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ニュージーランド横断2週間1人旅🇳🇿|クイーンズタウン

April 24, 2024
小さい頃からの夢。それは
「パリで美味しいチーズとパンを片手に美しい街並みを歩く生活がしたい」

そんなキラキラとした子供のような夢叶わないと妄想ばかりしていた。

だがせめてヨーロッパ1人旅周遊は叶えたい‥

英語力は0コミュ力もない。それでも海外に対する憧れと情熱が勝っておよそ6年前TOEIC290から大の苦手な英語をコツコツ勉強し始めた。

そんな時現地で生の英語に触れる目的でオーストラリアのワーキングホリデーに一歩踏み込んだ。1年間のワーホリを無事に終え、日本に帰るその帰路。初めてのNZ長期1人旅挑戦の記録である。

オーストラリアからクイーンズタウンの空港に着くと安心したのか肩を撫で下ろした。飛行機はこの一年で乗り慣れたはずだが、初めての土地に1人で訪れる緊張感は相変わらず慣れないものだ。胸をドキドキと高鳴らせて無事に着陸することを願うことがいつのまにか習慣になっていた。
「はぁ、無事に着いた」

安心し切った私は入国カウンターに向かうための長蛇の列に並んだ。暫く進むと税関申告がありドキッとした。

なぜなら食費節約で食料をオーストラリアからいくらか持ち込んでいたのを思い出したからだ。税関職員のピリピリとした空気感が自分の心に不安を煽るように冷や汗を感じた。それでも食料品はしっかりチェックしてカードに申告してるはず‥

職員の質問に対し全て答えた後、X線にかけるのに鉛のような荷物を乗せるのは一苦労だった。

しかし悲劇が起きた。

なんとバッグの底に入るガーリックのカケラを見落としてしまったのだった。英語は苦手だがその雰囲気から深刻だとすぐに察しがつく状況だった。職員が怪訝な顔をしながらこちらをギラリと見つめ淡々と説明をし始めた。

そして私は罰金$400(4万)を支払う事になった。

私の心は1人という寂しさで不安に覆い込まれ真っ暗な曇り空に染まった。税関職員は手続きが全て済むと親切に「オーストラリアではもっと厳しいから本当に気をつけなさいね」と教えてくれた。

オーストラリアでの検疫は低リスクなもので$626(6万)、高いもので$3756(37万)と想像を絶する程徹底してるようだ。

自分の失敗といえばそれまでだが私はこれまでにない絶望感、孤独に不安を抱え空港を後にした。

「罰金」「絶望」

この2文字が頭を埋め尽くし
観光どころではない‥正直長期の1人旅をした後悔さえも覚えた。こんな時誰か隣にいてくれれば少しでも心が救われたのに‥

NZの大自然に囲まれとても壮大で美しい景色が目の前に現れるがその風景が美しいと全く感じなくなっている。自分の心が景色までも反映させてしまうなんてやるせなかった。

もう間違えは犯したくない。
忘れ物は何もないことを確認するようにふと財布の中を見るとパスポートがない事に気づいた。

!!

2度目の悲劇に頭は大パニック。すぐに慌てて走ったがどこを走っているのかわからなかった。そんな自分に気づいて落ち着いて深呼吸した後ゆっくりと歩いた。

すぐさま20分離れた距離にあるステイ先のゲストハウスに駆け込んだ。「近くに警察署があるからそこに問い合わせてごらん。でもあいにく17:00で終わりみたいだ。」

警察署は7分前に締まったみたいだった。
私は1人不安な一夜を過ごした。

次の日警察署にすぐに駆け込み話をすると警察官が事情をゆっくりと受け止め裏室に入って行った。

数分後

赤いパスポートを持ってこちらに歩いてくる。
「次から気をつけるのよ」

私は空港で「罰金」に囚われすぎてパスポートを見落としてしまったのである。全て自分の責任で沢山の人にも迷惑をかけ初っ端からのポンコツっぷりに涙が出そうになる。

8カ国の国を旅したが初めての二大悲劇に直面しさすがに絶望した。

しかしせっかく念願のNZ1人旅。重く暗くなった心を無理やり落ち着かせ、気を取り直して心を改める。

Skyline Queenstown

クイーンズタウンの街を一望できる
スカイライン

見渡せばそこはNZの絶景。ミルキーブルーの湖となだらかで険しい山の対比に美しい街並みが調和する景色を一望できる展望台「スカイライン」。標高790mの展望台を10分間空中散歩する。

NZに来たら必ず訪れたい場所だ。展望台では美しい景色に加えビュッフェスタイルの食事が楽しめる展望レストランにカフェが併設される。

リュージュなどのアトラクションもあり子供も大人も楽しむことができる。

Queens Town Bay Beach & Gardens

南北約80kmニュージーランドで3番目の大きさを誇る湖。太陽の元でキラキラと光り輝く湖がとても美しい。氷河から水が流れ込み水温が12℃前後と冷たく、標高310mの場所にあり周囲が山々で囲まれている。

またワカティブ湖に突き出した半島一帯を占める緑の公園がクイーンズタウンガーデンだ。園内には四季折々の花々が咲き誇り、美しい彩りとニュージーランドの穏やかな情景を合わせて楽しむことができる。

時にはランニングや、犬の散歩をする人もおり穏やかでゆっくりとした時間が園内を包み込む。

世界にはこんなに平和な場所があるのかとふと我に帰り先程のパスポート・罰金事件を忘れそうになる。

そしてせかせかと人や建物に囲まれた生活をし続けていると何か大切なものをなくした気がしてしまう。そんな時「自然との調和」を温かな気持ちと共に思い出させてくれるそんな美しい場所でもある。

海と優雅なおじさん

Milford Sound


約15000年前このあたりは氷河に覆われており氷河の侵食によって深いU字型の谷が形成された。温暖期に入ると氷が溶け始め氷河は後退。そこに海水が流れ込み、入江が形成された。

クイーンズタウンからミルフォードサウンドに行くまでにはツアーかレンタカーが一般的。私は今回NZの島を南から北へ横断するためにintercityというNZの長距離バスを利用した。intercityではミルフォードサウンドのツアーが利用できるので私は今回これを選択した。

片道5時間じっくりかけ所々絶景ポイントに止まりながらツアーガイドが流暢に解説する。

人と山の比率がえげつない
車窓からの眺め

美しい田舎景色に囲まれる目的地までの長旅は嫌いじゃない。むしろそれこそが「旅」という感覚になる。

そしてミルフォードサウンドに到着した。

今回ニュージーランドの長旅序盤だが一人旅の良さは自分の深い感覚を味わい噛み締められるところだ。また意外にも1人旅をしている男性はもちろん20代日本人女性が多かったことも印象深かった。1人だからこそより身軽に対話を通じ様々な人生感に触れられる。「旅」は自分を深める事ができる。

その反面今回のようなトラブルが起きた時全て自分で対処しなければいけないため自己解決能力やリスクマネジメントが必要。海外は危険も伴うため下調べや準備は重要だ。

いい事もあれば悪い事もある、全て自己責任だ。

常に反省の多い旅だがそれを胸に、今回も心が豊かに感じた素敵な人生の1ページとなった。

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