#250:テニスマネージャーの憂鬱(3)
前回は、息子のテニス初試合について書いた。
そこから試合を重ねるが、なかなか勝てない日々が続く。初勝利に向けてきっかけを模索する。
3月前半の試合
3月前半の週末は昭島の試合と1月に延期となった大磯の試合に出た。
昭島の試合
この日は私に別の用事があり、妻に帯同してもらって試合に出場。
結果は1-6で1回戦敗退。
相手は前回と違い中学生のようだったが、相変わらず息子のテニスは練習時とは程遠かった模様。
実際には観戦できていないが、また悔しさを噛み締めたようである。
大磯の試合(1R)
その翌週は大磯の試合。1時間のドライブの末、家族3人で会場には9時前に到着。
9時台に予定されていた1試合目(1R)は対戦相手が表れず、不戦勝。ちなみにテニスでは不戦勝をW.O.(ウォークオーバー)と表記する。
ほんとにテニス用語はたくさんある。覚えねば。
なぜW.O.は多い?
この時は「大会の参加費用も払ってるのに来ないなんて、対戦相手は体調でも崩したのかな?」と呑気なことを思っていた。
しかし、これ以降も度々W.O.で勝ち上がったり、後から大会結果をみても多くの選手が不戦勝しているという事実に気付いた。
どうやら、一部の選手はランキングのポイントを効果的に稼ぐために大会を掛け持ちでエントリーして、直前に出る試合を選んでいるようなのだ。
直前で欠席すると、既にキャンセル期限は過ぎているため、エントリー費用は返金されない。でもランキングのために複数試合にエントリーする。
これは凄腕テニスマネージャーというべきか、課金ゲームというべきか。ジュニアテニスの世界は相応の資金力が必要なのだと徐々に気付く。
大磯の試合(2R)
話が脱線した。
試合に話題を戻すと、次の2試合目(2R)はこの大会のNo.1シード選手との対戦。
シード1はこの大会でランキング最上位の選手が選ばれているので、恐らく1番強いはず。
そして、この大会ではシード1選手の初戦は2Rなので集合時間も遅くてよい。そのため、10時過ぎてから相手の選手は悠々と到着した。
今回もまた息子よりひと回り小さい選手。但し、テニス経験は長そうな雰囲気を醸し出しており、ウォーミングアップとして縄跳びを飛び始めた。(縄跳びでアップする選手は多い)
…
試合結果は0-6。ほぼミスをしない相手に完敗。
あと1ポイントでゲームが取れるというところを全て相手に競り負けてしまった。そして、相手はその後も勝ち進んでその大会を優勝していた。
大磯からの帰宅
今回は2Rへ進んだのでお昼前の帰宅になったが、試合としては1試合のみ。
完全に消化不良の息子。
なぜ勝てないのか(自分のテニスができないのか、できたら今日の相手でも勝てるのに…。)と帰りの車の中で涙ぐむ。
普段は割と落ち着いている息子がここまで悔しさを露わにしたのは久しぶりだ。情けなさと、どうすればよいか分からない苛立ちが混じっている。
帰宅途中に「なぜ勝てないのだと思う?」と涙目で息子から問いかけられたので、私は感じたことを率直に伝えた。
ただ試合に出てコート内にいる本人と、外で観戦しているだけの親とは感じること、見える景色も全く違う気がする。
本人がピンと来るようなことは言えなかった。
初勝利へのきっかけ
ここまでの試合は3連敗。
ジュニアテニスを中学で始める遅さは色々な情報から事前に頭では分かっていたが、実際に試合でその差を実感すると心身ともに堪える。(親も)
テニスが、テニスの試合出場が、このままだと楽しくなくなるのでは?と少し心配になってきた。
そこで試合で勝つヒントを掴むためにできる親のサポートはないかと試行錯誤した。
ビデオ撮影
そのひとつはビデオ撮影である。
初試合の時、隣のコートでは子供の試合をビデオ撮影している親がいた。それをヒントに、大磯の試合からビデオ撮影することにした。
ビデオ撮影したものは何度か息子も観たが、直後は感情的に冷静には観られないようである。
また試合の時に自分のテニスがおかしいことは理解しているので、それを改めて確かめるだけで、この時はあまり役に立たなかったようである。
ただビデオ撮影しながら、親として客観的に試合を観るのによいと感じた。どうしてもただ観戦していると感情面も含め主観的になってしまう。
それが画面を通すと、親であっても少し距離感を保ちつつ試合を観戦できる。撮影はやめたが、客観的な観戦スタンスが身についたのはよかった。
試合の記録係
その客観的な目線を更に一歩進めて、ビデオ撮影の代わりに試合の細かい記録を取ることにした。
素人のテニスマネージャーが下手なアドバイスをするより、記録員に徹して客観的な情報を収集し選手である息子に渡すのがよいのではと思った。
そこで、試合のワンポイント毎に記録をつけることにした。
まずは相手のポイントか、こちらのポイントか、それはどのような形での失点か得点かを簡易メモで記録することに。探すと記録用スマホアプリもあったが、まず慣れるまでは手書きにした。
このポイント記録は、息子と試合を振り返る時の重要なインプットになった。
あの場面でのセカンドサーブは良かったねとか、4ゲーム目の30-30で粘り強いラリーだったとか、具体的な場面での振り返りが可能になった。
試合をしっかりと記録するため、少しだけ一緒に闘ってる気持ちにもなる。ようやく多少はテニスマネージャー的な動きになってきた。
スポ人の大会
初勝利への最後のきっかけは出場する試合の選択について、である。
以前の記事で試合エントリー口には3つのサイトがあると書いたが、実はこの頃まで「スポ人」というサイトは見つけられていなかった。
この頃、たまたま情報収集して「スポ人」の大会情報をようやく見つけた。
ここは、たくさん試合経験ができる大会を開催しているとのこと。(トーナメント形式ではなく、予選リーグで総当たり後にトーナメント、など)
ひとつの大会でたくさん試合ができるこの形式は今の息子にピッタリ。
…でもなぜ早くここに辿り着けなかったのか。
テニスマネージャーとして情報不足を悔いたが、今更致し方ないので、早速試合にエントリー。
3月中旬にスポ人で初試合となった。
…
ここでようやく試合で初勝利するのだが、それは次回に書いていこうと思う。
お読みいただきありがとうございます。(続く)
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