短歌 新作８首 『サスティナブル』
生きる意味。ここにいる意味。詠う意味。
探せば探すほど途方に暮れるけれど、長く続いたその先に、きっと答えは向こうからやって来る。
そんな気分を、８つの短歌で書いてみました。
第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。
もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。
あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。
サスティナブル
とこしえの愛を語ろう人類が滅びる毒を宿した喉で
今日もまた殺せる側に立ちながら殺さない方の道を選んだ
奪う人、奪われる人、バランスを低く保って世界はまわる
アイシテルもアイシテナイも不可知論で語れば見えてくる天の河
この国の存続を脅かすほどの歌がダイソーには売ってない
事実から逸らす視線が水たまりに映る逆さの空へと沈む
神様はたぶんいないよ。正確に別れを予告する電波時計
幾億の歌を真っすぐ並べればあなたへ続く道が生まれる
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