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母の日と、不穏なお腹と、推し活と。

5月14日。日曜日。

朝起きて寝室からリビングに向かうと、一足先に起きていた子どもたちが「ママいつもありがとうー!」と声をあげて、横断幕を掲げて出迎えてくれた。そうか、今日は母の日か、とまだ寝起きでぼんやりした頭で思う。画用紙三枚をテープで繋げて作ってくれた横断幕。横断幕にも「ママいつもありがとう!」という文字と、ところどころにイラストが書いてある。

そういえば前日の夜、お風呂に入ったあとの寝る前の時間帯に、子どもたちが一足先に寝室に入って何やら二人でこそこそ騒いでいたなと思い出す。そのときに用意してくれたらしい。とにかく、そうやって母の日に何かしようと思ってくれたこと、とてもありがたいことだ。しかし一方で、私自身はだいぶドライな性質なため、正直こういうプレゼントやサプライズのようなものをもらったときに、いいリアクションをするのが非常に苦手だ。自分のテンションを上げて反応をするのが難しいというか。しかもこの日は寝起きだった。私は本来朝は低血圧でものすごくテンションが低い。

でもせっかく子どもたちが用意してくれたのだから、ドライで寝起きな私の最大限で「わー!ありがとうー!二人で作ってくれたのー!うれしいー!」と反応する。子どもたちは私の反応に満足してくれたようで、ニヤニヤして、横断幕のこの部分は自分が書いた、どこどこを工夫した、と説明をしてくれる。せっかくなので二人で横断幕を持っている写真を撮っておいた。

母の日イベントが終わったあとは、いつも通りの朝に戻り、子どもたちの朝ご飯を準備する。朝ご飯を作りながら、それにしても子どもというものは、本当に純粋に母親という存在に「好き」という気持ちを注いでくれて、すごいよなぁ、なんてまるで他人事のように感心してしまった。私は自分をいい母親なんてまったく思わないし、自分のしてきた子育てにも全然自信はないのだけど、それでもこうして母の日というイベントにこんな未熟な母親にも何かしてあげようと思ってくれる気持ちに、むしろ感謝の気持ちが湧いてくる。

今日は朝からいいお天気だったのだけど、翌日月曜日が次男の遠足の日だったので、前日にあまり疲れさせるのはよくないだろうと、特に外出予定はなかった。午前中に夫が買い物がてら長男を連れ出してくれて、私は次男とおうちでゆっくりした。子どもたちにはお昼にミートスパゲッティを、大人は前日に私が作ったネギだれやら、夫が今朝作ってくれたピーマンの漬物やら、納豆やらを炊き立てのご飯に乗せて食べた。シンプルだけど健康的でいろんな味があって、こういうご飯、好き。

午後は家族それぞれまったり過ごしていたのだけど、私の中では何気にワクワクしている行事があった。今日は私の推しのK-POPグループが来日していて、日本で開催される大きなK-POPイベントに出演するのだ。イベント現地に行くのはちょっとスケジュールがハードそうでやめたのだけど(そもそもチケットが争奪戦で多分とれなかっただろう)、終日オンラインでのイベント配信があるので、それを視聴するのを楽しみにしていた。オンラインでの視聴も有料なので、最初はオンラインチケットを買うか少し迷ったのだけど、今回は私の推しがイベントのMCまでやるというので、これはちゃんと見たいぞ、と購入することにした。

14時頃にミーグリイベント(ファン対面イベント)、17時頃にレッドカーペット、19時頃から本番のショー開催ということで、午後以降は家のことをやる合間に、推しのグループの出番になったところでその都度スマホに向かいながら、オンライン配信を視聴した。19時からのメインのショーはゆっくり見たかったので、それまでに夕飯の支度などは済ませて、時間に合わせてスタンバイ。メインのショーは大きい画面で見たかったので、パソコンを立ち上げて待機した。

複数のK-POPアーティストが合同参加しているイベント、いざショーがスタートしたら、なんと推しグループがトップバッターとしてかっこよく登場してきて嬉しい興奮。その後推しによる開会のMCも見守り、しばらく推しの出番はなさそうだったので、そのうちに自分の夕飯を食べてしまうことにした。今日の大人の夕飯は夫がカレーを作ってくれていたので、ありがたくそれをいただく。夫の作るカレーが大好きな私、推しのトップバッターの活躍にテンション上がりながらもりもりカレーを食べて、味の濃いカレーを食べたらなんだかアイスコーヒーが飲みたくなり、調子に乗って二杯もアイスコーヒーを飲んでしまう。この二杯のアイスコーヒーが、後に悲劇を巻き起こすとも知らずに…!

無事カレーを食べ終えてパソコンの前に戻ると、様々なアーティストが出演する合間にちょくちょく挟まれる推しのMCを見守りながら、次の推したちの出番を待った。トップバッターで一曲やったということは、次に出てくるとしたら大トリなのかな、なんて思いながら、他のアーティストもチラチラ見つつ、他のこともしながらのんびり待機していた。

すると、その待機の合間に、少しずつお腹に不穏な痛みを感じるようになってきた…気がした。これは気のせいなのか、どうなのか…。なんとなくお腹の感覚が気になりつつショーを見続けていたら、だんだんとお腹の不快感が増してくる。カレーを食べ過ぎたのか…いや、もともとお腹が弱い私なのに、カレーのあとに調子に乗って冷たいコーヒーを飲んでしまったことのほうが、よくなかった気がする…。

しかし後悔してももう遅い。だんだんとお腹の痛みが増してきて、不穏なお腹を抱えながらパソコンに向かっている私。ふと冷静になって自分のいまの状況を振り返ると、どういう状況なんだこれは、と自分にツッコみたくなる。不穏な痛みに耐えながら推しの出番を待つ私。

結局推しグループは予想通りの大トリで、再びステージに登場したのはショースタートから一時間半後だった。不穏なお腹のまま推したちのかっこいい歌とダンスを、心では楽しみながら、身体では痛みに耐えながら見る私。よりによってなぜ今。でもせっかくお金を払ったのだから、ここは見逃したくない、と食らいつく(一応アーカイブ視聴もできるのだけど、せっかくならリアルタイムで見たい!)。

結局なんとか推したちの活躍する姿を最後まで見ることができ、オンライン配信視聴は無事(?)終了した。なんとか最後まで見れてよかった…。なぜこんな体を酷使した状態で推し活をする羽目になってしまったのかと改めて自分で自分にツッコむ。いや明らかに私が調子に乗って冷たい飲み物を飲みまくったのがいけなかったのだけど。

その後結局お腹の痛みはいまいち消えないまま夜を過ごし、この日は早めに寝ることにした。推しのかっこいいステージと活躍が見れた充実感も確かにあるのだけど、と同時に、なんだか感情も体調もいろんな方向に揺らいで忙しく(全部自分のせい…!)、若干お疲れ気味な一日の終わりだった。まあ、こんな日もあるよ、ね、うん…!

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