スクリーンショット_2020-02-16_20

【イベントレポート】Sports Analyst Meetup #6

Sports Analyst Meetup #6」に参加。
スポーツ×データ分析。
業務としても学びを深めたい「データ分析」と
趣味である「スポーツ」の掛け合わせ。
とても学び深く、何より楽しかったです!

イベントレポートです!

イベントの目的

スポーツアナリストおよびスポーツデータ分析に興味のある方に向けたイベント。
スポーツのジャンルを問わずスポーツアナリスト(を目指す人)にとって有益な情報共有の場になることを目的。

僕は初参加でしたが、参加して良かった!
スポーツ好きな人、データが好きな人、さまざまな視点からスポーツを楽しみたい人におすすめなイベントです。

ロングトーク①:オリンピック・パラリンピックに向けて国が行うサポート事業とは?/spoanaLT登壇のすゝめ

登壇者:廣澤 聖士(@hironowa_ru)さん
独立行政法人日本スポーツ振興センター / 慶應義塾大学大学院理工学研究科 研究生

国立スポーツ科学センター(JISS)、ナショナルトレーニングセンターでスポーツ映像分析。
オリンピックでのメダル獲得に向けて、映像分析を用いて選手をサポート。

・オリンピックでのメダル獲得が目的
・メダルが取れそうな競技が優先
・競技をランクで仕分け

空手の分析。男女とともにSランク。
・ケア、栄養、映像の3分野でサポート
・映像チームは3名、1人は空手経験者
・全試合撮影、次試合対戦予定の選手分析を行う
・試合後に、映像をもとに審判に抗議がすることもある
・シチュエーション別に、勝率をデータ分析
日本人選手の弱点を明らかに
→ポイントは「先取点」と「上段蹴り」

ショートトラックの分析。男子のみランクC。
・サポートは映像分野のみ、スタッフ1名
・「とりあえず、映像撮って」
→どこまで使われているかは活用されているか不明
・ペナルティが重要、映像をもとにペナルティの種類を分析

まとめ
・メダル獲得に向けて、優先すべき競技が決まっている
・データ取得は人力。データ活用が上手く行っている競技もマンパワー
・データを活用する人、ディレクションができる人が足りていない
・データの活用を提案できないわけではないが、コーチの意向が優先される

所感
・スポーツ界も「とりあえずデータをとっておいて」の雰囲気がまだまだ強い
・泥臭いデータ集計が多い
・データ分析でできることはもっと多い!


ロングトーク②:イマドキなスポーツアナリティクスのためのプログラミング入門 - セイバーメトリクス風味

登壇者:中川伸一(@shinyorke)さん
株式会社JX通信社シニア・エンジニア
「技術」と「野球」を中心としたブログ:Lean Baseball

野球のデータ分析は「Python」が必要なのか?

野生の野球のデータサイエンティスト
・FACTベースで野球を楽しむ
・野球に限らず、主観にとらわれがち
・常識や主観的な意見にモヤモヤ
→真面目にコミカルに分析し、スポーツを客観的に
・類似性スコア、成績が似ている人を分析
→本人を1000点とし、成績及び守備から評価

「寝食忘れる程度にプログラミンと数字を」

・ドメイン知識(と愛情)に偏るな
・好きなスポーツは「ファン的な思考・行動」になりがち
・ビジネスマンとして、何ができるのか?
・スポーツアナリティクスはレベル感によって使い分ける

一番イケているのは、「プログラミング」をしなくて解けること

3つの思考
・常識に縛られない
・客観的な事実を重視する
・定量的に考える(量・率)

2つのスタンス
・常にISSUEから考える
・再現性を担保する

所感
・本格派なデータサイエンティスト 、スポーツアナリスト
・データ分析の目的を明確に
・目的に合わせた手法を
・プログラミングは手法の一つ
・解決したいことは何か?分析結果から何をするのか?が重要

LT:8本

LT1:野球 ストライクゾーンから見る「差別」の現状
発表者:TJさん
経済学視点で分析。
・野球における差別の存在
→ストライクゾーンに差別はあるのか?
・選手と審判の出身地によるストライクゾーンの差について
・・線形確率モデルを利用
・・結論:出身地によるバイアスがある、0.4%
・・ただし、カウントによる差は3.0%、イニングによる差は1.2%

LT2: プロ野球の打撃における損失回避
発表者:家舗 弘志 さん
経済学、行動経済学、損失回避を意識した分析。
・テーマは「打率が0.30前後で打者の行動に変化があるのか」
・打者の行動(スイング)にリスク回避が表れる
・・Control(打率0.30に関係ない場面):43%の確率でスイングする
・・Down(打率0.30を割る可能性がある場面):39.6%の確率でスイングする
・・UP(打率0.30を上回れる可能性がある場面):45.6%の確率でスイングする
・・打率0.30前後でスイングの確率に6%の差がある
→打率0.30に心理的な壁が存在する!

