短歌 新作８首 『フィットする』
同じニンゲンに生まれたのに、僕らはみんな違う形をしている。
愛し合ったり、いがみ合ったり、憎しみ合って。
これが最後になればと願いながら、新しい扉を開く鍵を探している。
そんな気分を、８つの短歌で書いてみました。
第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。
もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。
あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。
フィットする
同じ空を見上げていても方角が違えば重なり合わない視線
君からの返信はいつも２日後で海を越えて来る手紙みたいだ。
水拭きはべつにしなくていいかなと思えるほどの熱量が良い
慎重にカードを選ぶババ抜きのように君との会話はつづく
膝裏に膝をあてがいフィットする形を探すゲームの途中
今週はずっと天気が悪いからシーツに君がまだ残ってる
脈略の無いことを君としていたい どうせ終わりは突然だから
ときどきは誰かに否定されたくて赤信号をゆっくり渡る
あらゆる言葉が無料で読める時代。 それでも、もしも「読んでよかった！」と思っていただけたら、ぜひサポートお願いします。 また新しい言葉を書くために、大切に使わせていただきます。