浮気相手に本気になった件

「５年付き合ったドイツ人彼氏と別れた件」で詳細があるが、私は5年付き合った彼と別れる為、今年の8月ドイツに飛んだ。空港で挨拶のハグをし、その場で別れを伝えた。旅行自体は数ヶ月前から計画しており、8月中旬から月末まで、行きはフランクフルト到着、帰りはブリュッセル発の予定だった。別れを決意して日本を出国したのだが、この決意が固まったのは私の心が浮気相手に向いたためだ。

ドイツ人元彼には私が依存の恋愛をしており、子供が親の愛や犠牲を求めるように接していた。私が未熟なため、また共通の友人がキューピッドの役割をして付き合い始めた事で、彼が私を愛してくれる様には私は彼を愛せなかった。愛してもらうことばかりに目が行き、彼を愛せないことへの罪悪感から、5年一緒にいたうち最後の2年は腹のどこかで「別れなければ」と解っていた。直感的に、もしも結婚式をするとして「病める時も健やかなる時も〜」の誓いをすることになったら、彼とは誓えないと解っていた。ただ情も湧いていたし、一人になることが不安だった。友達には散々彼の愚痴を言い、彼のせいで〇〇ができない、〇〇をしなきゃいけない、と愚痴っていた私。一年後には出会い系アプリで色々な人とお茶をすることが気晴らしとなっていた。常にモヤモヤしていたし、表情も心もおブスだっただろうな。

そして別れ話を切り出せないまま2年が過ぎようとしていた今年の夏、アプリで日本に旅行中のベルギー人に会った。観光のため、語学学校に通いながら１ヶ月滞在するという。私から「カジュアルに食事でも」と誘って会ってみると、会話が弾み、お互いの波長が心地よかった。この時点で、無意識が元彼から心を離そうとしたのだろう。3回ほど食事や街歩きで会った後、富士山旅行に誘われた私は、元彼を裏切っているという自覚を持ちながら「Yes」と答えた。富士山旅行では同室に泊まり、夜中話した他は何もなかったが、お互いに惹かれていることははっきりと感じた。

富士旅行の後、北関東にも旅行に行き、都内のミュージックバーを楽しんだ夜、とうとう私は浮気をした。元彼を裏切っている自覚ははっきり持ってた。また、これは「もう元彼を愛していないのだから離れることが正しい。」と自分に解らせるためにした、という意識があった。行為の後、私が元から計画していたヨーロッパ旅行の話になり、帰りの便はブリュッセルからだと話した。彼はとても驚き、是非自分を訪ねてきてほしい、と言われた。1日考えた後、私の旅行は「ドイツに入国、元カレと別れ一週間ほどかけて色々整理する、その後ベルギーに移動し彼と過ごして帰国」というクレイジー計画が出来上がった。元彼も浮気相手もこれは全く知らない。数日後、彼はベルギーに帰国した。

一週間後、私は５年付き合ったドイツ人彼氏と別れた。その後ベルギーの彼と会い、楽しい時間を過ごしたのち、私は帰国し現在はシングルライフを謳歌している。

こうして書くと、性的倒錯、モラル崩壊、男性依存のようだ。だが、人生では、時には思いもよらない方向から人が入ってきたりする時期も必要だ。第３者によって別れる勇気をもらう、というのは変だが、実際人生でトップ５に入る「気持ちが良い決断をした」と直感で感じられる。実際ここ2年ほどカウンセラーの力を借りたい、心療内科に通ってモヤモヤを取り除きたいとずっと思っていたが、この一連を終えて、すっきりとした感情だけがある。カウンセラーがいなくとも、自分で決断して行動できる、と自信がついたほどだ。

自分の直感に蓋をして、メリットや条件、情で相手といた時は、常に抑圧された何かを感じていた。今はより自分本来のエネルギーでいられるし、自分の「〜したい」を感じ取れる。

自分にとって正しいことをしなさい。

私の場合は浮気という間違いを通じて、十分には愛していない、将来を思い描けない元カレと別れる、ということをした。この先、stay truthfulを教訓に生きていきたい。そしてどんな間違いをしても、どんなに罪悪感がある私でも自分を愛し続けたい。