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pragmatism! 8ミリフィルム加工アプリで撮影してみた

みんなで世田谷クロニクルの「春休み動物園」を観ていたときだ。冒頭、上野動物園の前をアボガドグリーン色の軽自動車が横切る。

世田谷クロニクル「春休み動物園」より

「この軽ワゴン車が凄い。色はなんていう色なんだろう。萌黄色かな?軽ワゴンの色、当時と今、バリエーションの趨勢(すうせい)が気になる」一緒に見ていたMさんは、そんなことを語っていた。

わたしは、子どもの頃、家にあった冷蔵庫とおなじ色だな、と思った。加湿器やプラスチックの食器もおなじ色だったことを思い出す。アボガドグリーン色って昭和のみどり色という感じで、いまでもレトロ家電というとこの色をイメージしてしまう。

おなじ色の車は現在も走っていないのか。Mさんの発言から車の色が気になり出してしまった。

「フィルムの影響で色の見え方は実物と違うかも知れない?」なんていう意見も出たので、再現はできないだろうけど、雰囲気を感じとるために、8ミリフィルム風に加工撮影のできるアプリをダウンロードして、みどり色の車を見つけるたびにスマホで動画を撮ってみる実験をしてみた。

実際にやって気づいたこと。

フィルムによる色の見え方の違いはよく分からなかったけれど、別の大きな発見があった。

無声8ミリ映像だと音は聞こえないけれど、スマホアプリ映像は音も入るので車のエンジン音などが映像から聞こえてくる。それが、ものすごく新鮮だった。

当たり前すぎることだけど、当たり前を失念していた。

人物も8ミリフィルム加工アプリで撮影してみた。被写体は親戚の中学生。たまたまホッピングで遊んでいるのを実験的に撮影してみた。

最初は音ありで観て、2度目はミュートにして音無しで見てみた。

なるほど、そういうことか!

写ってないひとの声や会話、ホッピングの音、風が木をゆらす音、洗濯物のはためく音、、、草木の匂いや光のまぶしさとか、映像の中にはいろんな情報が実はたくさん入っている。

世田谷クロニクルの無声8ミリフィルムも、見えない聞こえない情報はたくさん入っているはずだし、撮影中は、撮影者と被写体の間で会話はされていたことを「実感」を持って想像できた。

実践第一主義。どんなことでもやってみないとわからない信条は、あながちハズレではない。
この経験は、世田谷クロニクルの8ミリ映像鑑賞で妄想を膨らませるのに参考になりそう。

写真もおなじことが言える。切り取られた時間に耳をすませば、いろんな声が、物語が、聴こえてきそうだナ。

✳︎参考 世田谷クロニクル
https://ana-chro.setagaya-ldc.net

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