→リードに反映できるのでは?

LT3: 野球 「流れ」の正体を考える
発表者:なういず さん
https://speakerdeck.com/nowism/liu-re-falsezheng-ti-wokao-eru
・Effectance Motivationの可能性、認知科学
・「流れ」は存在するのか?
・・経済学、スポーツ心理学で研究されている
・流れを感じてしまう「人の心」が面白い
「流れを意識するのはなぜか?」
想定外なイベントを「流れ」と判断しているのではないか?
・日刊スポーツ記事で、「流れ」を含む271記事を分析。
・・打者は打てないのが前提。
・・投手は抑えるのが前提。
・説明不能な現象は心理的な負荷になる
→”流れ”で説明して楽になる。

LT4: フィットネス 次世代フィットネスアプリケーション
発表者:Shun Ishii さん
https://www.slideshare.net/ssuser8c4b56/ss-228226502
・ランニングなどのトラッキング。
・ウォーキング、ランニング、ジャンプ、腹筋、腕立ての5つの動きを分類
・加速度で判断
・一回の動作で加速度テンプレートを出す
・機械学習ではなく、相関で分析できる
→少ないデータでできる
・他の運動にも応用できる

LT5:Bリーグではじめるデータ分析
発表者:itoshoさん
https://speakerdeck.com/itosho525/home-advantage-in-b-dot-league 
・ソフトウェアエンジニア
・テーマは「Bリーグでのホームアドバンテージについて」
・ホーム、アウェイ別の勝率、年度別で分析
・ホーム勝利数>アウェイ勝率のチーム数を算出
→年々、ホーム勝率が上がっている
・Jリーグはホーム勝率が0.547
・野球はホーム勝率が0.541、ヤクルト以外はホーム勝率の方が高い

LT6:  テニスの分析
発表者:はんぺんさん
https://speakerdeck.com/hampen2929/tennis-form-visualization
・スイングを検出し、分類
・モチベーション:きれいなフォームを身につけたい
・自分のフォームを可視化し、映像分析
・手法:SMPLify-X、単一の単眼画像で分析、3次元の姿勢推定
・3次元の人体モデル
https://twitter.com/hampen2929/status/1228965561205288961?s=20


LT7: 試合展開から結果を予測してみる
発表者:Yhiss さん
・事業会社で分析
・各ラリーごとの点数を説明変数としてランダムフォレストで予測モデルを作成
・説明変数:各ラリー時点での点数
・目的変数:最終的にどっちが勝ったのか?
・精度が高くできた

LT8:サッカーにおけるトレーニング強度測定と設定
発表者:shingo_toku さん
・スポーツデータの可視化、分析
・U18世代のサッカーがメイン
・センサデバイスの活用、心拍など
・高強度(21km/h以上)で走った距離で、試合の質の高い動きができているのか?を分析
・高強度の基準はスポーツによって異なる、ラグビーは18km/h
・トレーニング設定に活かす
・全体練習では、トレーニング強度に個人差が出る
→ある人は有酸素運動、ある人は無酸素運動
→人にあったトレーニングが必要
・DeepLarningで予測

さいごに

どの発表者もレベルが高く、面白かった。
それは、発表者のみなさんが好きなことを分析し、発表しているからだと思う。
そして、発表が上手い。発表の流れ、着眼点、話し方など、とても勉強になった。

自分の好きなスポーツ分野の話なので、どれも面白かった。
分析するなら好きな分野が一番だと思った。

僕の業務範囲、興味範囲は「コミュニティ×データ分析」。
なので、「ファンクラブ人数とチーム成績」「観客動員数とチーム成績」など、ファンやサポーターに目を向けて分析したい。

次回は、発表したい!

主催のみなさま、発表者のみなさま、参加者のみなさま、ありがとうございました!


#spoana」のツイートもたくさんあり、復習になります。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?