【週刊ユース分析】なぜ、高校サッカー選手権はクラブユース選手権より盛り上がるのか①
山梨学院の優勝で幕を閉じた99回の高校サッカー選手権!!
呼吸を忘れるほど緊迫したPK戦を、多くの人がテレビの前で見守ったのではないでしょうか。
まさに「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持つ者だけ」。
無観客とはいえ(無観客だからかも?)あの緊張感でボールの前に立てること自体、凄いことなのだと思います。
優勝した山梨学院はもちろん、敗れた青森山田もお疲れさまでした!
ところで、
多くの人が注目したこの高校サッカー選手権が開幕するわずか1日前に、もう一つの高校年代の全国大会が行われていたことを知っている人は、どのくらいいるのでしょうか?
コロナの影響を受けて例年の開催時期とは異なりましたが12/25~30日にかけて、クラブユース日本一を決めるクラブユース選手権U-18(通称クラ選)が行われ、サガン鳥栖U-18が終了間際の劇的ゴールでFC東京U-18に勝利しています。
こちらも十分に手に汗握る年代最高峰の戦い。ちなみに、
決勝の様子はこんな感じ ↓
むむむ!
知名度もさることながら、環境もかなり寂しいじゃないか!!
なぜ、高校サッカー選手権(通称:冬の選手権)は、クラブユース選手権(通称:クラ選)より盛り上がるのか?
今回はズバリ、このことについて自分なりにまとめてみたいと思います!!
ポイントは3つ。
それでは早速行ってみます。
①セグメンテーション・シンドローム
直訳すると「線引き症候群」。 ※造語です
人は、区切って括りたがる生き物であり、そこに優劣をつけるのが好き。という大前提を、「都道府県別代表校」という超わかりやすい線引きによって我々をあおります。
かつて当たり前のように戦争が行われていた時代も、恐らくこの感情がベースになっていると思います。
その感情が形を変えて爆発するのがワールドカップとオリンピック。
堂々と日の丸を振って「日本がんばれ!日本がんばれ!」と老若男女が叫べるのはこの時ぐらい。これが気持ちいい~。
ただ、4年に一度は長すぎる。では(国内だけど)年に一回楽しんでしまおう。
それが、夏の甲子園と冬の選手権なのだと思います。
予選参加校の多い・少ないは関係ない。代表校の選手が他県の出身でも(とりあえずは)関係ない。
僕たちは、明確に仕切られた都道府県という枠で自分のアイデンティティを意識しながら、勝った負けたで一喜一憂したいのです!
クラブユースも地域の冠を掲げながら予選を勝ち抜いて全国に来ています。しかしながらクラブユース=県の代表。という印象はまだまだ薄い。
やはりそれは、「高校」という全国共通の絶対的な存在感にはかないません。
テレビ中継されていた矢板中央の応援メッセージで「栃木はいつもベスト4止まり!」と嘆いていたマダムがいましたが、矢板中央高=栃木の代表、として見ている象徴的な発言だなぁと思いました。
②スタンドで祈る女子高生の正義
自分は男なので男性目線になってしまいますが・・・部活って、そりゃもう抗うことのできない「青春」の象徴ですよ。
文字にすると下衆いですが、本当なんだからしょうがない。
部活動で精進してきた方にはほぼ100%通じると思いますけど、鍛えて、勝って、異性からワーキャー言われたらそれは嬉しいですよ。
スタンドで祈る女子高生がテレビカメラに抜かれると思います。あれもセットで冬の選手権なんですよね。
校内でも「あの子サッカー部の〇〇の彼女らしいよ」とか、「サッカー部の〇〇先輩にこの前話しかけられた!」なんて会話が飛び交っていますよきっと。
が、
クラブユースの場合、「部活」という枠組みでないため残念ながらこの辺の青春の匂いが薄まります。
最近ではクラブユースの生徒がまとまって同じ学校に入ったりする傾向が増えているようですし、
当然クラブユースの選手にもファンはたくさんいると思うのですが・・・
やはり、
「〇〇高校サッカー部」という冠と、その高校の女子生徒、という鉄板の組み合わせの前に、視聴者が好きな「青春」の匂いは薄まります。
繰り返しになりますが、
都道府県の代表
ベンチに入れなかった3年生
負けたら終わりのトーナメント
スタンドで祈る女子高生
これらセットで部活であり、冬の選手権であり、また冬の選手権にしかないものと言えます!!
そりゃ、歴代マネも売れますよ。
※ゲキサカさんのyoutubeキャプチャを借用させていただきました🙏
③ 「競技」か「コンテンツ」か
実はこの③が、高校サッカー選手権とクラブユース選手権の差分を示す一番の要因だと思うのですが、
こちらについては次回noteにてじっくり分析したいと思います。
日本テレビがなぜ、クラブユースの話題に全く触れないのか。
あるいはその存在を知っていながら高校サッカー選手権を「No.1を決める戦い」と実況するのか。
その辺りを紐解きます。
**本日も最後までお読みいただきありがとうございました!**
続編はこちらから(リンクあり)👇
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