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やさしい人ってどんな人?

優しい人ってどんな人?
あらためて聞かれると、はっきりとは答えられない。
優しいってどういうことなんだろうか。

わたしが思う、優しいひと。
それは、幼稚園から中学校までを過ごした友達のことだ。
彼女とは、幼稚園のお遊戯会から、中学校の部活で汗を流すまでを共にした仲でした。
子供時代の楽しかった思い出に、いつも登場する彼女。

そう書くと、悩みとか、恋バナとか、そういうことを共有して、青春!という日々を想像するかもしれないけれど、そうではなかった。
普通にすごして、普通に話して、普通に遊ぶ。

ただのそれだけ。ただの友達だった。

たぶん恋バナで盛り上がる友達とは、テンションが違っていて、彼女はいつも大人だった。いや、大人びて見えた。
自分の好きな世界を持っていて、周りに流されない姿がかっこよかった。
私が、新しく出会う人や、ものにとびついて、さんざん盛り上がって、冷めたあと。
かえってくるのは、いつも彼女のところでした。

そして、何事もなかったかのように接してくれるのでした。
そのことが、とてもありがたいことだったんだなと気づいたのは、大人になってからでした。

彼女のやさしさは、とても小さなものでした。
特別になにかをしてくれたりだとか、プレゼントをしあうだとか、そういうことではなかった。
そこに、いつも居てくれること。

わたしが元気でも、落ち込んでいても、変わらずに一緒にいてくれたこと。

私は、中学生の時に、情緒不安定気味になっていた時期がありました。
部活も勉強も身が入らなくて、なんとなく楽しくない。悲しくなる。
そんな時でも、友達とは楽しくやっていました。
やれているつもりでした。

そんな私に、
彼女は小さく折りたたんだ紙をくれました。
「おまもりだよ。しんどくなったら、開けてみてね。」
その紙を、わたしは手帳にいれてお守りにしました。
その小さな紙に、どれだけ救われたかわかりません。

誰かが見ていてくれるということ。
誰かが気にかけてくれるということ。
それを、感じられるということ。

それだけで、がんばれる気持ちがわいてきたのを覚えています。
落ち込んでいる時に、話を聞いてくれたり、励ましてくれたりすることも、とてもやさしいこと。
欲しかったものを買ってくれたり、行きたかった場所に連れて行ってくれるのも、とてもやさしいこと。

でも、なにも言わなくても、なにも出来なくても、ただ心に寄り添うこと。それが、やさしさの根源にあることなんじゃないかと思う。
辛い気持ちをくんでくれて、聞いたり、はげますんじゃなくて、その気持ちを肯定してくれて、ちょっぴり背中を押してくれるアイテムをわたす。
そんなことを中学生で、さらっとした彼女。

ほんとうに素敵だなって思う。
ほんとうにやさしい人だなって思う。

私自身は、そんなやさしい人にはほど遠い気がしているけれど、子供たちがハグで落ち着く理由は、きっとこれだなって感じています。
ぎゅっと包む。包まれる。
言葉はなくても、安心する。守られている。落ち着く。


子育てをする中で「やさしいお母さん」にとても憧れていた時期があります。
いつもにこにこして、子供の気持ちに寄り添ってあげる、包み込むような優しいオーラをまとったひと。

でも、私はそういう人間ではない。
気の利いたアドバイスも出来ないし、サプライズも出来ない。
でも、だからってやさしくない訳じゃない。

わんわん泣いてる横に座って、ただただ背中をさするだけでいい。
それを彼女に教えてもらった気がする。

#やさしさにふれて

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