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#26 医師が覗き見る「日本社会のイマ」

今回は、政治的な内容である。経済に比べると、主観的な世界でもあり、受け入れやすいが、確信をもって話せない事柄でもある。
しかし日本丸の新たなる鹿島立ちである訳で、あえて言及してみる。

安倍首相から菅首相へと移り行く中、スガノミクスが聞こえてくる。
菅政権はアベノミクスを継承しつつ構造改革を目指す内閣と捉えられているのだが、果たしてどうなのだろうか?単なる継承内閣なのだろうか?

アベノミクスは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」を経済成長を目的とした政策運営の柱に掲げた。
ここに至って、この3本の矢の検証に、多くの見解が示されている。烏滸がましいかも知れないのだが、そこに加わる様に、私見を述べさせて頂く。

第一の矢は黒田日銀総裁の異次元緩和で始まり、安倍首相と黒田総裁のコンビネーションが功を奏してきた。コロナショックでは世界中が日本へ『右へ習い』するかの如き金融緩和政策を打ち出し、金融危機を乗り越え、更なるブースター効果を発揮している。スガノミクスは異次元緩和を維持するのだろう。

第二の矢は財政政策であるのだが、当初は目に見えるものではなかった。しかしながらコロナにより世界中が財政政策を大胆に行う外部環境に日本も遜色ない政策を打っている。消費増税に菅氏は『10年間しないという安倍首相の考えに私も同感である』という驚く様なフォワードガイダンスを政治家として示した。現状では金融引き締めの雰囲気は全世界に見られない事も加味すると、スガノミクスは一定の方向性と道を歩み、機動的な財政政策を進めて行くと思われる。

第3の矢は成長戦略であって、これに関してはアベノミクスでは不透明感の漂う標語であった。何を目標にして成長に結びつけるのか?分かりにくいままに、デジタル後進国に取り残されてしまったという反省もある。
菅政権が目指す構造改革は第3の矢に入る筈。各省庁の縦割りの弊害を打破するとも言っており、岩盤規制の最たるものが各省庁の省益であるという事なのだろう。デジタル庁は以前より自民党内で議論されて来たのだが、ここに至り実現した。コロナにより浮き彫りになったこの分野の遅れを行政改革の一丁目一番地に据えている。成長戦略=構造改革と捉え、掛け声だけでなく、大将自ら突き進むつもりの様だ。

アベノミクスはザックリ感がありマクロの安倍と言われ、スガノミクスは巨細にまで目を届かせる、ミクロの菅と言われている。しかしスガノミクスの本質は選択と集中ではないだろうか!アベノミクスとは似て非なるものであるのかもしれない。
期待と不安が入り混じっているというのが正直な所であろうが、post-コロナには必要な政策姿勢であり、政権であると思われる。

解散総選挙を早期に行い、民意を問うべきでなのだろうが、又してもコロナがその判断に立ちはだかっている。
年内にもコロナ収束の目処がついて欲しいものである。

コロナに寄り添います。


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