まじわる
結婚生活うん10年。
夫とは2年間の交際を経て結婚。
新婚当初はそりゃあ毎晩楽しい時間を過ごしたけれど、今は夫と肉体的にまじわる事は無い。
さて、今日はお友達の薄焼ちゃんとランチの約束。
薄焼ちゃんとはSNSの手帖サークルで出会った。
薄焼ちゃんが普段何をしているのかはさっぱり分からないのだけれど、意気投合して今日はお互いの手帖を見せ合ったり、SNSでは話せない事もたっぷりお喋りする予定。
「薄焼ちゃん?」
「きゃーーーー!本物ーーー!!」
SNSでの出会いの初対面はこんな感じだ
普段からコメントやzoomで会話を交わしているから初めから距離が近い。
「で?旦那さんとは夜の方はどうなの?」
もう、薄焼ちゃんてばいつもこうだ。
でも私、こーゆー話は苦手じゃ無いんだよね。むしろ忘れかけていた私の中の何かがうずいちゃう。
「あははは、無い無い!でも仲はいいんだよ?この前も後ろから羽交い締めしてやりましたよ。」
「羽交い締、、バックハグね!本当仲良いんだから。」
「うん。凄くいい旦那君だね~。でもね、気付いたら何処かでやっぱり遠慮したり、伝えたい事伝えずに飲み込んだり、仕事で忙しいから旦那君にたよっちゃだめだーって抑えたりしてる事に気が付いたんだよねー。
だからね、今は意識的に旦那君に頼ったりするようにしてるの。」
「それめっちゃいいね。ほんで、ありがと~って羽交い締めする訳ね?」
「そうそう。」
「男の人ってさ、本質的に女性が喜んでる姿を見て、自分も気持ち良くなる性質を持ってるのよね。だからどんどん頼って、ありがとーーーっていーっぱい褒めるとお互い喜んでお互いが幸せに、、、」
「って薄焼ちゃんもしかして、バンブー・サナーサの新刊読んだ?!」
「それそれーー!サナーサの本に書いてたー!」
「ほんと夫婦って面白いよねー。夫とまじわる事は日々実験だな。あ、まじわるって日常生活の会話の事ね。」
「夜の楽しい時間とも繋がってるさー。」
「どーゆー事?」
「夫婦の夜の営みは、日常生活の延長って思うのよ。日常生活のコミュニケーションが取れてる2人と、めんどくせーなーって妻の話を聞く気も無い、そのうち話もしなくなる2人とでは、きっと夜の楽しさも違ってくるんじゃないかなー。
そーゆー意味では既に言葉でまじわってるよね。きっと夜も楽しいかなーなんてね。でもさ、まじわる形は夫婦の数だけあると思う。」
「あははは。確かにね~。うちは私からの羽交い締めで決まりだからさ!無い無い!」
、
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、
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じゃぁまたね~!
無い無いって言ったけど、、、、
あー言われると今夜は楽しい夜をって気分になっちゃうよねー。
今日はいつもよりいっっっぱい旦那君に甘えよう。
外食連れてって!って言ってみよう。
羽交い、、バックハグで嬉しさを伝えて
これからも色んなまじわる方法を実験して行けばいいよね。
かわるがわる展3 短編集
2020.06.10【まじわる】より
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