見出し画像

バレエと私と、おすすめスタジオ

母自身がやりたかったバレエを当時4歳の私に託し、右も左もわからないままバレエを始めた。小学校に入ってからは週3回、4回と徐々に頻度を上げ、小6からは週6日通った。以来、一年のうち半年は毎日、オフシーズンの残り半分は週5−6日バレエ漬けの生活が高校2年生で交換留学に行くまで続いた。学校から帰ったら宿題や通信教育、週2回はピアノと習字に行き、その後モールで夕食を食べてバレエに向かう。夜10時〜11時にバレエが終わったら母のお迎えで帰宅が当たり前の日々だった。現在、趣味で大人バレエをしながらどこか心が痛むのは、全力で自分の意思でバレエを存分に頑張れなかった、もしバレエに集中できていたらヨーロッパでプロのダンサーになれていたのではないか、なんて甘い妄想と後悔があるからだ。家の教育方針が文武両道だったため、得意なことを集中して伸ばすのではなく勉強もバレエも(ピアノも芸術も)満遍なく頑張り結果を出し続ける事が求められていた。周囲がバレエ教室に近い高校を選んでも、芸術系の学部に進学しても、私は普通の偏差値で一番誇れるような学校に行くことになった。海外の公立バレエ学校さながらに毎日数時間練習してた生活から離れて留学し帰国した際、バレエ技術(とバレエ体型)を失った。自分の中で優れたことがなくなった気がして、条件なしの自信=自己肯定感0だった私は、体重という目に見える数字で自分の存在価値を証明すべく摂食障害になった。バレエを辞めるという自発的な決断もしないままダイエット依存になり、遠方の大学に進学した。

時は10年ほど流れ去年、地元に戻ってきて就職。バレエからは離れていたけど相変わらず動くことが好きで、ヨガやピラティス、ジム、ポールダンス、乗馬などやりたいを一つ一つ実行していた。同居している母が、バレエ教室の元同期の子たちが現在振付家とかテーマパークダンサーとかプロチアダンサーになったとか、大学院で舞踊の研究をしているとかベテランヨガインストラクターになったとか話すので、彼女たちと同じように全力でバレエをしていたのに精神面では完全燃焼しきれなかった私の心はチクリと痛んだ。バレエに執着があるし、まだ好きだし、踊っている自分は自身が持てると感じたかったので、都内を中心にオープンクラスに行き始めた。

大人バレエに通ううちにバレエを俯瞰して見れるようになったし、先生側の視点も想像できるようになり、視野を広げて楽しめるようになっていった。バレエ歴15年以上の私が上級クラスで物足りなくなってもポアントを履かないのは、プロにならないのでお金を際限なく注ぎ込まないという私なりのけじめ。すぐに潰れるポアントやペラペラの生地なのに1万円するバレエウェアショッピングに溺れない、バレエ以外の世界も手に入れるという決意表明。

日本はバレエを教えるのに資格が要らなく、星野数ほどいるセミプロが生計を立てるため開くことも多いためバレエ大国だ。バレエ人口も富士山型ピラミッドで、欧米との違いは観劇に行くためのバレエではなく趣味で踊るバレエが大変盛んなことだ。当然バレエ教室も玉石混合乱立している。そこで、40近くのバレエ教室の体験レッスンに行き、スタジオや講師の質を見てきた中でおすすめ大人用バレエスタジオを3つ紹介する。

Studio Architanz
高さがあり広いスタジオと、兎に角質の高い講師のオープンクラスが受けられるアーキタンツは、セミプロレベルの趣味ダンサーだけでなくプロ希望者やプロも常連。個人スタジオだと振り付けが数ヶ月変わらない先生が現役の時に練習したものそのままコピーでバリーションがないなどが起きがちだが、アーキタンツでは欧米で活躍した講師も多いので、珍しいコンビネーションや舞台よりの複雑な振りを楽しめる。またほぼ全てが生ピアノ伴奏のクラスなので音楽を楽しみながら最上級のバレエ時間を過ごせる。体験レッスンはクラス時間により1000円から3000円だが、不定期で全てのクラスを1000円で受けられる体験キャンペーンがあるので田町(東京)にアクセスできる人はチェックしてみよう。

K Ballet School
Kバレエカンパニーの付属校のKバレエスクールは関東6ヶ所にあり、それぞれ大人用と子供用レッスンが提供されている。こちらの魅力は、生ピアノのクラスと広々とした美しいスタジオの日本最高のレッスン環境。特に東京後楽園スタジオはガラス張りの光をたっぷり取り入れた広いスタジオでオフィス街のの美しい並木道を見下ろせる。生徒さんも純粋にバレエが好きだという方が多く、バレエ教室によくあるしがらみなどなく気持ち良く踊れるだろう。運が良ければ前後の時間にバレエ団ダンサーがレッスンをしている様子を見られ大変勉強になる。(バレエダンサーのクラスレッスンでダンサーの華奢な体型を見て、「自分の人生でこれを目指し続けたくはない」ともやもやとした気持ちが消化された)体験は一クラス1000円で、不定機で3回体験キャンペーンなどもある。

たちかわバレエスタジオN
最後は個人経営のスタジオの中で、スタジオ環境、レッスンの質、雰囲気が最もよかった、東京都立川市にあるたちかわバレエスタジオN。ヨーロッパの数々のバレエ団で踊ってきた講師2人が、様々なコンビネーションの振りを舞台でどう見えるかという視点からの指導も多く、実践を意識したバレエを教えてくれる。また子供時代に感情論、根性論のバレエを経験してきた大人が、論理的で最適な動きを教えてくれる講師と過ごすうちにバレエ教室のジメジメとした嫌な記憶を塗り替えていけそうだ笑。ピンポイントな立地だが、アクセスできる人はぜひ訪れてみて。


大人バレエは様々レベルや目的の人が集まるので自分に合った、ストレスなく通える教室選びが大切だ。個人経営かバレエ団など大きな団体直営のスクールかによっても大きな違いがある。個人経営の方が基本レッスン料に加え、冷暖房費、発表会のお花代や先生のお礼などスクール独自の予想外の雑費が嵩みがちだが、一方料金システムが明確なバレエ団直営スタジオはレッスン量がそもそも高額な傾向だ。立地にも影響されるが、昨今は日本どこでもバレエ教室があり生徒獲得競争も熾烈なので、興味がある方は色々な教室に体験に行き、自分の心が踊る場所を見つけて欲しい。

Stina Umeoなど様々なブランドも試した中で、女性用レオタードで一番のお気に入り。色とシフォンが兎に角エレガント。バレエだけでなく室内デートなどにも重宝。

メンズ用品はまだまだ見つけづらいが、バレエシューズは必須。


この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

バレエ、フィットネスインストラクター|ライフコーチ|欧米での学びを本にします|RYT200|Bowspring yoga修了|マットピラティス講師資格取得|スクールカウンセラー よろしければサポートお願いします! 本制作、イントラ活動に使わせていただきます!