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介護かいごかい?

介護ってのは、えらいことだ。俳諧されたり、腹減った飯食ってないとずっと訴えられたり、もの取られたと疑われたり、あげく部屋中にうんこまき散らされたり。とりあえず、自分は介護施設に入居してもらってるんで、それはない。それはないけど、日に何度も何度も何度も訳のわからない内容の電話をかけられてくるのは、正直、こたえるなあ。特にこっちの体調悪い時は、どうにもね。なるべく怒らないように我慢して対応してるが、あまりしつこいと、声を荒げてしまうよ。訳の分からない電話の根っこは、寂しいからかまってくれ~なのは分かってるが、かまってあげる気持ちの余裕がない。そもそも、自分が寂しくなかった時は、こっちのことなんか、へとも思っちゃいなかったことがよーく分かってるんで、なおさらね。年とって、そんなんなっちゃうのは、なあ…。もう一方の親は、死ぬまで、こちらのことを罵倒し続けたし。あれもこたえたなあ、入院してる病院に見舞いに行くたびにね(もっとも、おかげで、亡くなったあと、喪失感とか悲哀とかは感じないで済んだけどね)。仕事のあと、日が暮れた病院帰りの駅のホームは、端に寄らないように気を付けたよ。電車に誘われないように(そういや、一度、一つ前の駅で、誘われちゃった子がいて、電車止まったことあったな)。どっちの親も、家で、自分に介護してもらいたい(もらいたかった)って、意思表示なんだけど、そりゃできんわ。仕事やめて、四六時中、向き合ってたら、どうなることか(新聞沙汰になっちゃうかもな)。両親の介護で仕事やめた同僚の男の人がいたけど、だいじょうぶなんだろうかなあ。連れ合いや、兄弟の助けは得られてるんだろうか。いま時は、それすら期待できないからな。義理父母なんか顔も見たくないってのは、ごくごく普通の話だし。まして介護なんぞ。まあ自分の親だって、しんどいのにな。職場じゃ、自分の携帯の呼び出し音が、みなに知れ渡ってるよ。仕事中、何回もかかってくるし。席離れてるときなんか呼びに来てくれちゃったりして。申し訳ないよな。ああ、今日も電話が鳴ってる。とりあえず、出ないとな。出るまでかけ続けるから。ほら、着信履歴がびっくりだ。執念の人だねえ。まあ、自分勝手な人間だ、それでいいと思ってるって、自分で言ってたし、医者に。こいつも、ちょいと驚いたけどねえ。笑っちゃった。ほんとにね。


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