見出し画像

朝からまさかの展開に慄いた日…!

5月16日。火曜日。

朝方、なんとなく眠りの合間に一瞬目を覚ましたら、頭がガンガンする嫌な不快感があって、その痛みから逃れるべく急いで眠りの世界に戻ろうと目を閉じたのを覚えている。その後どれだけ寝る時間があったのかはわからないけれど、再びアラームが鳴った時間に目を覚ましたら、先ほど感じた頭痛はそのままで、最悪の寝起きだった。

それでも今日も子どもたちの朝ごはんを作って学校へ送り出すまでは動かなければいけない。自然と耐えられそうな頭痛ではなかったので、起床と同時に馴染みの頭痛薬を飲んだ。空腹時の薬の服用は良くないのはわかっているけれど、飲み慣れている薬だし、急を要するときは気にせず飲んでしまっている。早く頭痛が引くことを祈りつつ、とりあえず朝ご飯を作って出すところまではなんとか動いたのだけど、その時点でもまだ痛みは改善していなかったので、ソファに横になって目を閉じながら休憩する。

それでも、目を瞑りながら自分の頭痛や体全体に意識を向けていると、だんだんと動悸がするような、体が少し震えるような感覚もあって、どうもこれは結構やばい状態なのではないかと思えてくる。そして、この頭痛、動悸、体の震えという症状には以前同じ経験があったし、その原因にも心当たりがあった。

要は、いわゆる脱水症状ではないかと、ガンガン痛む頭で思いつく。真夏でもないのに脱水症状というのもちょっとびっくりだけど、よく考えてみれば、昨日は前日にお腹を壊したこともあり一切食事を摂らず、しかもよくよく思い返せば大して水分補給もしていなかったような、気がする…。その心当たりに、完全に自分のせいじゃん…!と頭痛を抱えながら自分にツッコむ。

そして、予想通り脱水症状が出ているならば、水を飲む程度では突然の回復は難しい。これは経口補水液とかアクエリアスとか、そういった類のものをとりあえず飲んだほうがいい。ガンガンする頭を抱えながら夫が寝ている部屋に行くと、夫もちょうど起きたところだった。在宅勤務の日の夫は起きる時間がゆっくりなのだ。

寝起きの夫に、「ごめん、ちょっと脱水症状っぽいから、コンビニで飲み物買ってきてくれる…?」と声をかけると、「え、大丈夫…!?」とびっくりして飛び起きる夫。それからすぐに財布を持ってコンビニへと走っていってくれた。子どもたちも心配して「ママ大丈夫…?」と声をかけてくれたのだけど、大丈夫だから学校の準備進めてねーとだけ声をかけて、私は夫が帰ってくるまでは夫が寝ていた布団にそのまま横になっていた。

我が家はすぐ近くにコンビニがあるので、多分五分もしないうちに夫は帰ってきた。私が大好きなソルティ・ライチを二本買ってきてくれた。正式な経口補水液ではないけど、私がアクエリアスなどの味が苦手で、夏場はその代わりによくソルティ・ライチを好んで飲んでいるのを知っている夫、ナイスチョイス。手渡してもらうなりペットボトルの半分ほどをゆっくり飲んだ。直近でお腹を壊していたことも踏まえて、冷たい飲み物を一度口の中で温めてから飲むようにする。そのまましばらく布団に横になって、登校する子どもたちのことは夫が玄関で見送ってくれた。

飲み物を飲んでしばらく横になったら、動悸と体が震えそうな感覚が和らいで、頭痛薬も効いたのか頭痛もおさまってきた。少しずつ楽になって、とりあえず山場は乗り越えたようでホッとする。いやでも、ここまで切迫するまで脱水してはいかんだろ、とまたしても自分にツッコむ。そして、真夏みたいに気温がそこまで高くなくても、人って脱水するんだなぁ…なんて、布団に横になりながらぼんやり思うのだった。

それからは、午前中はときどきソルティ・ライチを口にしつつ、軽く二度寝をしたり、ある程度目が覚めたあともしばらくは布団に横になってぼーっと過ごした。さらに回復してくると、まだ体を起こす気にはならないのだけど、ちょっと暇だなぁと思う気力くらいは出てきて、スマホをいじったり、読みかけの本を布団に持ってきて横になりながら読んだりした。

途中、ネットでたまたま見かけた読み切りのオンライン漫画をなんとなく読んだら、たったの20ページほどの漫画だったのに、最後のほっこりとするオチで感動してしまって、思わず涙まで出てしまった。自分の予想外の涙にびっくりしつつ、でもやっぱりその話はじんわりきて泣けたので、泣いた。そして泣きながら、体は脱水状態でも、人って涙は自然と出てくるんだなぁ…なんてことを、ぼんやり思ったりした。

ソルティ・ライチを一本飲み干しお昼頃になると、頭痛や動悸はすっかりおさまり、普通に起き上がれるようになった。もう気持ち悪い感覚もないし、そろそろ何か食べたほうがいいかもしれないと思えてきた。やっぱり水分だけでは補給しきれないものもあるだろうし。お腹を壊したあとの一日ぶりの食事なので、お腹に優しいものにしようと、温かいうどんを食べることにした。夫が作ろうかと声をかけてくれたけど、自分の好きな味や茹で具合があったので、自分で作った。冷凍庫にあった冷凍うどんをお湯で戻して、沸騰したお汁に溶き卵を投下してふわふわ卵に仕上げた。

シンプルなうどんだったけど、久々に口にするご飯は体に沁み入った。後になると子どもたちが帰宅して、その頃には私もだいぶ回復して元通りになっていた。それでも油断はすまいと、ゆっくり過ごした午後だった。まだ合間合間に二本目のソルティ・ライチをちょびちょび飲んだ。

夜ご飯もお腹のことを思って、少量のご飯にふりかけをかけて食べる程度にしておいた。その横で夫は自分用に豚丼を作っていて、調理している間に香ってくる生姜の匂いに、「美味しそう〜いいなぁ〜」となる。とはいえ、ここで調子に乗って脂っこい豚丼など食べたらまたお腹が傷つくかもしれないから、少なくとも今日までは粗食で我慢だ。

連日のお腹の不調と脱水症状とで、なんだか体はヘロヘロでげっそりしたけれど、と同時に、普段は正常に働いてくれている自分の体に、もっと感謝して、日頃から無理しないよう大切にしなければいけないなと、改めて思わされたりしたのでした。


🫧📖エッセイ本販売中📖🫧


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?