①作家夫婦が夫婦になるまでの話

※2018年アメブロ連載の再投稿です


2001年
嫁 大阪の田舎、某高校美術部3年

美大受験の為、美術室で放課後少し絵を描いてから近所のアトリエに行く生活を送っていた私は、その日もデッサンをするためにいつも通り美術室に来ていた。

同期のABちゃんと向かい合い、それぞれ静物デッサンをする。


そんな時目にした見知らぬ後ろ姿。

ひょろりと背が高い白いカッターシャツを着た色白の男。

それが後の夫になる人を初めて見た時の記憶。

(今思い返すと別人、、、ほんままさか高3の時に自分の結婚相手にすでに出会ってたとはな。
ま、10年以上気付かずその後かなりこじらせますがね~。)


誰や、、?先生?


その人は某美大の大学院生で、母校である私が通っていた高校に、週1 期間限定で講師として教えに来ていた。
高校時代は美術部、部活の先輩でもあった。


その講師であり先輩(白シャツ先輩とでも呼んでおこう。)がデッサン中の我々の元に邪魔しに見にきた。

「お~受験生か!見せてみろ~。
なっ、、、!おん前~こんな鉛筆使ってるんか!!!!描く以前の問題やな、道具揃えるとこからなりなおせっっ!」


!?


口悪っっ!!!感じ悪っっ!!
何こいつ!!!

白シャツ先輩は、初対面の私達に全然優しくなかった。

翌週、予定通り白シャツ先輩は美術室に来ていた。準備室で先生と喋ってる。

チラッ
「お~来よったか。」

はははは~ぺらぺらなんやかんや~高校生に興味なしっって態度~。


でも又先週と同じくなんやかんやデッサンを見てくれ
(「意外とちゃんと描けてるやん」と、さらりと流された。)


作品のポートフォリオを見せてくれた。

何を話したかよく覚えてないけど、結構喋りやすく、白シャツ先輩はわずかな時間を美術準備室で部員と共に過ごした。

そして、

「受かる受かる!頑張れよ~!」

と、適当な言葉を私達に言い残し、白シャツ先輩は勤務を終えた。

なんや、、もーけーへんのかー。

高3女子から見た二十代半ばの大学院生は、結構大人で、白シャツ先輩というゲストがいる美術室はそれだけでちょっと特別な場所やった。


(子供やな、私。)


白シャツ先輩の通ってる美大は私の第一志望の美大。


大学受かったら、白シャツ先輩と一年だけ同じ大学通える事になるって言ってたよな~

(今思うと年齢的に計算あう??)


ふーん、、、、、

これは、、、

絶対受かる!!!


落ちました(T_T)

白シャツ先輩と再会するまで後10年~(*^o^*)

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