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老人と歯医者、夏の虫、そしてメダカ

夜になると、「ジ―」っと集団で鳴いている虫がいる。ネットで調べるとクビキリギリスかケラらしい。ずーっと鳴いていて、いったい何事かと思う。昼の蝉しぐれはだいぶ大人しくなったけど、夜は騒々しい。毎年、こんなんだったかと思い返すが、思い出せない。虫は、すごい。エネルギッユだ。もう一つ、夏と言えば、蚊。短パンから出した足やノースリーブの腕を、これでもかと蚊に噛まれている人をよく見かける。刺されたというより、噛まれたという感じ。どんなとこに住んでるんだ。庭で草刈りでもしたか。自分はあまり刺されない方だが、今年は、ここのところ毎日やられている。部屋にいるらしい。ベープを焚いても、いなくなった気配がない。昼間は微塵も動かず、人が寝てから、活動しているらしい。蚊は、たいてい耳元に飛んできて、その羽音で目が覚めたりするんだが、今回の蚊は、腕だけを攻撃してくる。すでに3か所。赤く腫れたというより、小さいいぼのように盛り上がって、やたら痒い。普通は、赤いぷっくりとした皮膚の盛り上がりが残るのに、こいつは、強力な痕を残す。その辺に飛んでる蚊とは種類が違うのかもしれない。今日は、退治したいものだ。にしても、血を吸うだけ吸って、部屋の中に居座って、結局つぶされてしまう蚊ってのも、何やら不毛だと思うのだけれど。そんなむず痒い発疹を抱えて、今日は歯医者。親戚なので、任せっきりで安心していられる。こんなに穏やかな気分で歯医者にかかれるのは初めてだと思う。身内はありがたい。その歯医者に、お年寄りが何人も来ている。腰が曲がっているのに、一人でさっさと歩いてくるおばあさんもいる。生きる意志が溢れている。お年寄りはすごい。あの生きるパワーはどこから来るんだろう。生きるというのは、パワーの発露だと思う。すばらしい。それにしても、歯医者というのは、痛くなくなったものだと思う。局所の麻酔で、何の痛みもない。回転するマシンの音と、削られていく歯のにおいだけ。あの歯が削られていくにおいが、自分は、ちょっと好きだったりする。歯医者に来たなあっと実感する瞬間。歯医者の醍醐味?というのは言い過ぎか。無事本日の治療は終わり、家に帰る。家では子メダカが日々増えている。この暑さの中、次々と孵化していく。これもすごいエネルギーだ。去年までは、こんなに卵を見かけなかったんだが。今年は、どうしたことか。ちょっと卵を産みやすい水草を入れたからか。親に食べられてしまう前に、子メダカを救い出せているからか。子メダカは、この暑い日差しの中、すこぶる元気に泳いでいる。これまた、素晴らしいね。もうすぐ、夕暮れ。まだ、外は蒸し暑い。強い西日が、地面を照らしている。もう少しすれば、涼しくなるのだろうか。もっとも、夜も、窓は開けないのだが。虫の声、思いのほか熱風の夜風、そして、どういうわけか、空気が排気臭い。海辺の石油プラントの排ガスが漂っているのか。いずれにしても、まだ、ひと我慢か。まずは、部屋の蚊の退治が先なんだけど。

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