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【週刊ユース分析】ヴィッセル神戸U-18とバルサ化の現在を改めて調査!!

これまで4週にわたって関西圏クラブユースの今を追ってみた。

大注目である風間改革のセレッソ大阪U-18
本格的に森下時代に突入したガンバ大阪ユース
アスリートプロジェクトで巻き返しを図る京都サンガU-18

そして最後はヴィッセル神戸U-18

4チームの中では最もJリーグ歴は若いのだが、ヴィッセル神戸U18は強い。
高円宮杯プレミアリーグの10年間を可視化したランキングにおいて堂々のトップ5入り。しかも右肩上がりだ。

イニエスタ、大迫勇也らが目立つトップチームにおいて育成のイメージがあまりないかもしれない(実際に自分もそうだった!)が、そんなJリーグファンは考えを改めた方が良いかもしれない。

何度も言うがヴィッセル神戸のユースはとても強いのだ。少しづつ紐解いていきたい。



■プレミア10年間の戦歴

開幕初年度こそ関西リーグを戦っていましたが、その年に昇格を決めてその後降格経験はありません。

そして何より!ヴィッセルのランキングを上位に押し上げているのが2回のWEST制覇
いずれもEAST王者とのチャンピオンシップに敗れてしまっていますが、それでも強豪ひしめくWESTを2度も制するということはもの凄いこと。

2013年は小泉 慶(鳥栖)、青木 亮太(札幌)、秋山 陽介(千葉)、ジャーメイン良(磐田)らを擁した流経大柏高相手に悔しいPK戦負け。
この時のチームには藤谷 壮(北九州)、山川 哲史(神戸)らがいました。

2017年はFC東京U-18相手にこちらも延長戦で逆転負け。本当にあと一歩のところで敗れています。
この時のFC東京には品田 愛斗(FC東京)、原 大智(アラベス/スペイン)、また(シーズン中にトップ契約したため)チャンピオンシップにはいませんでしたが高校1年生の久保建英がいました。
対する神戸には小林 友希(神戸)、佐々木 大樹(神戸)らがおり、こちらもゴールデンエイジでしたね。


■バルサ化はどうなったのか

日本中に衝撃を与えてイニエスタが神戸に入団したのが2018年。その当時(2018~2019にかけて)は本当によくこのキーワードを目にしました。

「バルサ化」

それは育成の世界でも同じで、ビジネス雑誌でおなじみの東洋経済ですらこんな記事を書いたほど。

ヴィッセル神戸がアジアナンバーワンクラブになるべく、推し進めている変革がある――。ボールを保持してゴールを目指す攻撃的なスタイルの実現、エンターテインメント性と快適さを追求した新スタジアム構想、そしてもう1つが育成メソッドの確立
東洋経済ONLINEより抜粋

はっきりと謳ってますね。メソッドの確立、と。

そして、当時この大変革のリーダーだった平野孝氏(懐かしい!)はバルサの育成期間で研修を受けた、と言います。

記事にもありますが世界でも超有名なバルサの育成機関。そこに足を踏み入れるなんて超貴重な体験。これも三木谷マネーの恩恵だと思うのですがその伝道師が今どうなったかというと・・・どうやら三浦監督更迭と共に平野さんも異動しているようです。

その後メソッドが確立されつつあるのかは不明。

というのも、
ここに来て一気に「バルサ化」の文字は消え、記事を見ることもめっきり無くなってしまったからです!
そしてご存知、バルサのユニフォームからRakutenの文字は消え、イニエスタ選手の神戸退団の噂も出ています。

詳しいことはわかりませんが、神戸のバルサ化は志半ばで雲散霧消した可能性が高いのでは・・・と思ってしまいます。

新生バルサの胸スポンサーはSpotifyに。



■注目選手!!

気を取り直して。
バルサ化に関しては一抹の不安はあるものの、ユース勢の活躍については疑いの余地はありません。

多くの元代表選手に目を奪われがち(←ほんとコレ)ですが、かつてプレミアリーグを制した山川 哲史選手、小林 友希選手、佐々木 大樹選手らはきっちり試合に絡んでいます。

未来の神戸を支える”可能性”を挙げてみたいと思います。


冨永 虹七(FW ヴィッセル神戸U-18/3年)

2年生の時から背番号9を背負う絶対的エース。2023年度のトップ昇格が決まっています。
とにかく体幹がしっかりしていて競り合いの強い選手。帝京高の斎藤選手なんかを見ていても思うのですが、こういう選手って超プロ向きなんですよね。柏の細谷選手のような。

神戸には大迫、武藤という強烈なお手本がいますから。どれだけ吸収できるか。あと「ニイナ」という名前も憶えやすくて良いですね。


寺阪 尚悟(DF ヴィッセル神戸U-18/3年)

14節終了時点でフル出場を続けるDFの要。こちらも2023年度のトップ昇格が決まっています。

ユース出身のDFと言えば山川哲史選手、小林友希選手、そして昨年昇格した尾崎優成選手らと同じ系譜。
攻撃的な点に注目されがちな神戸ですが、トップチームの強度が落ちてしまったのはズバリ フェルマーレン選手が抜けてからだと思うんですよね。

つまり(菊池選手はいるものの)DF陣の台頭ってのはとても重要で、そこを託されているのがユース勢なのかな、と個人的には思っております!


本間 ジャスティン(DF ヴィッセル神戸U-18/2年)

DF枠からもう一人。
ロス五輪を目指すU-17の日本代表でもある本間選手。追加召集でしたがこれをきっかけに本命になれるか。

打点の高いヘディングも武器で富永選手についてチーム2位の4ゴールを挙げています。
攻守において来年度もチームの核となることは間違いないので要チェックです。


■最後に、

右肩上がりのヴィッセル神戸U-18。2種登録も積極的に行われていてトップチームへ練習参加する選手も多いようです。

始めはイニエスタ選手や大迫選手、酒井高徳選手らに対してミーハーさが滲み出ていたようですが(当たり前!)、ここのところは地に足がついてきてきっちり吸収出来ているとか。
またトップへの練習参加資格を得ることが下級生のモチベーションになっているようで、「環境」という点でやはり特別なチームの様です。

気になるのはこの三木谷マネーがいつまで続くのか!?ということ。

2022シーズン中も第一線から身を引きそうになってましたし、イニエスタ選手との契約や代表クラス選手の引き抜きもいつまで続くのか不明です。
この時、体系化してきたバルサ式メソッドが手元に残って機能していれば良いのですが・・・真相は不明です。

ただ、

一つ忘れてはいけないのがユースはイニエスタ選手の特需前より強かったということ。つまり歴史と伝統は十分あるんですよね。
強いて言うならば、(元代表選手がトップにたくさんいる)今のうちにユース出身の代表選手が出てこなければ!といったところでしょうか。

強力なベテランがいて、手元の結果を求められると若手は育ちにくいのですが・・そこをどう切り開いていくのかがチームとしてのカギになるのではないでしょうか。
(ジュビロ磐田サポの経験談)



本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!


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