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私は貝になりたい、訳じゃないんだけどね

ミステリアス・ロンリーは言った。結婚する相手は、この世で一番相性の悪い人間だ、と。なんだとお。人生最大のミステイクじゃん。でもなあ、そう思えば、どんなことも、しょうがねえなあで済ますことができるか。もしかしたら、遺伝子戦略的にも、そいつは正しいのかもしれない。自分と似た人間同士で子孫残したら、ピンチの時に、同じ行動パターンとって、親子ともども野垂れ死にってこともありうるし。そもそも、同じ匂いのする人間は、好きにならんらしいし。フェロモンだか何だか、肉体的に近い何かがある人間の臭いには嫌悪感を抱くらしい(ドーキンスがそう言ってたわけじゃなかったと思うけど)。確かに、昔、同僚が、あの先輩の臭いは耐えられない、とこぼしていたのを思い出す(ちなみに男同士だが)。別に加齢臭ではない。実際、自分にはその臭いは分からんかったし。まあ、昔々、同僚の女子に、その香水はやめてくれって言ってしまったことはあるけど。彼女でもないのにな。ひどい話だ。でも、獣(けだもん)の臭いがしたんだ。外国の品だったんだろう。強力な香水。歌にもならんな。閑話休題(って今は言わんな。by the way か)。会話のない夫婦ってのはよく見かける。レストランで席に座った途端にお互いスマホをクリックしだしたり、バスで2人席が空いているのに離れ離れに座ったり(夫婦に限らず、ファミレスで、親が無言で黙々と飯を食べてる横で、ゲームを片時も手放さない子供の姿を見ることも、ままあるけど)。これも、世界一相性の悪い二人だと思って見れば、さもありなん、というより、よく我慢して、一緒に行動しておる、なかなか見上げたもんだって思えてくる。振り返って、自分はといえば、まあ、こちらからはしゃべらんようになった。何しゃべっても、なんや知らんが、ばっさり切り捨てられるようで。一生懸命話しかけても、話がエンドレスだ、と会話そのものを全否定。ちょっといろいろあって気が高ぶり言葉が走ってたりすると、分かってる?変に高揚してるの、と足元からすくい投げを打たれる。潔いばかりだ。聞きたくないこと、興味ないことは、断固聞かない。そのへんは、自分には決して真似できないところなんで。おかげで、いい人として、頼まれごとが多い(都合よく使おうとする輩も散見されるが)。そういう意味では、自分と正反対な人間から学ぶところは多いのやもしれん。せんじ詰めれば、嫌なことはしない、というスタンス。今、流行りの「いい人を止めれば幸せになれる」ってのを体現している?いや、止めてないか、もともとか。うん、こりゃ遺伝子戦略的には大成功だな。子孫は、いないんだけどね。


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