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バッテリーリサイクル;Redwoodが10億USDの調達完了

 Teslaの共同創業者でCTOを務めたJBStraubel氏が設立したRedwood MaterialsがSeriesDを完了し、10億USDを調達しました。
同社はLiB/EVバッテリーの回収&負極/正極活性剤の再製造に特化しており、今回ラウンドではMicrosoftが出資者に名を連ね、これまでの投資家にはAmazon/Ford/Teslaなども。

1;10億USD集めたSeries-D

 今回ラウンドはGoldmanSachs-AM/Tech-Impact Fund/T Row Priceがリードし、Microsoftなどの新規投資家も参加して10億USDの調達に成功。同社は[回収能力/範囲の拡大、持続可能な製品製造に資源を集中特化して生産能力/企業価値の向上につなげていく]とコメント
 今回の調達資金&融資契約(DoEからのコミットメントライン;20億USD)での調達資金で[生産拠点構築]に用いる予定。米国内に2カ所の工場を建設中、電解銅箔生産向けでNV州(175エーカー)/SC州(600エーカー)を着工済みで、LiBのリサイクル/材料精製に加えて電極の再生産を可能とする施設。
[リード各社のコメント]
GSAM;[電動化が加速する中、国内での電池供給網を構築することが重要に。Redwoodは電池材料業界のリーダー足り得るし、今後数年間で自社NWを活かして成長をサポートする]
Tech-Fund;[これまで先端技術に投資してきた経験から見ても同社は最も重要な企業であり、創業者であるTBとともに今後も歩んでいく]
TROW;[クリーンエネルギーや電動化は今後の成長キーワードで、Redwoodはビジョン/リーダーシップ/実行力で業界の先頭を走る存在である]

2;米国の資源循環

 現在LiB材料のほとんどは中国で調達/生産され、ほとんどのバッテリー材料は中国で調達/生産され、世界のLiの59%/Coの75%が中国で加工/精製されている(米加でのシェアは夫々3.0%/3.5%となっている)
 また、銅に関して米国は年間数十万tをアジア向け(中国…)に輸出するが、環境汚染/重要資源の流出という観点で目線が厳しくなっている

3;Redwood Materials社について

 2017年にTeslaの共同創業者;JB Straubel氏が立ち上げたLiBリサイクル/資源精製をおこなうスタートアップ、創業者のJBはTeslaのCTOとしてLiB技術の開発を担い、NACS-NWの確立に貢献。
 回収したLiB/EVバッテリーから抽出した銅/ニッケル/コバルト/リチウムなど希土類を用いて負極銅箔や正極活性物質を製造。
 Tesla/Ford/Toyota/VW/Audi/Volvo等の自動車各社と連携してEV 用バッテリーのリサイクル事業を進める。また、21/06にPanasonicとも提携、今回のラウンド以降の最初の顧客になる予定。同社工場の近接地にリサイクル拠点を建設(23年末稼働予定)
 2025年までに負極銅箔/正極活性物質の年間生産能力は100GW/h換算にまで達する想定で、2030年までに500GW/hにまで向上させる計画(凡そ1GW/h=1万台のEV電力供給力)

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