マカロニえんぴつ「八月の陽炎」

本当に、できるだけ多くの人に聴かれて欲しい楽曲だなと思った。

最近のマカロニえんぴつの快進撃はすごいと思っていたけれど、いろんなタイアップを引っ下げてぶつ切りで配信リリースされる曲たちを聴いて「これはとんでもない曲だ・・・」と思うものは正直あまりなかった。もともとアルバムでまとめて聴く方が好きだから、EPじゃなくて10数曲のアルバム出してくれたらいいな〜と思っていた。

ところがどっこい、ついにCMソングでとんでもなく私のツボを押さえる曲が出てきたんですよ・・・何様って感じだよね・・・すみません・・・

リリースされて丸一日、この曲ばっかり聴きまくって感じた、この曲の好きなところをバーッと書いていく。


・青春の描き方

マカロニえんぴつの曲のテーマとして青春は定番になってきているけど、その描き方には、「普遍的な明るい青春」と「独白としての薄暗い青春」の2種類があると思っている。私個人としては、今回の八月の陽炎、ヤングアダルトのような、独白に近い青春を描いた楽曲に弱いところがある。

だって、青春って基本的に1人じゃないですか?
これは今までの人生に依存する考え方ではあると思うけど。私の学生時代は、みんなでわちゃわちゃ楽しく騒いだ経験よりも、自分1人で悩んで苦しんでやっと何かの成果を出せたり自分に折り合いをつけた経験こそが青春だった。

これは個人的な予想だけれど、多分、はっとりさんが経験した青春もこちらだったのではないかと思う。描き方のリアルさが全然違う。青春と一瞬とか、はしりがきとか、普遍的な明るい青春をかいた曲も好きなんだけど、あ、これは多分実体験というよりも、はっとりさんが経験しなかった「想像上の青春」に近いんだろうな、と感じることがある。そう思うと逆に切ない。あとはまあ、タイアップ先の御意向もあるでしょう。
だからこそ、今回のタイアップ先の大正製薬さんと間を取り持っている広告代理店さんには拍手をお送りしたい。マカロニえんぴつの魅力を引き出してくれてありがとうございます。


・歌い方

はっとりさんの、メロディーに対してちょっと遅らせて歌うところ大好きなんですよね・・・声の伸びがいいから、こういう余韻のある歌い方がすごく似合うと思っている。
特に「少しの居場所を分け合った」のところのリズム感がすごく心地よい。

・歌詞

どういう経験をしてきたら1Bみたいな歌詞書けるんだろうな。

正しさを教えてくれたのは
間違えて出会ったあなただった
いつもそうだった
分かっていないふりで 実は知ってたんだ
少しの居場所を譲ってくれてありがとう


・楽曲構成

「マカロニえんぴつの3分台の曲は最高説」を支持する根拠がまた増えた。
A、B、サビ、C、サビの構成かな?
すごくスッキリしているから、切なさが際立つ。
間奏のギターソロがめちゃくちゃロックだ・・・よっちゃん好きだ・・・


・MV

ドンピシャですね。私にとってのマカロニえんぴつのバンド像を映像で表現してくれて本当にありがたい。マカロニえんぴつは音楽にしがみついて泥臭く吠えているバンドだし、青空よりも暗い曇り空、水よりも火の方が似合う。天気は操作できないことなので偶然かもしれないけれど・・・
一発撮りっぽいのもマカロニえんぴつらしいと思う。

今回のMV監督天才だなって思って調べてみたら、大関泰幸さんというらしい。バクマンとかグールの映画編集やってた方なんですね。最近はGRAPEVINEの特番を制作していたりとか。MVだと椎名林檎さんとかホルモンも撮ってたことがあるみたい。(wikipedia調べ)
ぜひ次回作もよろしくお願いします!


こんな感じかな・・・本当にいい曲だな・・・
ROCK IN JAPANのレイクステージで、夕暮れに差し掛かったくらいの時間に歌ってほしい。八月だし。サンセットだし。茹だるような暑さの中でね。
書いてたら本当に夏フェス行きたくなってきた。ロッキンどうなるのかしらね〜

おわり

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