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Rolleicord Vで撮るポートレート

昨年の冬から使っている二眼レフカメラのRolleicord V。クラシックなデザインと機械らしいフィーリングが楽しいカメラです。


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見た目の通りかなり古いです(このRolleicord Vは1950年代製)。

明るさの調整やフォーカスはすべてマニュアル操作で、撮影までの手順はデジカメやスマホと比べものにならない。それなのに撮れる枚数はわずか12枚。こうした制約もあって、二眼レフではスローな撮影でよく使っています。

最近撮っていきたいなと思っているのは、自分がこれまでお世話になった人の姿。家族やフォトウォークで会う友人ではなく、ちゃんと機会を設けないと撮ることができないような人のポートレート。


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少し時間を遡ります。

現在34歳の僕の学生時代はガラケー全盛期でした。当時はSNSもなく、普通の男子学生が日常を撮るような文化はそれほど濃くなかったように記憶しています。

そんな時代背景もあり、学生時代の写真が驚くほど少ない。ごくたまに写ルンですで撮ったり撮られたりした記憶はあるけど、そのネガは実家にも残っていません。

写真の少なさは記憶の曖昧さとイコールです。これまで過ごしてきたはずの日々をいつの間にか忘れているんです。

その記憶を今から取り戻すことは出来ません。だからせめて、失いたくない人と記憶はフィルムに残しておきたいと思いました。


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この道、僕と同年代のファッション好きには馴染み深い風景じゃないでしょうか。原宿にあるキャットストリートです。

学生時代、僕はこのキャットストリートの近くにあるアパレルショップでアルバイトをしていました。いわゆるショップ店員ですね。

和気あいあいとした店舗は社員とバイトも垣根がなく、接客も在庫管理も忙しいときも暇なときも全部楽しかった。常連のお客さんたちにも良くしてもらいました。

あれから15年。その店は今でも同じ場所で営業を続けています。これだけ入れ替わりの激しい場所ですごいことです。店長もそのときから変わっておらず、今でもたまに寄ってはOBヅラしてる。


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そんな店長のポートレート。

もうほんとお世話になりました。何も知らない大学生を長いこと遊ばせてくれてありがとうございます。


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15年越しのツーショットも。

この2人でお店をまわすときもたくさんありましたね。今になって思うと、大学生のバイトを楽しく働かせるなんて相当な忍耐力が必要だったんじゃないだろうか。写真を眺めていたらそんな想像が湧いてきて一層感謝が高まりました。

社会人同士ではこうして関係が続いている方が稀かもしれませんね。ライフステージによって活動時間や住環境も変わりますし。

だから少し恥ずかしくても大事な人との写真は撮れるうちに撮っておくのがいい。

Camera:Rolleicord V
Lens:Xenar 75mm F3.5
Film:FUJIFILM PRO160NS

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