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大学院生になって素直に生きることで、当たり前の友好関係に感謝できたお話

"It's not too much to say I had vanity issues until very recently"       (not saying I haven't lost them...)

人のエゴほど扱うことが難しいものはそうないだろう。幼い頃の自分が大自然の中で無邪気に楽しんでいる写真と、学部3、4回生の留学先や就活中の写真を見比べれば、あの純粋さはどこに使い果たされたのだろうと悲嘆するだろう。

事実、晴れて日本の小中高の義務教育期間を耐え抜いて、自分に最も適した環境の大学に入学してから二年間は猪突猛進に自分の興味関心と友好関係を積極的に築いていくまさに理想の生き方をしていたものの、3回生に上がる頃から虚栄心や見栄が萌芽しはじめた感覚は否めない。

自己のアイデンティティ形成と留学先の経験、そして社会との接点探しの当てもない旅がこの芽生えの大きな要因を構成しうるだろうが、「社会的成功」とでも呼んだ方が良いのだろうか、自分の見え方、見られ方を誰もそこまで気にしてることはないはずなのに、過度に意識して、自らの思いに基いた意思決定というより、自らが植え付けた謎の周りの期待値に自らの選択を絡ませる、いわば回り回って自らを苦しめる思考を育てていたのであるし、現在も拭い切れてはいない。

「その選択をして、幸せになれたか?」この質問を今年の夏季に親がかけてくれた。自分は、留学先を決めるにしても、専攻の要件が一番高い留学先、ネットや大学ランキングを参考に、一番高いレベルのところに身を置けば、自らは成長できるだろうという一本の考えで選択をした。確かに、留学先では毎週340ページ以上の読み物や高い英語力、思考力、マネジメント能力、キャリア形成やリソースの活用力が養われる、これまでとない、それこそそれらを生かしたい方にはこれ以上ない場所だった。しかし、これらは自分の幸せに直感的に結びつく環境ではなかったのかもしれない。留学先を表す、それらネットやリソースの数値や評価は、それらを用いてその大学を「社会」の中で卓越したものとしたい意向を持つ人が大全した情報に過ぎないという見方を学ぶには、親の言葉を3度以上まともに聞くことでようやく成し得たことである。

学部の就活においても、自らのしたいことや自らを構成しうる大切な何かがわからない中、周りの就活生に遅れをとっている状況に引け目を感じながらも、自分には信念があり、悩みを抱えていないような素振りやで周りも自らへのごまかし、或いは浅虜の態度が目立った。しかしながら、これらを通じても、感覚としては、それこそ、ワクワクや全うな感覚は得られないと、回り道をしながら理解できるようになってきた気がする。

素直に生きられるようになってきた、そう感じられるようになってきたのは、少しずつではあるが、経験が重なり、それらの振り返りを受け取れるレセプターが自らに備わりはじめ、ごまかしのコストも感じ得られるようになってきたこと、他者、特に親などの言葉の本質も分かりはじめたこと、自らが今まで大切に育てられ、考える期間を許されていることの認知、アイデンティティの成熟、社会レベルなど広い思考回路から、地に足をついた思考ができるようになってきたこと;要するに成熟してきているということだろう。これらを内面の変化を契機として、最近の行動、発言、考えや選択を振り返ると、比較的素直に今の自らを偽らずに等身大の行いをしていると感じられるからではないだろうか。そして、それらの選択の結果、関わった人やそれらを介した活動のフィードバックが、自らに同じ土俵の上で、当たり前だが公平なフィードバックとして帰ってくる、当たり前の選択から当たり前のリスポンスが応答する、そんな経験を最近多く数えられるようになってきた気がする。

同じ寮に居住するメンバーとの交流が最近は上記の感覚を覚えさせてくれる。今まで、誰かにものを貸して欲しいなど、ちょっとした自らの都合に基づく頼みをあまりしてこなかった。自ら全ての都合を完結できた方が良いというストイックな考えの元かもしれない。これとは反して、もちろん今までの居住者と比較して成熟した年齢や似た背景を持つメンバーだからということもあるだろうが、生憎パソコンのケーブルがついに断線して提出物が当該日だったために、寮のメンバーに素直に貸してくれる人がいないかメッセージを送ったら、すぐさまその日は交代で貸してくれる方が現れた。貸してくれた方は、最近免許センターでの通訳をこちらが同伴した方で、この方を含め、寮のメンバーの多くがキッチンにて手作りのケーキやお菓子、料理のお裾分けをしてくれる。上記の写真も、寮のメンバーが分けてくれたエジプト料理のファッカ(Rice with Bread:Tortea beneath, Saffron and turmeric mixed rice, spiced chicken with parsley and Greek yogurt on top)である。一見伝わりづらいかもしれないが、率直に自らの話を通して、それに対応して当たり前の心遣いに基づく意見をいただき、その交流を通じた関係形成を経ることが、いわば、素直に自らを表現したことだから素直な自分に最も適切なアドバイスや意見を頂戴でき、それが自らを自然に肯定してくれるフィードバックなのではないだろうか。こんな自分と友好関係を築いてくれる方に感謝である。

以上




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