見出し画像

転職したきっかけ②-1訪問看護が廃業しちゃったよのお話

訪問から老健へ転職したきっかけのお話です。

私の経歴

▶急性期病院(1~5年目)
▶訪問リハビリ(6年目)
▶老健(7年目~)

急性期病院:
整形・中枢・神内・呼吸器・循環器・内科・外科・廃用・切断・癌を担当
学会発表や新人教育を経験。
学生指導はコロナの影響で中止となり、1度も経験がありません。

訪問リハ(訪問看護ステーション勤務)
癌末・神経難病を担当

老健:
整形・中枢・呼吸器・廃用を担当

転職したきっかけ②訪問リハ⇒老健

転職したきっかけ①急性期病院から訪問リハへ転職したお話はコチラから。

訪問リハから老健へ、2度目の転職をしたときのお話です。
(私は訪問リハといいつつも、訪問看護に所属していました。)


訪問看護の廃業

私が訪問から老健へ転職した1番の理由は、
『訪問看護の廃業により転職せざるを得なかった』ため。

よく多くの人から「えっ!倒産!?そんなことあるの!?」と驚かれます。
私も驚きました。

ただ調べてみると、意外と休業・廃業に追い込まれている事業所って多いんですね。

2020年度中の訪問看護ステーションの新規開業数は1,633件、廃止数は541件、休止数は240件

出典 一般社団法人全国訪問看護事業協会 令和3年度訪問看護ステーション数調査結果

2021年4月1日付で届け出が出されている訪問看護ステーション数は13,459件だそうです。
このことから訪問看護ステーションの廃業率は約5.8%、全業種の廃業率(約3.4%)と比べても高い数値となっています。(参考

でもまさか自分が働いているところが廃業になるなんてねえ…
考えもしなかったです(^^;)

廃業の経験を得て感じたこと・気づいたこと

訪問看護が廃業した理由としては簡単に言うと経営不振でした。

訪問看護の廃業を経験して
・廃業/倒産のリスクをもつ
・経営面を気にする
ようになったなと思います。

廃業/倒産のリスクをもつようになった


廃業するって知るまで、1度も"廃業"の文字が浮かんだことはありませんでした。

でも思い出せばよく「赤字だから!頑張って!」って言われていたし、伏線はあったんでしょうね。

去年の自分に言いたい。

もし「赤字」って聞いたら

「ん?まずいやつ?」「どういうこと?」って耳をダンボにした方がいい。
情報に敏感になった方がいい。常に売り上げを見た方がいい。

廃業/倒産のリスクがあるって考えを持っていた方がいい。

これは訪問だけじゃなく病院もクリニックも施設もどの企業も同じ。

赤字からすぐに倒産ってことにはならないだろうけど、長期的に見て倒産のリスクはある。

むしろ長期的に"絶対に"続くという考え方の方が危ないのかもしれない。

今、高齢社会となり訪問看護の数は増え続けています。

ライバル競争が進んだり、人不足で廃業や倒産となる訪問看護もあります。

頭の片隅にでも”倒産"のキーワードを入れておいて。
いつ潰れてもいい。そんな危機感をもって次の手段を考え始めてみて。

経営面を気にするようになった

病院・施設・クリニックに勤めていると患者さんが来るのが当たり前、居て当たり前になっていますよね。

私もそう思っていました。
でもこの感覚って言い方悪いけどバグってるなと思います。

見えないところで違う部署の方たちが
営業をかけてお客さん(患者さん)をとっているんですよね。
ありがたいことです。

訪問看護や訪問リハのような事業所では
管理者や事務員が居宅介護支援事業所に出向いてケアマネに営業しています。

時と場合によっては、看護師や療法士が突撃訪問することもあります。
私も何回かお邪魔しました。

そこで思ったのはお客さん(患者さん)を集めるのってすごーく大変!ということ。

人が集まらないと売り上げに繋がらない。
売り上げがないと事業所の存続が危うくなる
事業所がなくなったら働く場所がなくなる…
なんて負の連鎖が起きてしまうわけです。

じゃあ療法士として何ができるの?

私が意識していたことは介入を通して営業をしていくこと

どういうことかというと

1回1回の介入で患者さんに「この人にやってもらえてよかった。また来てね」だったり、

ケアマネさんに「この人よくやってくれるな、この人に依頼したい」と思われるように意識していました。

よく管理者からは「訪看の看板を背負っていくんだからね」と言われていたような。

まあ自分が商品であり、自分を売り込みにいくような感じ。

特にケアマネさんによく思われれば患者さんの依頼が増えますし、間接的に売り上げに貢献することはできるんですよね。

患者さんはお金じゃない!
たくさんの医療職の人は思うと思います。
私もそうです。皆思うんです。

でも会社や事業所の経営からしたら売り上げって大事なんですよ。

売り上げに貢献できない人は必要ない。

私が患者さんの担当を外されたときに管理者から言われた言葉。
むしろ担当を外されるということは売上が減るということ、言語同断ですね。
当時はこの言葉に面食らったけど、今なら確かにそうだよなと思います。

病院とか施設に勤めていると自分の売り上げが見えません。
売り上げや利益に無頓着になりやすい理由の1つだと考えています。

私が働いていた訪問看護では
個人の売り上げや全体の収益など毎月の売り上げを出していました。
どうしたら売り上げが上がるのかなど話したこともありました。
おかげさまで少しは経営視点を持てたかなと感じます。

私たちは医療職である前に一社会人。
一社会人として売り上げに貢献することは大事な要素だと思います。

医療職としての想いに+αして
一社会人として売り上げに貢献する・経営の視点をもつことができるといいですね。


まとめ

訪問から老健へ転職したのは訪問看護の廃業のためでした。
廃業の理由としては経営不振。
この経験から事業所の経営面も気にするようになったし、一社会人として売り上げに貢献するという意識が出てきました。

”廃業・倒産"という危機キーワードが
皆様の頭の隙間に薄くても入っているといいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?