【あなたが主人公の話】ある受験生
あなたは今、モヤモヤしている。
高校3年生のあなたは受験勉強漬けの毎日。
「これじゃあ、なんの発見もないよ...」
イスの背もたれに思いっきり体重をかけたら、退屈すぎて心の声が漏れ出た。
ワクワクしながら入学した頃が懐かしい。
あのとき、あなたは冒険漫画の主人公だった。
毎日新しい発見があって、キラキラしていた。
「なのになぁ」
暗くなった窓に映る自分の顔を見ながら、あなたはつぶやいた。
虫の声が聴こえる。
自習棟にはもう人の気配がない。
「私が最後か」
あなたはつぶやいた。
気づいたら、あなたは荷物をまとめて廊下を歩いていた。
ずっと座っていたから足がダルい。
外に出ると生ぬるい空気に包まれた。
今日も頑張った。
私は受験を乗り越えるんだ。
あなたはそう、自分に言い聞かせた。
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