ボゴール植物園から|インドネシアのほほん滞在記
インドネシアは350年もの間オランダの植民地だった*。
ここにはその痕跡が色々なかたちでのこっている。
その一つにボゴール植物園がある。
ここはかつてオンランダ官邸の庭園であり、植物研究所であった。
今では地元の人たちも多く利用する植物園となった。芝生広場もあり、シートを敷いて談笑したり、昼寝をしたり、平和な空間。
散歩道が整備されていて、歩く人もいれば自転車やバイクで走る人もいる。
80ヘクタール以上もあるといい、
歩いて周りきるにはあまりに広いので電動バイクをレンタルした。
道の左右には見たことのない熱帯の木々が生い茂る森。
爽やかな風がほてった体の熱を奪っていく。
しばらく走るとひらけた森に出た。
光があまりに美しくて、
葉っぱの間を抜けていく風の音が気持ちよくて、
いくらでもここにいれるなーと思った。
さて、引き続きバイクを走らせているとちょっとした人だかりを見つけた。
近づいていみるとそこには…
巨大な木が2本立っていた。
見上げるのも大変なくらい高く伸びていて、不思議な形をした幹は立ちはだかる壁のようだった。
1866年にジャワ島内のどこかから植栽された2本の木。あらゆる生物たちと共存し大きな循環の中で生きる彼らは、荒々しくて美しい。
ぼこぼこ、ざらざら、つるつる。
彼らが生きてきた時間。到底理解の及ぶものではないな。
ちなみにオランダはボゴール植物園でコーヒーの品種改良研究などもしていたそう。ジャワ島はオランダによってインドネシアで初めてコーヒー栽培が始まった土地だったのだ*。
(明治時代、日本が初めて買い付けたのもジャワで育てられたコーヒーだった。そこから小笠原*や台湾でコーヒー栽培が始まっていく*。)
とうぜんのことだけど、
いま私たちが楽しむ珈琲も歴史から切り離すことはできない。
インドネシアのコーヒー豆輸出量は今や世界第3位*。
ボゴール植物園の功罪を考える。
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