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Ford-Proが商用車顧客向けのアプリを閉鎖へ

Fordの商用車部門であるFord-Proが展開していた、顧客向けに開発/提供していた事業をクローズしました。
車両起点のコネクテッドPF化に向けた布石でSalesforceと組んで造成したプロダクトですが、顧客の利用環境と適合しない仕様で、結局Salesforceにお金が流れただけになったようです。
クローズ後も連携は続くとのことですが、利用顧客への深い理解は大事だと思う一件であります…



1;FordのVIIZR撤退

 11/01にFordは傘下のFord-Pro関連企業で商用車ドライバー向けSaaSを展開するVIIZRの閉鎖を実施。VIIZRはSalesforceとのJVで、配管工/鍵屋/電気技師などの事業者が現場スケジューリング/請求書送信/顧客管理を行える業務管理SaaSを展開
 SaaSアプリは競合が多く需要自体も限定的/急減する中での判断で、従業員40名は解雇された
 法人としてのVIIZRは21/12にFordとSalesforceの合弁で開始されたSaaS企業で、Ford-Proの成長に向けたデジタルツール構築を目的としていた。しかし、今後の計画の中で、デジタルツールに関してはリソースの再配分の中でVIIZR は計画外に
 Fordの広報担当は下記のように語って事業撤退を認めた
 ‐[顧客ニーズの低減と、テレマティクス/フリート管理/充電ソフトへの資源配賦する判断から、VIIZRへの投資を終了して11/1にサービスを停止した]

2;VIIZRとは

 Ford-Pro(商用車部門)が展開するSaaSで、Salesforceプラットフォーム上に構築された業務管理アプリ。商用車の顧客である配管工事/電気工事/ケータリング/造園などのSME向けにサービス管理環境を提供していた
 VIIZRは下記の前提/認識で構築されていた
(前提)
バン/トラック運転手の殆どが[所有車両=移動オフィス使用]しており、仕事を楽にしたいという欲求を持っている
(認識)
Fordは当該運転手がトラックの中で働いていると認識し、Salesforceも[トラック+デスクといった車内環境で、デバイス利用を通じて生産性高く効率的に仕事したいというニーズ]への打ち手が必要と認識
(製品)
より高い生産性を達成するためにアプリ提供を行っていく(車両サービスへの統合含め)

 しかし、業務用SaaS市場は会社設立から2年で急激に機能進化&競争激化し、競合他社の攻勢に抗えなくなっていた。車両だけでなくソリューション提供を通じてPF構築を狙うも、顧客の利用環境に適合しておらずプロダクト先行になっていた点に加え、既存アプリはタスク設定(スケジュール)とバックオフィス自動化がメインで車両本体/フリマネと連携していなかった…

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