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【ブックレビュー】読むとすぐに実践したくなる!悩みとの上手な付き合い方『正しく悩む技術』(杉田隆史)


 振り返ると、高校生あたりから20代前半位までの間、しょっちゅう悩んでいた気がする。
他人が言うことにいちいち振り回されたり、勝手に傷ついたり、人と比べて自分はダメだと打ちひしがれたりしていた。また、新しいことを少しやってみてできないと、さっさと見切りをつけ、あきらめていた。

 今思えば、ただ思い悩むだけで、無駄な時間を過ごしていたように思う。
以前ほどは長引かないが、今でも悩みはつきない。

今日、ご紹介する本は、『正しく悩む技術』(実務教育出版)。
筆者は心理セラピストの杉田隆史さんだ。

私が本書との出会ったのは、図書館だった。タイトルを目にした時、「正しい悩み方」ってどんな悩み方なのかと興味がわいた。

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では、どのようなことが書かれているのだろうか。

まず先に、著者のプロフィールを見る。すると悩みとの付き合い方に悩んでいた人だったようだ。

高校の頃から漠然とした生きづらさに悩まされ、大学卒業後も仕事を転々とする」、「心の病気じゃないけどツライ」という状態を20年間続ける。

プロフィールより引用

 著者の20年の実体験がベースになっているので、読者に寄り添うような内容だった。「気にしなければいい」「プラス思考で!」などという強引さがなくて、安心した。
私が悩む時は、明るく考えるようにしているものの時に無理が出てくることもある。

早くも、巻頭の「はじめに」に心に残る文章を見つけた。
それがこちら。
 

 悩みに関しては何が大切なのかというと、「悩みをなくす」というよりは、「悩みがあってもそれとうまく付き合っていける」ということだと思います。

「はじめに」より

そっか、無理に悩みを消し去ろうとしなくていいのだ。上手に付き合えばいいんだ。でもどうやって?

この本には、悩みとの上手な付き合い方のヒントがちりばめられている。

親切なことに「クヨクヨ悩んでしまう時」、「ガンバれない時」、「自分に自信が持てない時」……様々な状況に応じて、悩み方の提案があげられている。

 例えば私が悩むときは、ちょっとしたことをクヨクヨ悩む傾向があるように思う。例えば「あの時、ああ言っておけば良かった」など。

そんな時は、この本にあった方法--自分の気持ちを受け入れ、「悩んでどうにかなること」と「悩んでも仕方ないこと」を書き出して仕分けることを実践したいと思った。

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 印象的だったのは、最後の言葉だ。

 「悩み」って実は可能性を示している。

「おわりに」より引用

 著者によると、人は自分ができないと思うことは悩まない。悩むということは、「自分はもっとできるはずだ」と自分を信じている証拠で、エネルギーを持っている状態だと言う。

 そのためにはまず、悩みを受け入れることが第一歩となる。漠然と悩むだけではなく受け入れた上で、どうすれば状況が良くなるかを考えて一歩踏み出すようにしたいと思った。

 悩みがつきない人、モヤモヤしている人には特におすすめの本である。

悩んでばかりの自分に、変化をもたらすかもしれない。

【本日のブックレビュー】

『正しく悩む技術』
著者 杉田隆史
実務教育出版
2011年初版発行




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