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「子どもが嫌い」を受け入れて、気持ちが軽くなった話



学生時代から、赤ちゃんや小さい子どもを見ると「可愛い〜!」とかけ寄る友達を、不思議に思っていた。


確かに赤ちゃんは可愛い。
それはわかる。
でも、私は知り合いでもない、通りすがりの赤ちゃんや子供に可愛いと言うタイプではありませんでした。
それは、多分、少しの恥ずかしさと、どう接すればいいかわからないものへの戸惑いだと思っていました。


私は2人子供がいます。
9歳の長男と、5歳の次男です。
当時、自分が妊娠した時も、お腹へ話しかけたりする事が出来なかった。
お腹の赤ちゃんに名前をつけて、声をかけるということが出来なかった。

母性というものが、わからないままでした。


出産後、息子はすくすくと育ってくれた。
出産前のような、可愛がれるか不安という思いはなくなっていました。
見ているだけで愛おしいとか、何枚も何枚も写真を撮ってしまう人の気持ちがようやく理解できました。
ただ、その愛おしいという気持ちよりも、しっかり育てなければ、危ないことから守らねば、という気持ちのほうが強かったように思います。


 今思うと、余裕がありませんでした。



赤ちゃんとの時間を過ごすには、ゆったりとした心の余裕が必要なんだと思う。
やるべきことは、あげだしたらきりがないし、心配なことは無限にある。
でも、生真面目だった私は、そのどれもに正面から向き合って、衝突していたのだと思う。


でも、次男が生まれたときに、私は限界を超えたと感じました。
息子のことが「嫌いだ。」と思うようになってしまったのです。
よく言われる、二人目が生まれると、上の子が可愛いと思えなくなる状態になったのでした。


嫌いだと思いつつ、この感情はヤバいやつだ。
なんとかしなければと、思っている自分がいました。
検索の履歴は「子供が嫌い」「子供 愛せない」「子供の愛し方」というワードがいつも並ぶようになりました。
検索しても、子供のなだめ方はかいてあれど、ほとんどは時と共に収まるということばかりだった。



こんな気持ちになるなんて、自分は母親失格だ。
そう思い、誰にも相談できなかった。
親にも夫にも、知られるのが怖かった。
私が母親で息子が可哀そうだとさえ思っていました。



唯一の救いは、嫌いという思いが、攻撃には向かなかったことです。
嫌いだから、叩いたり、ひどい言葉を浴びせたり、そういう行動には出ませんでした。
ただ、心の中から愛情が湧いてこないのでした。




おそらく、表面上は普通の親子に見えていたと思います。
でも私は、ずっと自分の気持ちがおかしいと悩んでいました。
こんな気持ち消さなくては、無くさなくては、子供を愛さなければと必死でした。


でも、一向に良い兆しが見えず、私はふいに知り合った方に相談しました。
「子供が嫌いって思っても、いいのかな?」
その方は、即答してくれました。
「いいんだよ。子供が嫌いでもいいの。それが本当の気持ちでしょ?」
私は、涙がでました。



そう、ずっと誰かに、そう言って欲しかった。
そんなこと、思っていいんだよって。
自分の気持ちが、真実。
そう思いながらも、子供が嫌いだなんて、道徳的に、一般的に、世間的に、誰がどう見たって、よくないこと。
子どもを愛せない親なんて、親失格。
そう思っても、言い聞かせても、わかっていても、愛がでてこない。


でも「子供が嫌いだ。」そう認めたら、心が軽くなりました。


そして、私をずっと苦しめていたのは、息子じゃない。
私なんだって気づいたのでした。
親になったのだから我慢しろ。
子どもの為にちゃんとしろ。
もう自分だけの人生じゃあない。
家族を思って生きろ、尽くせ。
そんな風に、私を追い込んでいたのは、子ども達でも、周りの人達でもなく、私自身だったのでした。



嫌い、という言葉を使って、自分自身の無理を教えてくれていたのに。
私はその気持ちをないものにしようとした。
そんなわけない。みんなちゃんとやっている。
無理なわけない。
出来るにきまってるし、出来なきゃいけない。



息子が手がかかるから、嫌いなんじゃない。
息子が良い子じゃないから、嫌いなんじゃない。
私に余裕がないから、可愛いと思えないだけなんだって気づけました。


それからは、こだわっていたことを辞めました。


ご飯にこだわること。
一緒に遊ぶこと。
自分の時間を削ること。
子供の為に、と思って我慢してすること。


私は、私のための時間をたくさん持つようにしました。
無理して子供と遊ぶことを辞めたら、自分から子供と遊びたい気持ちになることがありました。
そして、その時に、やっと、心からの楽しい気持ちが出てきました。
息子を可愛いとおもえる気持ちも。


子どもに「好き。」って言われたら
「ママも好きだよ。」って答えられるようになりました。
心から。


今までは、良い親は、子供と遊んであげるもの。
良い親は、子供にご飯を作ってあげるもの。
良い親は、子供の為に我慢するもの。
そう思っていました。


でも、自分をないがしろにすると、子供のことを可愛いと思えない。
自分を大切にしていれば、子供のことを大切に出来る。
まずは、自分を満たしていないと、他人に愛を与えることは出来ないと知りました。


今は、無理をしなくなって、疲れたらすぐに寝ます。
忘れん坊だし、時間も予定もゆるゆるで、ゲームも子供といっぱいします。
旦那さんにも、子供たちにも頼ってしまう。
「ママは仕方ないなー。」と言われる私です。


でも、それで全然よかった。
ご飯がうまく作れなくても、失敗しても、お昼寝してても、許される。

だから、相手も許せる。



こんなnoteを書いたのは、5年前の私が、その時に読みたかった言葉を、言ってもらいたかった言葉を書きました。


もし、今どこかで「子供を愛せない。」と、そう思っている方がいたのなら。
すこしだけ、心が軽くなってくれたらなと思います。

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子どもに教えられたこと

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