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妊娠中の震災

妊娠初期に、東日本大地震がありました。

その時妊娠2〜3ヶ月だった私は、仕事に行く途中で電車の中。地下鉄が神谷町駅に到着した時、ふわぁ〜っと横に揺れました。「この駅は大きく揺れるもんだな」と呑気に構えていましたが、止まっても揺れていて…ようやく「大地震かもしれない」と思ったのです。乗っていた全員が駅員さんの指示で降ろされ、地上に出ました。

恵比寿まで行かなくてはならないのに…と地震に恨み、(まだコトの本当の大きさをわかってなかったのです。)地上に出てようやく「これは大変なことになった…」とお腹に手をあてると同時に、とてつもない不安が押し寄せました。

移動手段のバス停はもう長蛇の列…会社勤めの人はヘルメットをしている…電話は通じない。お腹は張ってくるし、不安で不安で仕方がなかったけれど、自分とこの子を守るのは私しかいないんだと奮い立たせ、冷たい小雨の中、恵比寿を目指してゆっくり歩き出したのでした。

歩いている途中、人の波の中で押されたりして、お腹が張りに張りまくって…じわりと涙が出てきました。このまま何もなく到着しますように…東京タワーに祈りながら歩いた事、忘れません。

最悪のことを考えはじめてしまった頃、なんとか友人のオフィスに到着し安心して横にならせてもらいました。

正直私一人だったら、と歩きながら何度も思ってしまったりもしました。でもその度に「ここにいるよ!頑張ろう!」と張っているお腹から言われているような、なんとも言えない気持ち。その時に「ああ、私はもう母なのだ」と再自覚したのです。

母子共に助かった。それだけで本当に本当にありがたい事でした。

…その時はそう思っていたのに。息子が発達障害とわかった時、震災の時のことまでさかのぼって考えこんでしまった時がありましたっけ。

また書きます。


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