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【⚽️日本サッカーを愛そう】「ベテランから学ぶ」とは何なのか?

今シーズンもJリーグの日程が終了しましたね。色々ありました。
色々あったことを回顧していて、真っ先に思うことを簡単に記しておこうかな、と。
それは僕の中で”ある考え”が大きく変わったことについて。


「ベテランから学ぶ」というよくある通説に対して、そんなものは無いと思い改めました。
そう。ベテランから学んで成長する、なんて言う悠長なビジョンなど存在しないんじゃないかな、と。

いやいやそんなはずはない!ベテランいじめか!
と言いたくなる方もたくさんいると思うけど、ちょっと落ち着いて欲しい。

それはどういうことなのか、僕の考えを少し整理してみますので少しだけお付き合いを。



■現場主義

現場主義とは、一言で言えば試合に出なければ成長しない!という意見です。現場とはグラウンド、試合そのものを指します。

僕は、まずは試合に出なければベテランから学ぶことなど無いと思うようになりました。ちょっと極端ですがそう言い切りたいと思います。


いやいや練習を一緒にやることで学ぶこともあるだろう。試合に出られなくても先輩の態度や発言から学ぶことはあるだろう。という意見が聞こえます。

これに対して僕はこう思うようになりました。

試合に出るようになってはじめて「真意」に近づくものであって、背中を追いかけて成長するなんてのは幻想に過ぎない。


「真意」とは先輩の発言に含まれる重み。教えに対する本質、です。



■まず試合を目指せ

こういう事だと思います。

大先輩から何かを学びたかったら、その先輩の背中を見て追うのではなく、何が何でも試合に出ることを目指すべきではないかと。

その結果、上手くいかない事はたくさんあると思います。
そしてこの上手くいかないことを肌で感じるのが大事で、一流選手というのはものすごく短いスパンで自分の中で試行錯誤を繰り返します。

ビジネスの中で既に死語になっているPDCA。
つまらない上司がアホみたいな顔して唱えるのでうんざりしている人がたくさんいると思いますが、僕はこのPDCAは自分が成長するうえで現役バリバリの使える法則だと思っています。

こと、成長する人にとっては「オレ今PDCA回してるぜ!」などと思わない(つまり無意識的に身に付いている)のですが、つまり一流選手というのはこのサイクルを絶えず休まず、常日頃からぶん回しているのです。

その過程で、「ベテランから学ぶ」という行為を最大限に活かしているのです。


つまり何が言いたいかというと、
「ベテランから学ぶ」という行為はそれ自体を尊重するものではなく、試合に絶対に出る!という強い考えを尊重した過程で自然発生し、初めて真に活かされるという事です。


古川陽介は「試合に出た」おかげで先輩から多くを学んだはず。



■世代交代において、ベテランに罪は無い

ここまで整理するともう一つの真理が見えてきます。

世代交代が上手くいくチームと上手くいかないチーム。
後者にとってそれは、全て若手に責任があるという事。

しばしばチーム編成や居座るベテランに鉾先が向きますが、これについて僕はベテラン勢に罪は無い、と思っています。
むしろ「ベテランから学ぶ」という行為を整理してみると、どう考えても突き上げてくるべき若手にほとんどの責任があるのではないか、と。

リスペクトと遠慮は別物です。
真っ向勝負して敵わないなら、それこそ「ベテランから学ぶ」の最高のチャンスであり、チームに大先輩がいる価値でもあります。
そして最高の恩返しはその大先輩を抜き去ることです。


監督やスタッフがベテラン偏重だと選手がどんなに頑張っても無理。本当にそうだろうか?
僕はFC東京の松木玖生選手が今シーズン試合に出続けたのは、若手を重用するアルベル監督だったからだとは思いません。恐らく彼がジュビロ磐田の選手であっても今シーズン試合には出ていたのではないだろうか。

ジュビロの場合、何人の若手が「レギュラーは代表の通過点」と言うのだろうか。



■期待

早稲田大学で3年生ながら10番を付ける植村選手。2024年のジュビロ磐田内定が決まっています。

ボランチを主戦場とする彼が、引く手あまたの中ジュビロ磐田を選んだ理由として遠藤保仁の存在をはっきりと明言しています。
言い換えれば遠藤保仁が居なければ彼はジュビロ磐田を選ばなかったかもしれません。

チームに所属するレジェンド級のベテランというのは決してチームにとって重みではありません。彼を獲得した小野社長や経営陣の方向性を批判する人がいますがそれはある断面でしかなくて、とても視野が狭い意見だなぁというのが感想です。

で、ここから大事なのは、
植村選手が遠藤保仁の背中を追うのではなく、何が何でも試合に出ることを追ってほしいという事です。それは、憧れであり入団の決め手でもあった遠藤保仁からポジションを奪うという事です。

「ベテランから学ぶ」とは、そういう過程を経てようやく意味を成します。これこそが小野社長や遠藤保仁らが望むことだと思います。

当然これは藤原健介、清田奈央弥らにも言えることです。

「即戦力」とは遠藤・山本を抜き去ること



僕は冒頭で「ベテランから学ぶ」などという通説は無いと述べましたが、それはまとめると、ベテランから学ぶとは何が何でも試合に出るという試行錯誤の中で初めて現れる”現象”に過ぎないからです。

これからは「若手はベテランに学べ」とは言わず「若手は試合に出ろ。自らの努力と知性でのし上がってみろ」と言いたい。

そこには必ず、ベテランから学んだ何かが宿っているはずだからです。




本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!





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