ]によるTesla追随と中国の安価EV対抗の両方をねらい、Ford;CEOのJim Forley氏は下記のようにコメント
 ‐[当社EVチームは全員、EVコストの効率化に徹底的に注力する。我々の最終的な競争相手は手頃価格のTesla車と中国OEMを想定するからだ]

2;Fordのこれまでの採用

 Fordは本件PJに関してチーム拡大に注力、拠点もCA州アーバインに立地させて多くのEV事業者に近しい場所に。
 -23年後半;Rivianの元従業員(エンジニア)12名を採用し、Canooの役員(SW開発部門/製造部門)も採用
 -24年初頭;更に採用加速してTeslaの上級エンジニア(GigaCasting)を採用し、製造プロセスの効率化に歩を進めた
 -24/02;Rivianが従業員の10%レイオフを実施、その後の数ヶ月で追加で12名を採用
 -さらに最近はパロアルトオフィスで採用を加速し、[Nuro][Lucid][Joby][Apple]からエンジニアを採用している

 当該チームは[Ford Advanced-EV]と呼ばれているが詳細はかなりの秘密主義で不明…現状は低コストEVに注力するが、今後は会社全体の他取組にも適用される可能性がある
 Ford;CDOのDug Field氏は[当チームは最高の人材が技術/製品開発を行う世界的な取組の一環で、画期的なEV実現に向けて動いている]

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