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問屋無用論について

問屋無用論について問屋と深い関係の有る業務をしている立場から私見を述べさせて頂く。

問屋無用論(とんやむようろん)とは林周二によって唱えられた学説。 1960年代ごろからの流通革命により大量生産、大量消費、チェーン店化が進められてきた。 このことからメーカーから小売店に直接商品を搬送するという事が可能となり、中間に存在する問屋は無用になるという概念であった。

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そもそも問屋とは、そして問屋の役割とは

一般的な問屋とは、複数のメーカーから商品を仕入れて小売業へ販売、一括納品をする事業を行います。 問屋は物流の最適化、幅広い商品の取り扱い、取引の信頼性向上という役割を担っています。 問屋の主な仕事内容は、商品の仕入・販売、取扱商品の魅力を伝えることです。

(問屋の役割 ポイント整理)
・集約配送に伴う多品種小口配送の実現
・一括仕入れ、一括納品による物流費の削減、効率化
・倉庫ストック大口仕入れによるメーカーの販売保証
・販売代行業務(商談・事務処理・配送・受注処理・問い合わせ受付)
・多量商流による情報収集、分析、伝達

問屋の現状

(ポイント1)
現状は小売りが独自の倉庫や配送センターを保有するようになっている。従来で有れば問屋がチェーン各店舗に路線便を使用して配送する事で仕入れの効率化を実現していたが、昨今大手小売業者の保有するセンター迄商品を納品した後は、小売が独自の物流網を使用して各店舗に配送する傾向が強い。

(ポイント2)
販売代行業務についても、従来は情報システムの不整備に伴い広域量販法人の全店舗に対して販売促進対応を徹底することは全国に販売網を整備している問屋を通さない限り困難であった。情報伝達一つをとっても訪問、FAXや電話で意思伝達をする事の困難さは現状、インターネットの発達で解消されている。商談もオンライン商談が状態化している小売業者も増えている。

整理

以上から問屋の提供価値自体が低減している事は明らかである。大手海外メーカー等自社の販売網を整備(受発注業務人員の配置・店舗ラウンダー社員の育成・本部商談可能なアカウントマネージャーの増員 等)している企業から問屋との契約を打ち切り、直取引先を増やしている傾向も見受けられる。(問屋のマージン分の利益確保の為)

問屋の今後、戦略

今後問屋が取るべき戦略を下記に列挙する

・情報分析能力向上の徹底
・販売代行業務のアウトプット向上
・販売代行業務、受発注処理他サービス価値の向上
・メーカー戦略の徹底(店舗に対する対応)
・物流サービスの質向上
・マージン削減(メーカーが自社で配送整備するより割安に設定)

結論

以上、現状について整理させて頂いた。此方から私の結論としては、

問屋は有用。一方で改革を迫られている。そして大手仕入先(メーカー)から独立を果たす為、問屋を通さずにはビジネスが成立しない中小仕入先(メーカー)の育成が急務となり、その育成がメイン事業となる。その中小仕入先もいずれは大手となり離れていくが、その流れがメインストリームとなる為問題にはならない。大手小売との関係性を徹底的に築く事も問屋の重要な役割となる。


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