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# 100 医師が覗き見る「日本社会のイマ」

今回、板橋区は日本ファシリティ大賞を受賞。本日はこの賞をきっかけとして、ファシリティマネジメント(FM)を覗いてみる。
文献サーフィンをしてみる。
FMは経営組織のなかで、事業(ビジネス)を支える4つの機能分野(人事、ICT、財務、FM)うちの一つである。

これは「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」のことである。
FMは、オフィスはもとより官庁および地方自治体施設、医療施設、生産・物流および研究施設、教育施設および文化施設、商業および宿泊施設、情報管理施設、交通およびインフラなど、あらゆる「施設とその環境」を対象としている。ファシリティ(土地、建物、構築物、設備等)すべてを経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、賃借し、使用し、運営し、維持するための総合的な経営活動を意味すると言うことの様だ。 

戦略は「FM標準業務サイクル」である。経営戦略にしたがって、ファシリティを企画、管理、活用していくFMの業務体系PDCAサイクルが活躍する。 
これは・Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)
の頭文字を取ったもので,ビジネスマンの常識とも成っている。具体的には、P「FM戦略・計画」の業務、D「プロジェクト管理」の業務、「運営維持」の業務を実施し、これらをC「評価」する業務に続き、評価結果を受けて、FM目標のA「改善」の方針を立案、改善計画を元にして、新たなるFM戦略・計画に戻り、FM目標および計画の見直しを行う。経営目標に影響する重要な課題解決が必要な場合には、経営戦略にフィードバックされる。
こうしたFMの業務のプロセスで、PDCAサイクルを回す役割を担うのが、「統括マネジメント」の業務で、トヨタやソフトバンクはその手法で秀でていると言われている。この手法は自治体でも取り入れられ、板橋区もそれを担当する部会がある。 

1.日本ファシリティマネジメント大賞の概要

JFMA賞
1)目 的:
FMに関する優れた業績等を表彰することにより、日本国内におけるFMの普及・発展に資することを目的とする。
2)表彰の種類:
(1)優秀ファシリティマネジメント賞
 (FMの手法を取入れ優れた成果を上げている活動)
 このうち特に優れた活動を「最優秀ファシリティマネジメント賞(鵜澤賞)」とする
 該当なしの場合もある【公募】
(2)技術賞(FMに関する、新しい手法・技術の取組み)【公募】
(3)功績賞(FMに関する優れた論文、出版、その他の活動)【公募】

今回、4件が 優秀ファシリティマネジメント賞受賞、その中の「 東京都板橋区 」は最優秀ファシリティマネジメント賞(鵜澤賞)に選ばれた。
ちなみに昨年は聖路加国際大学、聖路加国際病院が選ばれている。

今回の受賞を実感できるものは多々あるのだが、特にあげると小中学校と区立中央図書館である。私は長年、学校医をしているので実感するのだが、ここ10年間の教室のリノベーションには驚く。更に統廃合により、より機能的な学校が誕生している。
区立中央図書館は公園の中に建てらた近代的な外見の建築物である。然し、中に入ると、木の香りのする日本建築の良さをが強調されている。

板橋区も今後は少子高齢化の波で、税収は目減りしてゆく。そんな中で、限りある財源を用いて、選択と集中の目線で、百年を織り込んだ区民の財産となる立派な建物を作りたいという意図を感じる。
その様な理念を評価しての受賞であったのであろう。
自治体の持っている世界観が感じられる瞬間は国民の満足度に直結することは、今回のコロナ禍で、ワクチン行政などで十分に認識したのであるが、FMも目立たないのであるが、ふと気づくと幸福感に繋がる。

今後は区営住宅とか、FMの観点から区民の財産を増やして行くのであろう、期待が持てる。
この様な流れが日本中の基礎自治体に拡散してゆけば、日本は更に安心安全で、住みやすい国になって行く筈。
今回、コロナ禍で日本は衛生環境の整った国であることを再認識したし、日本に生まれていて、良かったと実感した。
この様な医療、衛生面だけでなく、あらゆる分野で、自分の置かれている環境に満足できる国になるには、国家だけでなくて、地方自治体、基礎自治体の力が必要であり、重要である。
きめ細かで、個性豊かで、活力に満ちた地方分権型社会の意味にふと気付くこの頃である。

コロナに密着して行きます。




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