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【エッセイ】正月早々、日帰り温泉で大慌て。

大晦日から元日にかけて、宮城県内の夫の実家で年越しをした。今朝、帰りがけに「温泉行きたいな」「日帰り入浴をしていこう」という話になり、少し遠回りして、日帰り入浴施設に立ち寄った。

そこは、アクセスがいい上、源泉掛け流しで、露天風呂やサウナまでついていてる。温泉好きのわたしのお気に入りの施設だ。スタッフがいつも感じがよいのと、建物内が清潔なのも好きなところ。

2023年初の温泉は、とても気持ちよかった。寒い時期だからなおさらだ。
その時は、珍しく雪は降ってなかったものの雨模様で曇ってて、山から吹き下ろしてくる風が冷たかった。

そんな寒さの中で入った露天風呂は、お湯の熱さと冷たい風を同時に感じて、とても気持ちよかった。お風呂からあがると、ロビーにあるマッサージ機で10分100円で脚をほぐす。至福のひとときである。

夫があがってきて、いざ帰ろうとしたときだった。
下駄箱の鍵がない!
一人ずつ靴を入れて鍵をかける方式なのだが、わたしの鍵が見つからない。今までそんなことなかったのに。

ダウンジャケットのポケット、カバンの中をひっくり返しても見当たらなかった。
さっきまでぼーっとして幸せ気分だった頭が真っ白になる。

慌てて脱衣所に走る。ロッカーに忘れたのかもしれない。それともトイレ?
立ち寄ったところをたどっても鍵はなかった。

「スタッフにお願いして、合鍵であけてもらおうか……いや、待てよ、何番に入れたっけ!?」

何気なく入れたので、番号すら覚えていない。「ロッカーの鍵紛失の場合2000円いただきます」という貼り紙が目に入ってきた。

脱衣所から玄関にトボトボして戻り、夫に「なかった」と伝える。2000円払って開けてもらおう……そう思ったときひらめいた。

確か、彼が靴を入れた場所の周辺に入れたような……。何気なく思い当たるところを開いたら、何とわたしの黒いスニーカーが入っていた。

そう、わたしは下駄箱の鍵をかけていなかったのである。ああ、正月早々、慌ててしまった。夫は呆れていたが、スタッフに言う前で良かったと思った。

すっかり正月気分は抜けてしまった出来事だった。が、ピンチになっても最終的には救われるような一年になりそうな気がした。
そんなお気楽なわたしである。