見出し画像

ADAS/自動運転SWのHaomoが新たに調達実施へ

中国で自動運転ソフトを開発するHaomo社が政府系VCリードでの調達ラウンドを終えました。
自動運転は将来的来るものとして張りつつ、現在はADASで敬虔を積む戦略をとるHaomo社、親会社の長城汽車のみならずオープン提供を通じて知見/経験を着々と積んでいるようです。

1;Haomo(毫末)による資金調達

 2/22に長城汽車が支援する自動運転システム新興企業の[毫末智行科技(Haomo Intelligent Mobility Tech)]がSeries-Bの調達に成功したを公表。
 調達額は1億人民元(1400万ドル)で、成都市の投資会社;Chengdu Wufa PFがリードしたラウンド。過去ラウンドではMeituan(中国の食品配達)やQualcommVenturesも参加していた
 中国のスタートアップ界隈では外国人投資家が撤退する中で政府系VC/金融機関が新興企業支援に動いている。ITJuziによると、Haomoは創業4年にして2億ドル相当のエクイティ調達を実施しており、資金はすべて人民元建てだった

2;Haomoのプロダクト

(ADAS;プロダクト名[NOH])
 乗用車向けLv-2のADAS開発に注力し、プロダクトはほとんどが長城汽車のSUV/PUT向けに搭載。商用車(物流)向けのLv-4自動運転ソリューションも提供しており、クライアントにはMeituan/Alibaba/JD.com等を抱える
 ADASソリューションは[自動ブレーキ][車線変更]などの機能を備えており、40車種以上に搭載され、1.2億kmの走行を記録したとのこと。自動運転配送バンは北京のスーパーマーケット向けに30万個以上の食料品小包を運んだとされる
 L4-自動運転は資本集約/普及段階にないと認識し、実装可能性高くて近似知見を積めるLv2/Lv3の製品に取り組む
 NOHは高精度地図がカバーする高速道路で、出発地点から目的地までの自動運転走行をサポートするなど、他社に先行する

(自律配送ロボ;プロダクト名[XiaoManLu])
 長城汽車の製造知見/能力を背景に自律型配送ロボットの量産も請け負っている。Alibabaとの提携では自律型配送ロボット[小蛮驢]の品質保証と量産を担当、導入台数は今後3年で1万台に達する見込みとのことで、Meituanとも同様の取り組みを進めている
 CEOは[自動運転は"低速から高速","物の運搬から人の運搬","業務用から一般利用"へ発展する法則がある]とし、毫末はこれに沿った動きをしている

3;Haomoとは

 2019年に長城汽車のスマートドライビング部門が独立する形で設立された自動運転SW新興企業。直近評価額は10億ドル超で、2024年には香港市場上場&4億ドルの調達を検討しているとされる
 これまでの投資には[長城汽車][GLVentures][Meituan][Shougang Fund][Qualcomm Ventures]などが名を連ねる

 創業2年目の2021年には3回の資金調達を実施、自動運転業界でもまれにみる規模の調達を成功させていた
 CEO;張凱氏は当時下記のように語って自動運転の実装可能性や事業化についての見通しを述べていた
 -[2022年は自動運転業界の発展に最重要な1年になる。ADASの競争は後半戦に入り、乗用車向け以外の自動運転は事業化元年となる]
 -[当社のADAS事業は7倍、ラストワンマイル向け自律型配送ロボ事業は3倍の規模に成長する見込みで、既に技術/資金的にも十分な準備ができている]

 競合は[Pony.ai][WeRide][Momenta][Deeproute]などで、ほぼ全てがロボタクシーの開発を目指して動いている
 Haomoの強みは長城汽車の関与で、OEM傘下ゆえに巨額の研究開発費や製造拠点での施設利用などが可能となっている点。プロダクトはオープンに展開しており、長城汽車以外のOEM3社にもADASを供給している
 特に大規模展開が可能なことは強みで、実走行データの大量収集や大量生産を通じて製品のコスト効率化が可能となっている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?